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#小説 あべこべのカインとアベル/シスター・コンプレックス

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自分の書いた小説を一作品、まとめています。ある少女の回想が主です。短編です。
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2021年2月の記事一覧

小説 シスター・コンプレックス④

 この夏休みに、特にこれといった予定があるわけではなかった。  高校の課題をこなし、栞の…

neko
3年前
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小説 シスター・コンプレックス③

「カメラ?」  栞は私の手にしたものを見て、首をかしげた。  「そ。部屋を掃除したら出て…

neko
3年前
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小説 シスター・コンプレックス②

 何かに思い悩んだ時、私は部屋の片づけをする癖がある。  頭を空っぽにして、要るものと要…

neko
3年前
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小説 シスター・コンプレックス①

 私が姉の模造品だと感じたのは、いつくらいからだったろう。  五歳違いの姉は、いつも私の…

neko
3年前
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小説 あべこべのカインとアベル⑧承前ーシスター・コンプレックス前話

 なぜ栞がそんな話を私にしたか?  その答えは明確だったし、その話の真偽はどうあれ、とに…

neko
3年前

小説 あべこべのカインとアベル⑧―栞の問いかけ

 水穂、この話をどう思う? なぜ私があなたにこの話をするのか?  また、いつものように、…

neko
3年前
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小説 あべこべのカインとアベル⑦

 落ちていく彼の姿は、一瞬だけれど、まるで静止画のように、私の目に焼き付いている。  彼の左手はまだ本の表紙を掴んでいたけれど、何百枚というページは風に踊らされて捲られていた。両手両足を無防備に投げ出して、でも、彼のその顔は。  驚きでも悲しみでも、ましてや恐怖でさえなく。  正解だとでも言いたげな微笑みを浮かべていた。 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―  次に目が覚めた時、私は病院のベッドの上だった。  覚えていないけれど、私はカインを

小説 あべこべのカインとアベル⑥

 ひと夏、それは日数でいえば、どのくらいのことを指すのだろう。少なくとも、この時のひと夏…

neko
3年前
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小説 あべこべのカインとアベル⑤

 その日から、カインは私の兄になった。  その夜のうちに、彼は両親と話し合っていたようだ…

neko
3年前
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小説 あべこべのカインとアベル④

「こんにちは」  彼は窓辺から降りて、私の前まで進み、膝をついて、私の落とした本を拾った…

neko
3年前
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小説 あべこべのカインとアベル③ー栞の回想

 たん、たん、たん、とリズムをつけながら、螺旋階段を上った。両手で、胸元に赤い表紙の本を…

neko
3年前
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小説 あべこべのカインとアベル②ー栞の独白

 私は一人っ子だって、水穂は思っているでしょう?  確かに、両親が仕事で海外にいて、この…

neko
3年前
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小説 あべこべのカインとアベル①

 それを栞から聞かされたのは、ある夏の日である。  いつものように、私は暇を持て余して、…

neko
3年前
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