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確定申告の季節に思う「フリーランスは修行」ということ

 確定申告の季節となりました。今年はコロナの影響で申告期間が4月15日まで延長されたので、「あ〜、どうしよう明日が締切だ!!」と焦りまくる必要はありません。もしそうでなかったら、「今、いま、NOW!!」申告作業をしている私は、とてもnoteなど書く余裕はなかったでしょう。

  確定申告をするようになって今年で16年、収入が落ちて税理士さんに頼むほどではないと、自分でe-Tax(国税電子申告)するようになってから10年になります。独身時代に住んでいたマンションを賃貸に出していた関係から、収入はいくらもないのに青色申告に切り替えたのですが、毎年同じことをやっているはずなのに、なぜか毎回、e-Taxの使い勝手の悪さに怒り、何かしらつまづいて、「あー、サラリーマンなら確定申告せずに済むのになぁ」などと思うのです。

 夫はずっとサラリーマンなので、私が毎年確定申告で苦しんでいるというのに、全く理解を示そうとはしません。今日も昼間にちゃちゃっと片付けたいと思っているのに「利根川の堤防に菜の花が咲いたから、サンドイッチを途中で買って、花を見ながらランチしよう」などと提案してきます。

 フリーランスに休日などないのだけれど、その点も20年近く一緒にいながら、どうしても理解できない様子。この意識のギャップ、埋まるとしたら相方がフリーランスになった時でしょうが、それはそれで怖い。まあ、強風に揺れる菜の花は綺麗ではありました(笑

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 フリーランスは人の3倍稼げなければなってはいけない

 もう随分前になると思うのですが、スピリチュアリストの江原啓之さんが著書の中で「人生で最も良い修行になることが3つある。子どもを持つこと、人の上に立つこと、フリーランスになること」というようなことを言っていた気がします。それを読んだとき、自分は子どもは持たなかったし、管理職にもならなかったから、フリーランスになって修行させてもらってるんだなと思ったものです。

 それから、大学時代に作家・放送作家の故藤本義一さんが「給料の3倍稼げなければ、決して独立してはいけない」と言っていたのが妙に記憶に残っているのですが、それを聞いた時は、自分がその言葉の意味を痛感する日がくるなんて夢にも思いませんでした。

 フリーランスになって一番驚いたのは、国民健康保険料の高さでした。前年の収入をベースに計算してくるので、確か年間60万円くらい、月にして5万円くらいするのです。私は難病指定されている持病を持っていたので、「これっておかしくないですか?」と税理士さんに電話すると「独立された方はみなさん、そうおっしゃいます。払いたくなければ、全財産を処分して、生活保護を受けるしかありません」とのお返事。日本のセーフティネットは種類が少なすぎると思ったものです。

て人との繋がりをより強く感じ、感謝の多い人間になれた

 今日、確定申告やらなくちゃと思いつつ、利根川の河川敷を歩いていてふと思ったのは、「この堤防の景色、フリーランスの人生みたいだな」ということでした。草木が枯れる真冬もあれば、春になって菜の花が咲いても、強風が吹き荒ぶ日もある。だけど、コロナだろうがなんだろうが、やはり冬の次には春が来るのです。

 所属事務所が解散して、仕方なく踏み出したフリーランス街道だけど、紆余曲折を経ながらなんとか生き残り、今でもお仕事を発注して下さる方がいるのは幸運ですし、「有り難い」という言葉しかありません。人に恵まれているから、不安定の安定を楽しんで生きられるのでしょう。

 フリーランスになって、人との繋がりをより強く意識し、感謝の多い人間になれた気がします。

 景色を見ようと誘ってくれた夫に感謝!!
 そして、今日こそ確定申告フィニッシュします。


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