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#04 無人島サバイバル

生き残るための戦略へ

話を仕事に戻そう。

株価暴落を味わったわたしは、戦略を変えるしかなかった。つまり、今までの「わたし、やるといったことはやりますから!」と積極的に責任を負い「勝ちに行く」スタイルから、降りざるを得なかったのである。わたしはこのやり方でしか成功体験を得たことがなかったので、ふつうに考えたら相当な意識改革が必要だ。しかし、どう考えても「そうせざるを得ない」状況で、意識とかなんとか言っている場合でもなかった(笑)。逃げようもないし、逃げても始まらないから腹をくくるしかない。子を産んだ後も、起業した後も、この「そうせざるを得ない」強制力には非常に育ててもらったと思う。

積極的に責任を負わない。

じゃあどんな「そうせざるを得ない」戦略を取ったのか?一言で言えば「勝ちに行かない」=積極的に責任を負わない(責任範囲を決めない)スタイル。これを聞いて、おいおいおい、なんだ?!仕事舐めてんのか?!オラァ!と思わず読むのをやめようとした人もいるかもしれない。でも、ちょっと待って、わたしが言いたいのは責任感のない仕事をするということではなく、お客さんとこちら側でいっしょに責任をもつ体制を作るということ。つまり、目的を共有した1つのチームになるということだ。

いやぁ…?!外注先で起きたことは外注先の責任でしょ?と、もう一度読むのをやめそうになった人、それって役割や責任範囲といった手段にこだわりすぎていませんか? 失礼だったらごめんなさい、私の経験上、手段にこだわる相手ほど仕事を前に進めることよりも自分が評価されることに集中してしまっているケースが多い。一緒に仕事して楽しい相手ではありません。本気で仕事を進めたい人は手段も柔軟に動かして、目的回帰を一緒にできる仲間を増やす。わたしはそういう一緒に仕事をしたい相手を積極的に選び、チームの一員に加えてもらいながら、逆にこの人は範囲を決めずに柔軟に引き受けてくれる頼りがいがある人と思ってもらうことにこだわった。

それってただのワークシェアリング?

もちろん、わたしが欠陥品であることを棚にあげても相手に悪いので、動けない時に助けてくれたり、仕事をなるべくスピードを持って進めるための助っ人を探し、仕事を受けるこちら側もチームで動くことをを積極的に行った。当初、このやり方に興味を持ってくれる人は結構いたが、説明がかなり難しく、まとまらない話になることが多かった。(今もまとまっているかは甚だ怪しいが。)「そんな働き方、ほかにやってる人いる?面白いね!!」と言われる一方、「それってただのワークシェアリングでしょ、すでにやってる人いっぱいいるよ」とも言われる。

しかし、それは、どうてもよかった。なぜならわたしにとっては、他に選択肢のないサバイバルだったのだから。

つづく

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