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「ウチの会社って効率悪いよね」って思ってる人向けの話(その1)

「なんでこんなに仕事効率悪いの!?」
あるいはブラックとまではいかなくとも
「なんか雰囲気悪いよな・・・」とか
ちょっとした上下関係、勢力関係が
ぎくしゃくしてる組織に共通して起こり得る事象について
話していこうと思う。

これから話すのは
米国のCIAの前身組織「OSS」によってつくられた
「サボタージュマニュアル」が元ネタとなる話である。

CIAとはご存知の通り、スパイ組織であり、
OSSはちょうど第二次世界大戦の際に
活躍した実績をもつ組織である。

OSSは敵国や占領下にある地域に潜入し
現地の人員を装い、
内部から組織を混乱・破壊させる役割を持つ。

これらはあからさまに疑われるような内容ではなく
むしろ「否定されにくい内部レジスタンス活動」
であることが今回の話のポイントである。

つまり、現代における
「ブラック企業」などと言われる会社の特徴として
これらOSSが意図的に行っていた工作活動
「サボタージュマニュアル」と同様のことを
内部の人間が意図しない無意識な形で
行われている実態がある。

例えば「従順サボタージュ」

これはどんな状況、どんな環境下においても
一切の例外を認めず
決められた手順等を極度に重視する形のことを指す。

「まずは上司に相談しないと・・・」
「必ず印鑑が必要です」
「当社規定により・・・」

などなど、あなたも何かと

「今それどころじゃないだろ!!」
「そんなの後でもいいだろ!!」

というようなシーンに遭遇したことがあるはず。

これにより
あなた自身の仕事に対するモチベーション低下、
あるいは
ストレスを抱えるなどという経験も
あるのではないだろうか?

OSSはまさにこうしたことを意図的に行うことで
組織を内部崩壊させていったというわけ。

従順サボタージュは結果として

「迅速な決断をもたらすための簡略化した手続きを踏めない」
「そもそもその手順の必要性や意義を本当の意味で理解していない」

という実態や影響が生じる。

勿論、何のルールも定めないというのは本末転倒だが
しかしながらルールで縛り付けるのもよくないと言うこと。

そのためにも

「どこからどこまではルールで縛るべきか?」
「例外が起きるとすればどういうパターンか?」

と言ったことを事前に協議することも重要である。

そして管理職や人事の立場の人間であれば
是非とも人事査定においても
この従順サボタージュに注意してもらいたい

つまり
「手順、ルールを順守している」という点を
評価点に加えないこと。

これを評価対象に含めてしまうと当然ながら
「余計なことをせず言われたとおりにすればいい」という
そういった職員だけの評価があがり、
反対に
「臨機応変に対応し、実績を残している職員」
の評価が下がるということになってしまう。

同じ会社で働いている以上、
規律ルールを守ることは当然であるため
これが査定評価項目となることは
そもそもナンセンスである。

これら従順サボタージュを解消する方法としても
いくつか方法があるので紹介しておく

まず、どんな例外事象でも
結果的に良い影響をもたらしたのであれば
それを認める方向性を持つことは大切であると思われる。

これを認めず
「ルールに反したから」という理由で
全てを否定していては
組織の発展や新たな気づきの機会を
失うことにつながる。

ルールを大前提にするのではなく
是非とも「今という時代」
しっかりと見極められる組織でありたい。

ルールはあくまで「今より過去に作られたもの」である。
策定された時点と
今という時代が大きく変わっているのであれば
変えるべきはその職員ではなく、
それこそ「ルール」である。

そんな「古いルールや規則」を洗い出すためにも
無記名による社内アンケートが有効とされている。

・自身で感じている今では古い(バカげた)規則は何か?
・職務遂行に際してよく障壁となっているルールは何か?
・手続き、プロセスで変えるべきところはどんなところか?

長年在籍している職員より、
それこそ新卒や中途など
外部から入ってきた人間の感性の方が
正しいことはよくある。
風通しの良い透明性のある明るい組織を目指すのであれば
こうした対応もよいのではないだろうか?

いずれにせよ、
会社に必要なことはルールを守ることではなく
「利益」「実績」「発展」につながる行動である。

職員の折角の自発的な行動や考えに水を差すことが無いよう、
時と場合によっては組織ルールの例外を認める
そうした機会を持てるようにしたいものである。

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