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夫の第二章のはじまり

昨年鎖骨骨折をした夫。

夫が行った病院では、折れた鎖骨に金具を固定する処置を選んだようだ。なかなか治りにくい部位であったようだが、ようやく入っていた金具を取り出す再手術をすることになった。
見た目には全く問題ないにもかかわらず、重いものが持てず力仕事ができず、腕も上げることができずのだいじだいじの5ヶ月間だった。

自身が単身赴任中であること、私も仕事の繁忙期であることから、入院日のみに行く予定をたてた。
二泊三日の簡単な手術のため、そうせざるを得なかった。

しかし急に降った大雪で、私は行くのが難しくなってきた。
私はなんとか行けるように計画を立てていたが
「無理しなくていい。来なくていいから」
と夫は何度も言った。夫は本当はとても心配性で寂しがりやなのだが、夫曰くその気持ちを上回るほどのかなりの雪が降り積もったらしい。
無理して私が事故を起こすことを心配する夫の優しさなのだ。

結局、私は入院日に行くことができなかった。

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翌日、手術日。
夜にラインを入れたが既読にならず。

まあ、大丈夫だろう。

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退院当日。

成程、雪は私の住んでいるところよりかなり多い。
途中スタックしてもいいように、帰省中の息子を連れて行くことにした。

でもお陰様でそれは、杞憂におわった。

病院まであと数分。
「もうすぐで着くけどどうしたらいい?」
と連絡を入れたら、なんと。
もう外で待っているとのこと!

なんとまあ。すこぶる元気ではないか!

良かったです。

鎖骨に沿って埋められていた金具

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帰りの車の中、夫は手術に向かう前の心境を一生懸命語り、そして

「怪我をして改めて、この頂いたボディは大切にして生きていかないとあかんなと思った」

としみじみ話してくれた。

夫の第二章が始まる予感。

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志半ばだった春馬さんを想い、ウクライナの罪なき人々の命を想い、虐待でなくなる小さな命を想い、そして助かった命を大切に、与えられた命を大切にして過ごしていかなければならない。


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