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今週の読書録

こんばんは。
最近毎週数冊ずつ読書を再開しています。
今週読んだ小説は7冊です。

ばにらさま

最近では『自転しながら公転する』で本屋大賞にノミネートされた山本文緒さんの最新作である『ばにらさま』。
久しぶりの短編集とのインタビューを刊行時に拝見していた作品ですが、大変残念ながら遺作となってしまいました。

日常の風景が一転! 思わず二度読み!
痛くて、切なくて、引きずり込まれる、6つの物語が照らしだす光と闇。
島清恋愛文学賞受賞、中央公論文芸賞受賞、本屋大賞ノミネート『自転しながら公転する』の山本文緒最新作! 
伝説の直木賞受賞作『プラナリア』に匹敵する吸引力。これぞ短編の醍醐味!

現実はスイーツのように甘くはない。
ハッピーエンドとは限らない結末は、世にも奇妙な物語のような読了感が逆にリアルな一冊。
10年ほど前に書かれた作品を中心に収録されているようですが、登場人物たちのままならぬ日常や、誰しも起こりうるような情景描写は、一種のミステリー?と思えるような作品です。

就活ザムライの大誤算

『就活ザムライの大誤算』は、ご自身も試用期間で解雇通告を受ける。過労で倒れて退職などの経験を有する安藤祐介さんの最新作。
安藤さんの作品は、周りにはいそうでいない個性的なキャラクター達が途中トラブルに見舞われながらも、最後は良い感じに終わるお話が多い印象ですが、こちらも同じく読了感は悪くない。

蜂矢徹郎、大学三年生。行動原理はもれなく内定獲得のため。常時スーツで誰に対しても敬語、友人の取捨選択は就活に有益か否か。周囲からは「就活侍」とイジられているがどこ吹く風。ところが、奔放な同級生との出会いや謎のおじさんとの同居でペースは乱されていき……。就活戦線と青春の道を空回りで全力疾走のエンタメ長編!

Cocoon

フィクションの歴史風小説が読みたくなり手に取ったのは、こちら。
夏原エヰジさんの『Cocoon』です。
夜の江戸に現れる鬼を退治する戦う花魁の和風ファンタジー小説。
初投稿作品にして、小説現代長編新人賞奨励賞を受賞した夏原さんのデビュー作は、全5巻。
既に完結している作品なので毎日一冊ずつ、今週で一気読みしました。

誰もが振り返る美貌の花魁、瑠璃。
だが、その裏の顔は江戸に現れる鬼を退治する組織「黒雲(こくうん)」の頭領。
髪結いでありながら錫杖で戦う錠吉や、料理番でありながら金剛杵を操る権三、結界をはることのできる幼い双子、豊二郎・栄二郎とともに、江戸に現れる鬼を退治する。
ある時、千住に出没する鬼を退治してほしいとの依頼が舞い込む。
どうやら、殺された男たちは皆、同じ手ぬぐいを持っていたというが……。
瑠璃は、千住の鬼を退治することができるのか?
そして明かされる、瑠璃の悲しき宿命とは――。

突如思い立って書いた作品との説明が著者プロフィールに記載されていましたが、情景と人物の心情が巧みに描かれ、映像化が思い浮かぶような作品と思いきや既にコミック化されているようです。

『必殺仕事人』、『花宵道中』、似たようなジャンルはいくつか思い浮かびますが、Cocoonでは名探偵コナン並みに次々と登場人物が亡くなります。
途中まではある程度の現実味があったものの、後半は完全なるファンタジー。
完結後の一気読みがスッキリする作品かもしれません。


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