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ふたりチャット

ふたりチャット

『通り過ぎたら全部許せちゃうから、許せないうちにじーっくり見るの。そしたら、いい気がするから。なんてゆーか、アタシは、ここにある、"今"が、許せないの!肉体とか、今の自分、今の悩み…とか。だからね、誰もいないアカウント作り直して、何度もやり直そうってすんの。未来をより良くじゃなくって、過去を、良くしようとすんの。だって最後に残るのは、過去だけでしょ?

だから、綺麗に生きたいの!
つまり、アタシが

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日記 これがさそり座のアンタレス

日記 これがさそり座のアンタレス

7/26(金)

取引先の面白お姉さんが阿波踊りをやっていて、神楽坂祭りで踊るとのことなので応援に行く。

マブ先輩のミヤモトさん(仮名、新しい職場でも無事に愛されているようで安心)、ラブ同僚のチダさん(仮名、最近まで彼氏の実家があるミシガンに行っていた)とチヨリさん(仮名、神楽坂に実家があるのに社畜すぎてお祭りに行ったことがなかったそう、不憫)と私の4人。

阿波踊りって初めて見た、あんなに面白

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日記 宇宙をあげる

日記 宇宙をあげる

7/20(土) 日記

親友・ナツミ(実名、とにかく顔面と魂が美しいイカれた女)と西荻にデカいパフェを食べに行く。
6月末以来、3週間ぶりの西荻3時。今回は桃とジャスミンのパフェだった。

前回は私の誕生日を兼ねてご馳走してもらったので、今回は私がご馳走した。

お茶を蒸らすために1分計と4分計の砂時計を渡されたのだけど、1分計の砂の落ちるスピードは生き急いでるわりにどこにも行けない私みたいだし4

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あなたが安らかに眠れるように

あなたが安らかに眠れるように

泣き出すと、止まらない子供だった。
幼い頃の記憶には、母しかいない。それも、楽しかった思い出より、2人で狭いアパートにいるなんでもない日常の記憶ばかりだ。
バナナが苦手で時間がない朝に、母は皮にイラストを描いて食べさせようと手を焼いていた、保育園に行くと毎朝離れるのが嫌で泣いていた、小さな部屋で夫婦喧嘩をしていて、その時に見たのが最初で最後の父親という存在の姿だった。
新しい父親を迎えた後、転校し

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私信

私信

高校の友人の結婚式があった。友人はとても美しい人で、強い人だけど、彼女のスピーチの中で「ときには私を厳しく叱ってくれた友だちたち」という一節があって、そのときなんとなくドレスの裾を握った。

参列した友人は基本みんな久しぶりの再会だったが、一人は東京にいることもありかなり頻繁に会う。

「なんかそれ聞いたとき、当たり前なんだけど、私の知らないところはとてもいっぱいあるんだって思っちゃって」

「わ

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