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美女たちの国、魅惑のイランを行く!vol.6 ~エスハファーン編2~

 バリブルさんというイラン人の同行人を得た私は、世界の半分と言われたエスファハーンをハイピッチで巡った。テヘランに職探しに行かなくてはならないバリブルさんは、この日夕方近くまで私の観光に付き合ってくれた。そして別れの時間が近づいていた。

 2019年ゴールデンウィークにおける旅程は4月26日~5月6日の11日間で、ここまでは次の通り。

4月26日 昼頃、成田から出発
4月27日 シーラーズ到着(15時半ころ)
      ・周辺町歩き(バザールとか)
4月28日 シーラーズ観光
      ・マスジェデ・ナスィーロル・モスク(通称ピンクモスク)
      ・エラム庭園
      ・ハーフェス廟
      ・バザール    などなど。
4月28日夜 シーラーズ(ディッシュ・バスターミナル)
        → エスファハーンへ(夜行バス)
4月29日9時前 エスファハーン到着(カランディッシュ・バスターミナル)
      ・スィー・オ・セ橋
      ・エマーム広場
      ・マスジェデ・シェイフ・ロトゥフォッラー
      ・マスジェデ・エマーム (イマココ)

王様の住むところ、アリー・カプー宮殿

 バリブルさんとのエスファハーン観光、次はエマーム広場の西側に建つアリー・カプー宮殿。イラン最古の高層建築だそうな。と言っても6階建て。

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▲アリー・カプー宮殿入り口と黄昏るバリブルさん。

ここはなんといっても広場を見渡せるバルコニーからの眺望が最高。宮殿というから歴代の王様達がここからエマーム広場を見下ろしたんでしょうねぇ。

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▲アリー・カプー宮殿のバルコニーから眺めるエマーム広場。

 

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▲陶器の間。
 これまで見てきたモスクのアラベスクとはだいぶ趣が違う。モスクを見学しすぎて食傷気味だったので、少し新鮮。モスクで感じたほどの圧倒される感じはなかったけど、ボコボコと壺のような楽器のような穴ぼこの壁面装飾が不思議な印象だった。

旅は出会いと別れを楽しむもの

 朝から昼過ぎまで、いっきにエスファハーンの主だった世界遺産を見学してきたが、陽はまだてっぺんを通り過ぎた頃合いだ。だが、バリブルさんはそろそろ本来の目的地であるテヘランへ行かなくてはならい時間だった。
 バリブルさんとカフェで一休みして、またエスファハーンのバスターミナル(テルミナーレ・カーヴェ/kaveh)に向かう。荷物はそこに預けていたし、バリブルさんはここから再びバスに乗り、テヘランへ向かう。職探しに。
 エスファハーン駅での別れ際、バリブルさんはエスファハーンのメトロで使っていたチャージ式の交通カードをくれた。まだいくらかチャージされたままだから使うといい、と言って。交通カードは全国共通ではないのだろうか。さらに、観光地の入場料金もあとで精算するはずだったのに、全て要らないという。入場料金高い!って言ってたくせに・・・。私にとっては、レートがとんでもないことになっていてプチお金持ちなだけに、出しても良かったのだけど、その心遣いを無碍にしたくないので有り難くご馳走してもらうことに。
 バリブルさんはこれまで警備員の仕事をしていたそうでガタイが良く、きっとテヘランでもそういう仕事を見つけるのだろう。頑張ってね!

 旅に別れはつきもので、むしろ旅は出会いと別れを楽しむものだと思う。短い限られた時間の中で交流し、そして別れる。それすれ合うも他生の縁というのなら、こうして一緒に観光したことは、きっと縁が深かったということなのだろう。出会えたことに感謝しよう。こうして別れ際に寂しさを感じられる、この出会いに感謝を。
 私は明日も1日、エスファハーンで過ごし、夜にテヘランへ旅立つ。縁があれば、テヘランで会えるかもね!

 私は荷物を持って地球の歩き方に載っているバックパッカー向けの宿、アミーレ・キャビールへとメトロに乗って向かった。

イランのカルチャー体験 〜 食堂編 〜

 さて、日没にはまだ大分時間がある。ということで、チェックインして荷物を置くと、再びエマーム広場方面へと繰り出す。
 昼間は建物観の光が中心だったけど、バザールを周ろうと思ってのことことだ。ついでに遅い昼ごはん(もしかしたら晩ご飯兼)も調達しなければならない。

イランの食堂でお昼ご飯
 宿からほど近いところに、食堂があったので入ってみる。早朝から歩き回ったので、お腹ぺこぺこ。
 このお店は、地元の人たちがそこそこ入っていたので期待して入店。こうしてイランに来てまっとうなご飯処に入るのも、「The 地元の定食屋」みたいな店舗に入るのも初めてで、まず座席で躊躇したりする。

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▲一段高くなったところに靴を脱いで座り、ご飯を食べるのがイラン流。ペルシャ絨毯の敷かれた1畳くらいのスペースだ。

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▲私も真似して座ってみる。こういうのチャイハーネと一緒。

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▲黒い筒状の器には具が入っていて、これを潰してスープに入れて食べるのだ。料理が出てきたとき食べ方がわからずにいたら、店員さんが潰してくれた。料理の名前は分からないけれど、スープはトマトベースで、具はジャガイモと鶏肉。スープはナンにつけて食べる。味は・・・まあまあ美味しい。緑の葉っぱ、野菜というより「草」。
 ふと、カレーみたいだなと思った。インドカレーもタイカレーも全然異なる料理だから、これもカレーの一種と言っていいんじゃないかな。というか、カレーの定義ってなんだろう??カレー種の共通点は、「スープ状のもの」とナンやライスといった「主食」だ。スープにはスパイスが使われているし、これはやはりカレー種なのだろう。
 話が逸れた。

 お腹が膨れると、店を出て再びエマーム広場へと向かった。

イランのカルチャー体験 〜 バザール編・イランのマネキン 〜

 目的地はエマーム広場を取り巻く露店と、すぐ側にあるバザール「バザーレ・ゲイサリーイェ」。そして、そのまま足を伸ばして、「マスジェデ・ジャーメ」に行こうと思っている。そこは8世紀創建のエスファハーンで最も古いマスジェド(モスク)だと地球の歩き方で紹介されている場所だ。

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▲エマーム広場を取り巻くように宮殿やマスジェドが配置され、それらをつなぐ回廊には店が立ち並ぶ。
 回廊を進んでいくと、いつの間にかバザーレ・ゲイサリーイェに突入していた。

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個性豊かなイランのマネキン

 さて、イランのバザールを回る中で、とても目についた・・・というか目を見張らざるを得なかったものがある。ぜひご覧いただきたい。

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▲こちらのチャドルを来ているお嬢さん方はともかく、お子さんについてはどうにも気になる。ただ、まだ序の口だ。

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▲イケメン集団!1人1人それぞれ顔立ちが異なるうえ髪型も違う。個性豊かなイケメン達だ。私は前列一番左が好み。

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▲イケメン集団・・・??何だろうか、毛色が異なるのが数名。特に前列真ん中の彼の髪型はいかがなものだろう。

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▲このお子様は・・・一体何に驚いているのだろうか。

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▲夜に出会いたくないやつ。

 バザールを歩いていると、実に個性豊かなマネキン達に出会える。それがイランである。

 行った順番は前後するが、宿へと引き返す際にバザールを抜けていったのだが、その時にカフェを見つけたので、「カプチーノ」を頼んでみた。

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▲爽やかな青年が丁寧に淹れてくれる。

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▲出てきたのはこれ。見た目はともかく、ホッと一息つかせてもらった。

 ちなみにエスファハーンのバザールでは、スカーフを3枚ほど購入。家から持ってきたスカーフが厚手で重たかったので、調達しようと思っていたのだ。スカーフは日本円で1枚500円しない程度の値段だった。

イランのカルチャー体験 〜 伝統武芸?編・ズールハーネ 〜

マスジェデ・ジャーメ
 マスジェデ・ジャーメに到着した。エマーム広場の方に比べると人はだいぶ少ない。

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▲ブルーの主張の強いマスジェデ・エマームなどに比べると落ち着きがあり、空の青さを背景にアラベスク模様の美しさが映える。

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▲こちら側のエイヴァーンには、イランの元最高指導者のホメイニ師(左)と、現在の最高指導者ハメネイ師(右)が掲げられている。

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▲精緻な作りこみなのだが、ブルーではないのが新鮮。

 マスジェデ・ジャーメの場所はこちら。

イランの伝統武芸「ズールハーネ」に出会った!

 そして、マスジェデ・ジャーメを出てすぐ隣にある広場「ギヤーム広場」に行くと、太鼓による軽快な音楽と掛け声が聞こえてきた。かなりの人だかりもある。これは何かやってるな!ワクワクしながら人だかりに突進。
 高くなっている花壇の際に立って中を覗き込むとそこには・・・

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 子供から青年、壮年、老人まで男性が円形になり準備運動的な動作をしていた。ここからは動画をアップしたので興味ある方はぜひ見ていってほしい。
 3本、4本もの棍棒を投げてはキャッチし、お手玉のように巧みに操る。l棍棒は軽くはないだろうに、器用なものだ。また、独楽になったかのようにジャンプしながら回転し、広場をぐるぐると巡るこの曲芸は何かの修行だろうか。旋回舞踊で有名なイスラム神秘主義のメヴレヴィー教団のそれと何か関係があるのだろうか。
 これは一体何なのだろうかと、スマホでググる。すると、これらは「ズールハーネ」というイランの伝統的マッチョ育成法・・・じゃなかった、肉体鍛錬法のようだ。
 まだ線の細い可愛らしい少年も、あんな風に棍棒を弄ぶマッチョなおっさんになるのだろうか。

▼子供でも器用に棍棒を操る

▼大人になると棍棒がデカい・・・

▼ぐるぐる独楽。どれだけ長く回転し続けられるかを競うようだ。この動きは大人より子供の方が回り続けられるね。

▼これについてはよくわからない。ジャラジャラと頭上で鈴?のような物を左右に揺さぶって音を出しているだけ。きっととんでもなく重いのだろうな。

 バリブルさんだけでなく、イランの男性にはガタイのいい人が多い気がしていたけど、こういう伝統文化があるのだから納得。うん、面白いものを見られた。 こういう出会いがたまらない。

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▲もう夕方だ。広場の噴水を照らしていた陽はいつの間にか遠ざかり、空は茜色に染まりつつあった。時計を見ると、いつの間にか19時過ぎ。この時期のイランは陽が長いのだ。

 こうして、エスファハーン1日目、私の長くて短い1日は終わるのだった。
vol.7へ続く。






未熟ですが書くことは好きです。もっとたくさん書いていけるよう頑張ります。