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原作未読から映画「怪盗クイーン」を見て気になることがあったらここをご覧ください

 このnoteはOVA「怪盗クイーンはサーカスがお好き」をご覧になった方で、原作小説を読んでいない方の「このキャラクターのことが知りたい」「ここについてもっと詳しいことがわかるものは?」といった疑問に応えるものです。
 当然、映画のネタバレが多大に含まれます。原作小説のネタバレに関しては、映画以上のことは書かないようにしますので、よろしくお願いします。

※随時更新します。

 さて、映画をご覧になった方のうちいくらかは多分、以下のようなことを思われるだろう。

「面白かった! けど、ちょっと駆け足に感じたなあ……原作では、どういうふうになっているんだろう?
「クイーンとジョーカー、RDの今までの様子が知りたいなあ」
「そういやあの記者さんと知り合いだって女の子達、何だったんだろう?」
「クイーンは岩清水刑事や上越警部と顔見知りっぽいけど、いつ知り合ったんだろう?」

 そのあたりのフォローをするのがこのnoteである。目次を用意しておくので、気になった情報を眺めに行ってほしい。ほとんどの本は図書館にあるし、子どもたちを差し置いて借りるのが気が引けるというなら電子版でも書籍でも購入して読まれると良い。素敵な読書経験ができることは請け合いだ。
 なお、現在映画化記念と称して楽天ブックスでははやみねかおる作品半額キャンペーンをやっているので、電子の方は今が買い時かもしれない。

①クイーンとジョーカーとRDの出会いは?

→「怪盗クイーンからの予告状 怪盗クイーン エピソード0」を読もう。
 3本の短編で「クイーン・ジョーカーとRDの出会い」「クイーンとジョーカーの出会い」「クイーンの過去」がわかるぞ。

②猫まみれなのはなぜ?

→①に同じ。ある人物との出会いによってクイーンは猫のノミ取りをするようになったのである。


③怪盗の美学って?

→毎回この人が言うてんけど、未だ誰もわかっていない概念。赤い夢と同じで、多分あなたの解釈した怪盗の美学こそが怪盗の美学なのだと思う。


④上越警部、岩清水刑事と出会ったことがあるような態度だったのは何?

→①に同じ。この二人についてもっと知りたい、という方は「名探偵夢水清志郎事件ノート」シリーズ(第1作は「そして五人がいなくなる」)をお読みになると良い。コミカライズも出ています。

⑤クイーンのファンがめちゃめちゃにいるの、何? 怪盗なんじゃないの?

→①の予告状でも言及されているが、鮮やかかつ独特な美学を持った犯行の数々に魅了されたファンが世界各国にいる。「怪盗クイーン」シリーズでも時折ファンの存在が言及される。ファンからクイーンへの対応の一例は第2作「怪盗クイーンの優雅な休暇」で登場する。

⑥クイーンの予告状のシーンで出てきた黒い背広の男と三姉妹は何? サーカスにも来てたよね? 伊藤さんとの関係は?

→三姉妹は「夢水清志郎」シリーズの主人公三姉妹。①の「怪盗クイーンからの予告状」でクイーンと対面している。
 黒い背広の男は同作主人公、まあ名前が出ていますね。名探偵でクイーンのライバルの夢水清志郎です。クイーンシリーズでは「オリエント急行とパンドラの匣」で登場。
 この4人は伊藤さんとは夢水シリーズ3作目あたりからのお付き合いなので、彼らについて興味があるならお読みください。
 姉妹が「抽選でバックステージにご案内」を引き当てていたのは、たしか公式で「運がいい」からかなー。
 なお、公式美少女である。

⑦コンビニで怒鳴っていた白いコートのお兄さんとコンビニ店員、おばちゃんのトリオは何?

→白コート兄ちゃんは怪盗クイーンシリーズ第3作「怪盗クイーンと魔窟王の対決」にて初出。茶髪店員は「怪盗クイーン、仮面舞踏会にて」初出。おばちゃんは多分魔窟王。みんな、ICPO(国際刑事警察機構、インターポール)のメンバーだよ。その後、なんだかんだレギュラーになる。

 あとこのおばちゃんを「おばちゃん」とか「おばさん」って言うとニッコリ笑いながらヒールで足を踏み潰されるので、言ってはいけない。
 言っては、いけない。

⑧西園寺くんと伊藤さんについて知りたいです。

→西園寺くんは多分もうファンブックくらいでしか情報が得られない気がするな……
 原作だと、語り部になってくれているので、気になるなら原作小説「怪盗クイーンはサーカスがお好き」をお読みください。
 伊藤さんは「夢水」シリーズで夢水清志郎に食い倒れエッセイを書かせている編集者さん。なんと「夢水」シリーズに彼女の過去に関するエピソードがある(名探偵夢水清志郎シリーズ「魔女の隠れ里」)。図太いし明るいし元気な伊藤さんの過去、かなり、その、うん、本当に、「このバックグラウンドがあってあの信念を口にするのか……」となると思うので、彼女に魅力を感じた方はこちらをどうぞ。
 伊藤さんの「けど、戦争は違う」からのセリフが唐突に感じられた方は結構いらっしゃると思うんですが、そこは尺の都合で削られすぎた故の唐突感なので、よければ原作と、も一つ、「怪盗クイーンからの予告状」を読んでいただくとよろしいと思います。
 あと、スピード狂。

⑨シャモン斎藤何者?

→「一週間でわかる怪盗の美学(怪盗クイーンシリーズファンブック)」と原作小説をご覧ください。催眠パート、映画だと1カ所削られているから、原作の催眠も見ていってほしい。
 あんなスカした顔して、海外公演をめちゃめちゃ喜んだらしい。

追記
※「一週間でわかる怪盗の美学」では身長体重のほか、出身地、サングラスの謎などが開示されているとのこと。
※「怪盗クイーンはサーカスがお好き ゲームブック」
→こちらでも彼と交流できるとのこと! シャモン斎藤が気になる方は一読の価値がありますね。

⑩ジャン・ポール、でっかわいいね。

→「一週間でわかるry。原作より映画のがキャラが濃ゆい数少ないキャラクターじゃないかな……と思ったり。あ、削られたシーンでシルバーキャット瞳ちゃんと可愛いやりとりをしているのでよろしくお願いします。

11  シルバーキャット瞳、もう少し活躍しないんですか?

→この後出てきてはいないけど、原作はもっと格好いいよ。尺の都合上あの部分くらいしか出ていないんだけど、原作はもう少し出てくる。ジャン・ポールとの星菱邸侵入シーン、とても格好良くて可愛いので、ぜひ。

12  ロケットマンは?

→あれは映画では分かりやすく梯子男になっているけど、原作だとマジで大砲で飛びます。ロケットっていうか弾丸男や。ここは見比べると面白いかもなー。こういうふうにアレンジしたんだなぁって感じで。

13 プリズムプリズム

→原作だとジョー・セサミとのピエロ芸の内容が違う。そっちはそっちでコミカルで可愛らしいのでどうぞ。

14  ジョー・セサミ

→映画だと軽めに「泥棒だと疑われる」のエピソードが出るけど、原作だともう少し厭世的なくらいこういう偏見に晒されていた描写がある。

15  ホワイトフェイスは……

→あの、ホワイトフェイスがあのラストシーンで何を思いながら小指を差し出したか、というのが原作ラスト2ページで語られているので、……はい……多くは語れないんですが……
 サーカス芸人としての矜持と、ひとりの大人、人間としての性質を両方見せてくれる、素晴らしいキャラクターですよね。セブンリングサーカスを盗んで欲しい理由のくだりが、原作ではもう少し詳しく書かれています。
 いきなり戦争の話が出るなあ、と思った方は本当に、ぜひ、原作「怪盗クイーンはサーカスがお好き」を読んでください。いきなりという印象ではなくなると思うので……

追記
「一週間でわかるry」にてまる1ページ使って紹介されているとのことです。

16  渡航禁止の国に行きたかったのに許可が得られなかったからクイーンにサーカスを盗んで欲しかったんだ?

→実はもう少し事情があるんだけど、そのあたりは60分で説明するのが難しかったんだろうな、原作をご覧ください。はやみねかおるは決して児童にきれいなだけの世界を見せる作家ではないのだ。

17   黒田さん、いきなり出てきてクイーンの変装を見破るドデカヒント出すやん、何者?

→警視庁の人。実はクイーンに1回出し抜かれているので、今回こそ絶対に捕まえるぞ、という感じなのだ。出し抜かれエピソードは「怪盗クイーンからの予告状」にて。
 実は、過去が、重い。

18  ラストに出てきた緑色の、RDの人間体は何?

→「怪盗クイーンと悪魔の錬金術師」初出。仮想人間体とかいうブツをRDが自作した。原作ではこの段階には出てこなかったので、まあ原作読者向けのファンサかつ、彼が出てくるところまでやりたいな! という製作陣の気持ちなのではないか。
 なお、のちに猫型ロボット(ドラちゃんではない)に意識を搭載してクイーン達と出かけたりするようにもなる。何でも出来るな本当に。

19  岩清水刑事、なんでトルバドゥールでくつろいでいたんだ?

→まあ邪魔なので誘拐されたというか。あの時彼が何をしていたのかは原作でガッツリ出てくるので、よければ読んでください。

20 ところで「赤い夢」とは?

→足掛け15年、この作者の作品と人生をともにしているが、まだわかっていない。ファンのほとんどもそう。
 あなたの思う「赤い夢」が「赤い夢」だよ。

22  スタイリー井上、もうちょっと活躍しませんか?

→原作の方がバチボコキャラ濃いです!!!星菱邸への侵入のシーンの格好よさと、その後の気さくな兄ちゃんっぷりがすごく良いので、原作小説を読んでみると彼への印象が変わると思います。
 口癖の「スタイリー、スタイリー。」は音声で聞きたかったなあ……


 このくらいかな、ととりあえず思って筆を止めることにする。
 なお、このシリーズが気になった方でネタバレを苦手とする方は、買うにせよ借りるにせよ、読み終える前に青い鳥の方の公式サイトに飛ぶのはよしたほうがいい。結構、先々のネタバレがある。
 紙の本ならカバーの折り返しに順番が、そうでなくとも「怪盗クイーン読み始めたけど読む順番がわからない」とSNSで呟いてみれば、そっとおすすめしてくれる人が現れるだろう。
 とりあえずクイーンシリーズについては、以下のツイートを参考にすると便利かもしれない。

 それでは、良き読書ライフを。そして、赤い夢へようこそ。
 分からないことがあったらコメントにでも入れておいてください。可能な限り返信します。


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