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ただ、ありのままを見つめる
月食っていつも、なんだかゾクゾクする。
光をまとわない、本来の月の姿が空に浮かび上がっているその光景は、私にとって“幻想的”というのではなくその逆で、あまりにもリアル度が高く、宇宙がそのまま、そこにあることを実感する。
光に装飾されず、ただそこにあるその清々しさに、なんだか嬉しくなる。
同時に、この三次元世界で、光が創り出した虚像を見ている私たち自身の姿もまた、くっきりと浮かび上がってくる。
現実世界はいつでも誰かの手によって装飾されていて、“ほんとうのこと”にヴェールをかけられた状態のようなものばかりを、私たちは魅せられている。
レイヤーを下げ、そんなことにも想いを馳せる。
そしてそのことを、見抜けない大人が増えている。
目を、醒まさなければ。
「目を醒ます」とは、ものごとをありのままに見つめることができる、ということ。何も付け足さず、何も引かず、ただそのまんまを。
とても、シンプルなこと。
嘘や誤魔化しというヴェールがこんなにもあからさまに横行する今、これは裏返せば、チャンスの時期でもあるということ。
目を醒ませ。
話はすべて、そこから始まる。
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