怪談備忘録 第十一夜 『夜明けの一杯』
これは怪談備忘録 第十夜『鼻歌』と同じアパートでの話。
冬の休日、平日あまり寝ていない事もあって早くに眠ってしまった私は明け方に目が覚めた。時計を見ると午前四時を過ぎたところで、ブラインドの向こうもまだ薄暗い。
喉が渇いたので冷蔵庫から飲み物を持って来ると、一服したらまた二度寝するかとブラインドを上げ窓を開けた。暑がりで寒さが平気な私は、冬でも窓を全開にする。
窓を開けると既に止んでいたが、塀の上に三センチ程の雪が積もっていた。
そして雪とは別に何かが置かれている、網戸越し