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貴方にとっての“良い曲”とは? #好きなうたの記録 【8】



日曜の夜、Apple musicを開く。
ダウンロード曲を学習したAppleさんに芋づる式におすすめされる未知の音楽から、直感で選んでプレイリストを作る。一週間をはじめましての曲で迎えるためだ。そこには、サンタさんのプレゼントのようなわくわくが詰まっている。ちょっとだけ、しゃーない、月曜を迎えてやってもいいか、となれる。


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「はるのプレイリスト」と題して更新していた好きな曲の紹介、第8回。今回から名前を変えてみました。その名も「#好きなうたの記録」。そのままやんけ。今これにハマってるんですよ! ちょっと聴いてみてよ! というお気楽テンションでお送りしたいと思います。

大筋はこれまでと変わらないので、ふらっと聴いてみてもらえると嬉しいです。


前回はこちら🔻


#好きなうたの記録 【8】

見出しのリンクで各種サブスク、もしくはApple musicに飛べます。

1.『紫陽花』 きゃない

イントロ3秒で好きだと確信した曲。
この圧倒的暗さ。怪しさ。不穏な空気感。大好き。

この曲では浮気を肯定し、浮気された側をハッキリと歌詞の中で否定しています。(中略)極端な視点から見た時、付き合っているなど所詮口約束で、裁判にもならないただの人と人とのじゃれ合いだなと思うのです。そんな証明が出来ない関係に対して、別れてから他に行け、という反論はただの捨てられた側のエゴだと思いました。圧倒的事実として、まず飽きられているんです。

きゃない本人によるコメントより

私は音が好きで曲を聴くようになったから、歌詞に関して深く知ったのはしばらく経ってからだった。コメントを読んで、おお……そうか……となった。自分に全くなかった価値観だけど、腑に落ちるところもあって少し考えさせられる。難しいけどね。

〈夏を知らずに死んだ桜〉という表現が印象深い。「桜」といえば、春で、出会いと別れで、卒業式で。それを「夏を知らずに死ぬ存在」と捉える視点が面白い。紫陽花の花言葉が「移り気」「浮気」。そして桜の花言葉は「精神美」「純潔」。紫陽花の咲く夏を知らずに、死んでいく桜。痺れる。花言葉っていいよね。世界が広がる。



2.『コインランドリー』 きゃない

「きゃない」というアーティストをつい最近知った第一印象は、よく“がなる”、だった。イントロから早速がなる。がなりはライブで高まっているときのアレンジとして入れる印象だったから、音源で耳にすることはあまりなかった。効果的に言葉に感情を上乗せできるんだなぁ。何かをぶん投げるような、投げやりな様子が目に浮かぶ。

縄でつながれ歩かされて 知らぬ間に大人にされた
自由の海で探したものは 縄だった

うまく説明できないけど、グサッと刺されたような感覚になった。縄でつながれていた意識はあるのに、自由の海でも結局縄を探している。

正直に書くと、よくわからない歌だなと思った。
〈どうしても後悔は残ることを知ったよ〉〈針で突かれて疲れ果てて 嘘の自分を作った〉と、全てを諦めた白い目で現実を見るような歌詞が2番まで続く。しかし最後のサビでは〈今日はとてもいい日だった 今日はすごくいい日だった 悲しい事より嬉しい事に 涙を流したいな〉と歌うのだ。絶望しているのか、まだ希望を見出そうともがいているのか。でも、最後の〈今日もコインランドリーからは いつもと同じ匂い〉という詞を見て、なんだかものすごくリアルだなと思った。諦めたり諦めきれなかったり、特に成果はないけどなんとなくいい気分だったり。とても色濃く“日常”を見せられた気持ちになった。

結果、この曲をわからないままでもいいかもしれない、と思ったから、そのまま書いちゃった。



3.『ピリオド』 マルシィ

「貴方にとっての“良い曲”とは?」と問われたら、今なら私は「存在しない記憶を呼び起こされて苦しくなる曲」と答える。

好きだよ でも行き止まりだよ
何回繰り返したか分からない 喧嘩で分かるでしょ?

私がここで何か説明するより歌詞の全文を見てもらったほうが早いのですが、んまぁ〜〜〜しんどい。わかってんだよ別れた方がいいことなんて。友達に「もっと良い人いるよ」とか言われなくたってそんなの一番理解してる。今日こそ言おう、言おう、と思うのに結局話を切り出せなくて自己嫌悪。言おうと思ってるのにスーパーで無意識に彼の好きな銘柄のビールをカゴに入れてて頭を抱えたくなるし、そんな日に限って「前食べたいって言ってたケーキ買ってきた!」とか気まぐれなLINEがきて嬉しくなってしまったりする。ひーん!!

……と、急に語り出してしまうくらいには、心の柔い部分を掻き乱されます。そして訳知り顔で書きましたが、私にそんな経験はありません。ないけど悶えるんだからすごい。MVが久保田紗友ちゃんなのもめちゃくちゃいいなと思った。世界観にぴったり。

この曲はM!LKの吉田仁人くんが投稿した動画で初めて知り、まんまとクリーンヒットした。バゴーン! 言うた。歌ってみた動画もひと味違う魅力があるから、よかったら観てください。放っておくと仁人くんの歌のよさについて5000字くらい語り出しそうなので、今必死に呼吸を整えています。



4.『プラネテス』 キタニタツヤ

音を乗せずに朗読で聴いてみたい。楽曲に対してそんなことを思うのはある意味失礼かもしれないけど、この曲を構成している言葉たちの美しさゆえに、そう思ってしまった。

ただあなたとだけ手を繋げるなら
ただあなたとだけ夜をやり過ごせたら
信じられるものなどひとつもなくても
ふたつの寂しさでも

〈あなた〉と夜をやり過ごせたとて、そもそも「やり過ごす」という時点で、何も世界は変わっていない。信じられるものもなければ、寂しさも〈ふたつ〉のまま。それでも〈あなたとふたりで息をしていたい〉と願う。「生きていきたい」ではなくて「息をしていたい」なのもまた、美しい。

死んでしまった誰かのニュースに 涙した優しい人たち
這いつくばって生きる誰かの 生きているざまには舌打ちをした

凍てつくビル風に身を震わせて かじかむ心に息を吹いて

初めて耳にする単語は一つもないのに、全部知っている言葉なのに、絶対に自分はこんな並べ方をできないだろうなと思う。壮大でありながら卑近な歌だなという印象。この曲をきっかけにまた好きなアーティストが増えた。



5.『いいのに』 sumika

片想いしている相手とカラオケに行ったことがある人は、全員聴いてください。

でも電波に乗れない 言葉にならない
勝手の悪すぎた僕の心
綺麗に畳んでそれを眺めて 満足しているような僕の心

腫れた目を隠す好きな子に対して何もできない自分の心をこう表すの、すごくないですか? グッときた。

「大好きだ 大好きだ」って大声で君に歌ったら
それを本気と捉えればいいのに

ひゃー!! 健気! かわいい! 頑張れ!!
彼女のために〈今出来る「なにか」を探り当てて〉頑張っているのに、〈仲間呼び寄せ 君を誘わせる〉ってそこは自分で誘わんのかい! というちょっとした情けなさが、なんともリアルで可愛くて。それでも彼女が〈曲を調べるフリしてうつむく〉ことに気付いているあたり、切ない。頑張れ!!

何度も何度も訴えた最後の一節の〈いいのに〉で音が止まるのがいい。そしてそれがタイトルになっているというね。sumikaはふんわり何曲か知っているだけだけれど、痛いくらいに身に覚えのある感情の描写が散りばめられているなと思う。もう少し他の曲も聴いてみようと思います。


🎤


テーマを決めずにそのとき気に入っている曲をまとめることで、ある種の日記になりそうだなと、書きながら思った。これで言えば、「とにかくしんどい曲を聴きたい時期だったんだな」という感想。もう少し勉強して、音についても言及できるようになりたい。

しばらくはバンドの曲が続きそうな予感がしています。また来週。
ありがとうございました〜!



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