見出し画像

お線香のかほり

最近よく、お線香をたくんだ。


長野に帰る時は、ここ1年くらい、自分で運転している。

この前のお盆も同様に、長野に帰るために運転してたんだ。
運転していると、ふと煙の匂いを感じた。
でも、窓は閉まっている。
私は喫煙しないし、同乗者がいる訳でもない。
車が故障している訳でも無さそう。

なんでだろう

って不思議に思ったんだ。

お盆が過ぎてからも、ふと気がつくと職場でも家でも煙の匂いがするんだ。
タバコの煙ともとれる匂い。
でも、職場では喫煙所は隔離された一角にあるし、私が住んでいるアパートにも喫煙者はいないと聞いている。

おかしいな。

段々と日が経つにつれて、煙の匂いがずっとするようになってきたんだ。
息を吸うたびに鼻の周りにまとわりつく煙の匂いに嫌気がさした頃、同じような現象に悩む人を探してみようと思い、ネットで検索すると

出てきた。

その名も「異臭症」。

原因は、アレルギーや加齢、ストレスらしい。
しかも、女性の方が発症リスクが高いとのこと。

病名がわかって安心したのだけれど、症状が異なるのが気になった。

「まあ、私は軽い方なのかな。」

なんて流しつつ、死ぬ病気では無いため、様子を見てみることにしたんだ。
いつか治るだろうなんて思いながら。


そんなある日、とっても嫌なことがあった。
もう縁を切ったと思っていた知人から、遠回しに連絡がきた。
しかも、ヒステリックを起こしているように「○○さんがやってることは違法ですよね。間違ってますよね。」と。
思い出し笑いならぬ、思いだし怒りのような感じだったと、代わりに伝えてくれた方から言われた。

私は、身に覚えのないことを言われて、すごくショックを受けた。

知人は医者として働いており、このご時世、流行病の影響もあり、精神的にもすごくダメージがきているようだとすぐに感じた。

「言われのないことを伝えられた私の身にもなってくれ。あんたが言ってるのは間違っている。そもそもはお前が悪いのだ。」
と医者である本人にぶつけたかったが、同情が勝ってしまい、そんなことはできなかった。

私は、彼が性同一性障害が一因でうつ病を患っていた過去を知っているし、今でも精神を安定させる薬を飲んでいるのも知っていた。
また、彼は、現在の職場にはその過去を伝えていないらしい。だから、彼が職場で様々なストレスを抱えていることが容易に想像できた。

反論しても無駄だから、このまま受け止めるしかないと私は腹を括ったんだ。

「なんて日だ。」

そう思った帰り道、

自分にこんなことが起きるのには、何か原因があるはずだ。
それは、私自身の未熟さと日頃の行いにあるのではないか。

と気付いたんだ。

未熟さは、自分が反省して勉強するしかないと思うが
日頃の行いはなんだろうと考えたんだ。

そこで、ふと気付いた。

・いつもは神棚に備えているお札を掃除のために、西向きの窓辺に置きっぱなしにしていたこと
・掃除した後、神棚にお水を供えていなかったこと

これが原因かも!と思い、帰り道に簡易お札受けを新調したんだ。
それと同時に、煙で家中を清めたいと思い、お線香も買ったんだ。

家に帰って、早速、神棚を配置し、お水も備えた。
柏手を打って、悪い気を払った。
お線香を焚いて、トイレや玄関、鬼門を煙で浄化した。

すると、気持ちが鎮まり、今まで心に抱えていたモヤみたいなのが消えていったんだ。

あと、気付いたことがあった。
お線香から煙の香りこそ、私がずっと感じていた匂いだと。

仏様は、煙を食べるというから、もしかしたら、私の仏様に対する気遣いが足りておらず、仏様が気付かせてくれたのかもしれない。

その日以降、お線香を焚いているときを除いて、煙の匂いを感じることは無くなった。

また、彼に関する連絡は私にはきていない。


もうそろそろ、9月のお彼岸だ。
しかも、祖父の命日も近い。

仏様にご挨拶に行こう。


追記
これは、私の経験であり、病名に自己判断は禁物です。
気になる方は病院に行きましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?