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自己肯定感の低い人は自分が持っている資産が見えないだけ

 占いブームに足を運んで下さるお客様の中には、「私、自己肯定感が低いんです」とおっしゃる方が少なくありません。「自己肯定感」とは別の言葉でいえば、「私ってイケてる」と自分で自分を認められる、肯定できることです。

 自己肯定感の高い人は、たとえ失恋したり、離婚したとしても、「あの人とはうまくいかなかったけど、私に魅力がないわけじゃない。たまたま相性が悪かっただけ」と捉えて前に進めるのですが、自己肯定感が低いとそうはいきません。

 「うちは両親の仲が悪くて、いつも喧嘩してたから、家を出たくて結婚したけど、逃げの結婚だったから失敗したんだ。親子関係も悪くて実家に居づらいし、一人で生きていくだけの能力もないし、私っていいところが一つもない」となってしまいます。

 なぜこのテーマについて話しているかというと、昨日の午後に参加していたオンラインセミナーで、「自己肯定感が低いとビジネスをやっても上手くいかない。自己肯定感を高めるには、感謝が大切」と講師が語っていたからです。

 確かに、ある程度、恵まれた家庭やバックグラウンドの人なら、感謝というのは有効な手段かもしれません。ですが、あくまで私の意見ですが、親に否定され続けて育ったり、心が壊れそうに辛い体験をして、うつ病の一歩手前のような状態の人は、感謝するだけの精神的な体力がないのです。

河合隼雄の名言「強い者だけが感謝することができる」

 日本のユング派心理学の第一人者であり、心理療法家である故河合隼雄さんは著書『こころの処方箋』のなかで「強い者だけが感謝することができる」と述べておられます。

 カウンセラーがそれほど努力しなくても、自力でよくなったような人からは、カウンセリングが終わると感謝されるのに、大変な苦労をして何年も尽力してきたクライアントからは、滅多に感謝の言葉を言ってもらえない。そういう人たちは、次から次へと襲ってくる不幸や災難に対処しなければならないので、他人のことなど考えていられないからだというのです。

 私はこの一文を読んで、我が意をえたりと思いました。子どもは親に依存しなければ生きていけません。その親に愛されたという実感がなく、否定され続けて育っていたら、魂の電池は大人になっても空っぽなのです。とても人に感謝どころではありません。

鑑定では自分が感じたクライアントの「魅力」を伝える

 占いはカウンセリングと違い、一期一会のことが多いものです。時間をかけて本人に考えてもらったり、答えを導きだしてもらうことは出来ません。そこで、私は「自己肯定感が低い」タイプの方には、自分が感じたその方なりの「魅力」をお伝えするようにしています。

 例えば、「若さ」というのは、既に失ってしまった人間からすると、ものすごく魅力的で価値があります。肌や髪の美しさ、持ち時間の長さ、体力があること、記憶力がよく、何でもすぐに習得できる柔軟性等々。

 「自己肯定感が低い」という方たちは、綺麗でステキな方が多いので、その容姿を授けてくれた親に感謝しましょうとも。どんなに努力しても、整形でもしない限り容貌は変えられません。職業によっては、ある程度、整った容姿の方が有利になることは確かにあるのです。

 お子さんがおられる方には、子どもが授かるということが、いかに運が良く、それが人生の宝であるかも指摘しています。私の身内には10年以上も不妊治療をしたけれど、子どもを授からずに終わった人がいます。一人親で子どもを育てるのは大変ですが、それが生きがいになるはずです。この世で無条件に自分を愛してくれる人間がいるのは、素晴らしいことですから。

自己肯定感が低いと行動するエネルギーが湧いてこない

 もちろん、占い師ですから、クライアントの気質や強み・弱み、いまどこのサイクルにいるのか、行動するならいつが良いかといったことは鑑定でお伝えしています。ただ、自己肯定感があまりに低いままだと、行動するエネルギーが湧きません。

 そこで、「第三者から見たあなたは、自分が思っているダメな人じゃありません。それどころか、ものすごく魅力的な人なんです。しかも、大金持ちが何億だしても手に入らない若さという財産があるじゃないですか!!」と実は資産がたくさんあることに気づいてもらうのです。

 もちろん、60歳過ぎて、家族はいても人間関係に恵まれず、孤独に耐えきれずに足を運ばれる方もおられます。でも、長い年月を生きてきた方には、何十年か続けてきた仕事があったり、成人した子どもがいたり(例え親孝行でなくても)、なにかしら人生のなかで成し遂げたことやモノがあるのです。子どもがいて立派に社会人になっていれば、骨くらいは拾ってくれます。その子が現役でバリバリ働いていれば、その子を社会に送り出したことが立派な社会貢献です。

誰にでも資産はある。ただ、苦しい時はそれに気付けないだけ

 誰にでも資産がある。それがこれまで鑑定をやってきた私の辿り着いた結論です。苦しい時、どん底の時は、自分でそれを認めたり、認識することが出来ません。もっと成功している人、幸せそうな人、運の良さそうな人を思い浮かべ、「それに比べて自分は」と思ってしまうからです。

 人間はそういうもので、それは仕方ありません。私だって、自分のこととなればそうですから(笑。ただ、だからこそ、利害関係のない、第三者の目、第三者の評価が必要なのです。

 ちょっと自慢になりますが、私は人や会社の良いところを見つけるのが得意な人間です。長年、ビジネス関係のライターをやってきましたので、取材に行く時は必ず、事前にその会社や会う人の良いところを3つ以上見つけて、頭に叩き込むようにしているので、それが習慣化しているのです。なので、クライアントが目の前に現れた瞬間、パッとその方の良さが目に入り、言語化されてしまいます。

 占いの究極の目的はクライアントが幸せになるための道標になることです。これからも、クライアントの魅力や資産を掘り起こす占い師でいたいと思っています。

 


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