見出し画像

《絵本レビュー》とりかえっこはっぴょうかい


みなさん、縄文時代の〝平和〟をご存知でしょうか?
なんと、1万4000年間という長い期間ずっと平和だったようなんです。世界でも稀ですよ、稀!

その秘密は日本語にあって、例えば、西洋人は虫の音を雑音として右脳で処理するのに対し、日本人は会話のような言語として左脳で処理するそうです。もちろん、最高の右脳もあったんでしょうな。

だから、日本語は圧倒的にオノマトペが多いみたいなんです、日本の〝美〟って奥深いですよね〜。
わたしってば、日本人で良かったなんて思ったりしてます。

今更ながら、縄文土器も太陽の塔にも興味持ちましたハイ。

さて今日は、そんな平和について考えさせられる絵本【とりかえっこはっぴょうかい】のレビューをしようと思います。パチパチパチ。

〔作〕森川かりん
〔発行所〕汐文社
〔初版〕2022年11月
〔価格〕1,600(税別)
〔ページ数〕32P

《ストーリーについて》


タロちゃんは、もともと綺麗なドレスが大好きな男の子です。今度、小学校の発表会で〝美女と野獣〟を演じることになりました。

タロちゃんは野獣役で、本当はお姫様のドレスを着たかったのでションボリしていました。

そこに気づいた、なつきちゃんはツノとマントがある野獣になりたかったので、タロちゃんと話し合い、こっそりとりかえっこすることにしました。

みんなに、見てもらうと『なにそれ、へんだよ!』と反対されました。さてさて、タロちゃんとなつきちゃんは、どうなるのでしょうか?

第67回西日本読書感想画コンクール小学校低学年の部課題図書指定。変とは何か?男とは?女とは?性差別とは?を考えさせられる物語です。

《10コの視点》


【主なキャラクター】
・タロちゃん
・なつきちゃん
・その他小学生
・先生

【舞台】
・教室

【構成】
タロちゃんはドレスが好きな男の子で、発表会の役決めで野獣役になる。

なつきちゃんは、お姫様役じゃなくて野獣役がいいので、タロちゃんととりかえっこする。

友達から変だよと言われ非定されるが、怒りが湧いて言い返す。すると皆んなから、徐々に賛成の意見が上がる。

最終的には、みんな好きな役を選ぼうということで意見がまとまる。

【文】
本文からきっと、タロちゃんは引っ込み思案な男の子だったと思う。だけれども、どうしても譲れないものがあって、それをいわゆるカミングアウトのようにして言い切ったタロちゃんがかっこいい。そういうタロちゃんの成長する言葉がたくさん登場する。

【絵】
水彩の優しい色使いが子供達の純粋さとマッチしているように感じる。タロちゃんのドレス姿と夏希ちゃんの野獣姿がとっても尊い。特に、目に涙をためて我慢しているタロちゃんと夏希ちゃんの表情がステキ。
また、キラキラや、汗汗の表現も素敵。

【ハッピーエンド】
賑やかで楽しい発表会になりそうでハッピーエンド

【カバー表表紙・裏表紙】
タロちゃんとなつきちゃんが衣装を着て向かい合っている絵。

【見返し】
表見返しは改訂前の美女と野獣の配役の絵、後ろ見返しは、改定後の配役の絵。改定後のみんなの表情が自分らしくイキイキしてみえる。

【題字の文字】
しましまへびみたいに、交互に文字色が変わっているデザイン。ピンクと青の丸ゴシック体。

《読み聞かせをしてみて》


『タロちゃんっておんなになりたかったの?(8)』

『ちがうよ、男とか女とかじゃなくて、なんでもいいんだよ?(10)』

『そうね、誰でも好きに選んだらいいのよっ(母)』

読み聞かせ後、どうやら聞けば娘達が行ってる小学校もそういう方針みたいです。

《おしまいの言葉》


このご時世、ますます性差別は問題視されフラットになってるようにも見えますが。

声なき声は、まだまだ多いと思います。
悪しき文化や歴史もあるんでしょうから。

また、よっぽど今の子供達の方が、そういうものを気にしてないようにも見えます。

何が変なのか?
何が差別なのか?
何が平和なのか?


わたしは、たくさんの視点を持ったり、知識を得ることが、問題を解くカギになると思ってますが…そんなの吹っ飛ばして尊重し早期解決しているのが子供達だとも思います。

なもんで今のわたしの先生は、娘達です。
縄文人もそうですが、DNAを引き継いでいる子供も私たちも本当は最初から持ってるんでしょうから。

みんなみんな、やればできる子ちゃん。



☆彡気づけないだけのコボシより

よければコメントも📝✨

この記事が参加している募集

最近の学び

わたしの本棚

サポートしてもらう→絵本を購入→絵本レビューで紹介します!