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人生遠回りも悪くない

2020年11月に会社を退職し、2021年1月から個人事業主になりました。会社を辞めると上司に申し出たとき「今じゃないんじゃない?」「後悔しない?」と心配していただきましたが、今のところ後悔も未練もなく、むしろ「自分がやりたいことをやりたいようにやれる」というワクワクでいっぱいです。

私の会社員生活は17年弱。前半は個別指導の学習塾の教室長、後半は社会人向けの英語スクールの運営の仕事をしていました。何度も転職を繰り返した、というわけではないものの、「このままでいいんだろうか」「私が本当にやりたいことってなんだろう」というキャリア迷子状態が続いていました。

学習塾に勤めていた頃の上司からは「教室長はゼネラリストにならなければいけない」と言われていました。

確かに教室長の仕事は多岐にわたります。授業を担当することもあるし、生徒さんの相談に乗ったり、保護者の方と面談したり、講師の採用や研修も。また、教室運営に関する事務全般もひとりでこなし、生徒数や売り上げの目標も追わなくてはなりません。

英語スクールも基本は同じで、生徒さんの対応もあれば、事務的な作業も多い。加えて、ブログやメルマガを書いたり、HPの更新作業なども担当していました。

当時の上司も「小さな会社なんだから、ひとりでいろいろできないとダメだ」というようなことを言っていました。学習塾の頃と同様、ゼネラリストであることを求められていたんですね。

おそらく私がキャリア迷子だった原因のひとつは、自分がゼネラリストになることへの抵抗だったと思うのです。

高校生の頃、薬剤師になりたいと思っていた時期がありました。理系教科が苦手だからと、その道は諦めてしまったのですが。

その後、本格的に大学受験を考え始めた頃ま、心理学に興味を持つようになり、心理系の学科に入りました。カウンセラーを目指して大学院に進むか、心理系の公務員を目指すか。そんな道を考えていました。

つまり、当時の私は何かの分野の専門家、スペシャリストになりたいと思っていたのです。

結局、心理系の公務員を目指して浪人までしましたが、結果は不合格。その後、学習塾で働くことになりました。

塾の仕事は、体力的にも精神的にも大変なことが多かったですが、仕事が好きだなと思える瞬間、この仕事をしていて良かったなと思える瞬間もたくさんありました。生徒さんの成績が上がったときだったり、初々しかった大学生の先生が頼もしくなっていく姿を見たときだったり。

それでも「このままでいいのかな」という違和感が拭えなかったのは、やはり、スペシャリストになりたかったという思いが根底にあったからだと思うのです。

そうやってもがきながら働き続ける中で、これだ!と思えたのがキャリアコンサルタントの仕事でした。カウンセラーを目指していた学生の頃の私と、働くことに迷いを抱え続けてきた会社員の私の思いが一致した結果だったのだと思います。

キャリアコンサルタントとして企業に勤めるという働き方もありますが、私は、過去の私と同じように仕事やキャリアに迷いやモヤモヤを感じている方が、新たな一歩を踏み出すためのお手伝いをできたらと考えています。

以前の記事でも触れている誕生花セラピーやカラーセラピーなどを取り入れて、優しく穏やかに心や思考を整え、自分を見つめ直す。そんな時間を共有させていただけたらと思っています。

このような思いを胸に、個人で活動していくことを決めたわけなのですが、いざ始めるとなると、例えば何かと書類の作成が必要だったり、経理関係もひとりでやるし…と、様々やらなくてはいけないことが出てきます。

でも、それらが嫌なのかと言うと、意外と苦ではなかったりするのです。これは長年「何でもやる」というスタンスで仕事に取り組んできた成果なのかな、と。

「今の仕事は、本当にやりたいことではないんじゃないか」と思いながら過ごしてきた十数年の経験は、決して無駄ではなかった。むしろ役に立つことがいくつもあるのかもしれません。

人生遠回りしたような気がしていたけれど、これまでの道のりがあったからこそ、今がある。今では、そう思えます。

これまでの経験を大切に、新たな経験も積み重ねながら、少しでも、キャリアや生き方に悩める方のお役に立てれば嬉しい限りです。

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