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連載第四回 リーグ戦2連敗、今のスパーズに欠けるものとは

こんにちは、きくっちです。

リバプールレスター相手に二連敗を喫してしまいました。チャンピオンズリーグ圏内の上位陣相手に二連敗というのは優勝から少し遠のきます。記者から優勝争いについて聞かれた時に、モウリーニョが言っていた「我々は一戦一戦勝つだけだ。」というのがいかに大切かつ難しいことかがわかります。

しかし試合内容は上位陣対決だけあって見応え抜群。今回はハイクオリティだったリバプール戦とレスター戦を課題点を軸に振り返っていこうと思います。

VS Liverpool

・戦車を並べたモウリーニョスパーズ

この試合のモウリーニョの戦術のコンセプトは「堅守」だったと思います。試合前までは順位としては上でしたがリバプールはチャンピオン守って守ってソンとケインで点を取ってまた守る、そのようなゲームプランだったと思います。その証拠にキックオフ時からベルフワインシソコを左右のサイドハーフに置いた4-4-2のブロックを作り、序盤から守る意思を示していました。

先制点を決められる25分まではスパーズポゼッション率26.6%。守備時にはシソコとベルフワインが下がって6バックのような形を作りマネサラーの両ウィングを厳しく警戒。その甲斐あってか危ういシーンもうまく防いでいました。特にオーリエシソコ連携は見事であり左サイドのマネロバートソンを完璧に抑えていました。しかしその分中盤の守備が薄くなってしまい、カーティスジョーンズを自由にさせてしまう時間が多かったかもしれません。

26分、堅守スパーズの牙城をリバプールが崩します。ワンツーで抜けたジョーンズが運んで、こぼれたところにサラーが振り抜いたボールがディフレクションしてゴールに吸い込まれていきました。

このシーンに少し課題点があります。キーワードは「マークの受け渡し」です。ジョーンズが運んで行った時点でオーリエはマネへのマークを捨て、ついていくことを選択。同時にワンツーで抜かれたロチェルソも追いかけ二人で守備をしました。この時点でアルデルヴァイレルトダイアーデイビスフリー。おそらくダイアーデイビスサラーを警戒していましたが、アルデルヴァイレルトは少しジョーンズを見る時間が長くなってしまい、こぼれ球がサラーに渡った時に反応が遅れた分ボールが後ろに飛んでゴールとなってしまいました。このアルデルヴァイレルトとダイアーのマークの受け渡しが曖昧になってしまった分、ポジショニングが乱れアルデルヴァイレルトの対応がワンテンポ遅れてしまいました。ここで、サラーをダイアーとデイビスに任せもう少しジョーンズに近づいていればこの失点は防げたのではないかと思います。

しかしトッテナムも黙ってはいません。32分、キーパーのロリスがキャッチしたボールを素早くリスタート。受けたロチェルソが前を向いて運んでソンフンミンにパス。速いドリブルで運んだソンが冷静にニアに蹴り電光石火のカウンターで同点としました。中央へ運んで精度の高いラストパスを出せるロチェルソの良さが詰まったカウンターだったと思います。そして、おそらくここでモウリーニョの戦術は遂行済み。先制点を取られるというアクシデントはあったものの、同点のまま折り返せれば及第点といったところだったと思います。

そして後半はチャンスに恵まれます。ポゼッション率は依然低いものの、前半はシュート数1本だったのにもかかわらず後半は7本。その中でもベルフワインが決めていればというシーンもありました。そして試合終盤、このまま引き分けでも良いなという空気が流れ始めた時、試合が動いてしまいました。

90分、ロバートソンのコーナーキックにフィルミーノが合わせて勝ち越し。スパーズの選手の表情には絶望の色が写りました。このシーンもダイアーが転んだことにより大外のリースウィリアムズフィルミーノアルデルヴァイレルトが一人で見なくては行けなくなったことにより、ウィリアムズをうまく使ったフィルミーノに決められてしまいました。結局試合はこのまま終了。スパーズはアウェイで惜敗しました。

この試合、僕がMOMを挙げるとするならば間違いなくロリスです。リバプールを二点に抑えきったのはまさにロリスの幾度の好セーブがあったからこそ。持ち前のリーダーシップでディフェンス陣を統率し、カウンターの起点となるフィードを送るなど活躍が目立ちました。そしてチーム全体としても負けてしまったものの良いパフォーマンスを見せたと思います。だからこそレスター戦では期待を裏切られた人も多かったのではないでしょうか。

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VS Leicester

・攻めあぐねたスパーズとディフェンスラインの乱れ

問題のこの試合です。僕は個人的に本当にオーリエには頭に来ていますし、今後使わなくても良いほどのミスであったと思います。詳しく振り返っていこうと思います。

この試合は堅守からカウンター志向のチーム同士の戦いでした。そのため一点を取った方が守りきって勝つ、いわゆるウノゼロゲームになるだろうという予想でした。そのため何より大事なのが堅守。クリーンシートに抑えることが一番の優先事項でした。前半終了間際までそれが達成できていたがために、僕はオーリエに腹が立つのです。

前半はシュート数というチャンスはレスターの方が多かったですがなんとか守って抑えていました。しかし前半AT3分、オーリエがペナルティエリア内でフォファナに対して後ろからのチャージ。これがファールを取られPKヴァーディーが冷静に真ん中に沈め、1−0でレスターリードで折り返す羽目になりました。前半終了間際という後半の相手を勢いづかせる時間帯に相手に得点を与えたこと、そして全く必要のないファールだったことその後のカウンターのチャンスを潰したこと。この3点がオーリエがPKを与えてはいけなかった理由です(PKを与えていい場面はありませんが)。本当に悪いプレーであり、SkySportsの解説をしていたロイキーン「簡単に言おう。狂気の沙汰だ。ディフェンダーならもっとも注意を払うべき場面であり時間帯だよ」と激しく非難。試合後にも物議を醸すプレーとなってしまいました。

そして後半、モウリーニョはエンドンベレに変えてベイルを投入。クリエイティブなプレーを期待したのだと思います。しかしベイルは45分間沈黙、直接的なチャンスはあまり作り出せませんでした。また、トッテナムにとって非常に重要なピースが欠けてしまいます。ジョバンニロチェルソ負傷交代したのです。これによって後半のトッテナムはボールは持つものの攻撃面のアイデアに欠けクロスを放り込む単調な攻撃に終始しました。まるでノースロンドンの赤い方のような、、、それによって逆転のチャンスも失ってしまいました。そして再び失点を喫します。

後半59分、ルーカスエンディディにボールを奪われたところからカウンターを喰らいます。こぼれ球を拾ったマディソンが右サイドのオルブライトンに展開。ここから右サイドでボールを運ばれるのですが、ここでも先程の「マークの受け渡し」の課題が露呈します。オルブライトンはヴァーディーの上がりを見ながら比較的ゆっくりとボールを運びました。そこにレギロンがついていくのですが、サイドバックのジャスティンのオーバーラップを見てジャスティンについていくことを選択。そこでなぜかダイアーがオルブライトンにチェックにいかなかったためにフリーでクロスを上げられて、ヴァーディーのヘディングからのオウンゴールにつながりました。なぜダイアーはオルブライトンにチェックにいかなかったのか、おそらくジャスティンについていったレギロンへのリアクションを見るとレギロンがオルブライトンについていって欲しかったのだと思います。

2点のビハインドを背負ったトッテナムはこの時点でほぼゲームオーバー。個人的にはエンドンベレを下げたことロチェルソの怪我が大きかったと思います。これによって中盤でスペースを作ったり違いを出せるプレーをする選手がいなくなりました。DAZNの解説でも渡邉一平さんが「中盤がガラ空きになっている」という発言をしておりいかにクロス一辺倒だったかがわかります。モウリーニョはもう少し攻撃のアイデアを増やすべきかもしれません。

そんなわけで0-2で敗戦。リーグ戦二連敗を喫しました

・今のスパーズに欠けるもの

ここまで話をしてきて、ではスパーズに欠けるものは何なのか。それは「ダイアーのディフェンスリーダー力」だと思います。僕は2連敗を喫した中での課題「マークの受け渡し」だと考えました。そこで大切なのが周りに指示を出す能力モウリーニョの就任以来一番多くの試合に出場するセンターバックはダイアー、モウリーニョがディフェンスリーダーとして期待しているのは明らかです。しかし僕はまだそのレベルにはないと思います。もちろんダイアーを批判するのではなくこれから成長すべき部分であるということです。しかし上位陣と戦っていく上で変わりのセンターバックを見つけることは必要だと思います。アルデルヴァイレルトもベテランの域に入っているので世代交代という上でも。そこでアイデアが2つあります。

①経験豊富なセンターバックを獲得

この案は至ってシンプル。金を出してセンターバックを獲るだけです。話があるのはインテルシュクリニアル。これは文句無しにファーストチョイスとして最適だと思います。経験も豊富であり足元も上手いという面で獲得できたら最高です。他には今シーズンで契約満了のバイエルンボアテング、またサッスオーロジャンマルコフェラーリなど様々な選手が上がっています。

②選手をコンバート

シュクリニアルはよく噂が出ますが、移籍金が高額ボアテング年齢面で将来性がないフェラーリ欧州コンペティションでの実績に欠ける。どの選手にしろ契約する上でネックがあるのは事実。そこで僕が提案したいのがホイビュアの最終ラインでの起用です。提案する理由は二つ。一つ目は、身長が186センチで守備も上手くパス面などの足元も上手いから。二つ目は「腕章を巻かないキャプテン」と称されるキャプテンシーの高さがあるからです。おそらくディフェンスリーダーとして最終ラインをまとめられると思います。いかがでしょうか?アルデルヴァイレルトとホイビュアのセンターバックコンビ。僕は現実的にかなり良いと思います。

・おわりに

いかがでしたでしょうか。リーグ戦2連敗という少し痛い結果が出てしまいましたが、まだシーズンは3分の2以上残っているのでこれからの改善に期待したいと思います。次の対戦相手はカラバオカップで二部ストーク。ここで大勝して良い流れを呼び込みたいです。

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それではまた次回!


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