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ギリシャ②アテネ 女神に愛される街

Αθήνα  アテネ

この言葉を聞くだけでワクワクするほど、私はアテネの街に強い憧れがあった。
特別な場所であるからこそ、まだ若かった私は、いつか愛する人ができたら二人で一緒に訪れるのだと、そう決めてしまった。
そのため、欧州旅行をした学生時代にもギリシャは避け、訪れることはしなかった。

その後、何度か愛する人には巡り会えたものの、ギリシャ旅行を実現する事は出来ずにいた。
そして、ようやく長年の夢が叶い、この街を訪れる事ができた。

私達は、サントリーニから船に乗り、アテネの西に位置するピレウス港へ到着した。
夕方遅くに到着したのだが、ホテルから少し歩くと、ライトアップされたアクロポリスが突然目に飛び込んできた。
一気に鳥肌が立ち、そこから一歩も動けなくなり、立ちすくんだまま涙が溢れて来た。

その姿は、あまりにも美し過ぎたのだ。

あの時の事を思い出すと、今も新鮮な興奮が蘇ってくる。

アクロポリス遺跡 世界遺産

アクロポリス=高い都市 という名前の通り、高さ150mほどもある岩場の上に聳えるパルテノン神殿。
紀元前1600年頃から、ここは王宮が置かれていたそうだ。
そして、パルテノン神殿は、紀元前5世紀頃に造られたという。
幾多の宗教の聖地に様変わりし、破壊を受けてもなお今の姿がある事に、驚異を覚えてしまう。

プロピレア(前門)

夢にまで見たパルテノン神殿

エレクティオン神殿。
乙女の像6体で、この神殿を支えている。
こちらは複製で、本物はアクロポリス博物館で出会えた。

イロド・アティコス音楽堂
野外コンサートが開かれる予定だったようで、リハーサルが続けられていた。
一人の大富豪の名前が付いたこの音楽堂は、161年に亡くなった妻に捧げるために、彼が建てたという。
後に、アテネ市に贈られたそうだ。
そのような歴史ある建物を、今もこうして使えるとは、何と贅沢なことだろう。

ディオニソス劇場
こちらも円形の劇場。
豊穣の神、ディオニソス。
神に捧げる舞踏や演劇が、ここで上演されたそうだ。

古代アゴラ

ここは古代の中心地で、繁栄時期は紀元前6世紀頃。
古代アゴラの遺跡の中に立ち、アクロポリスを見上げる。

遺跡の中、アタロスの柱廊は新しく復元されており、息を呑むほど美しい。

ヘファイストス神殿
火の神を祀る神殿

ローマン・アゴラ

ハドリアヌスの図書館

ゼウス神殿とハドリアヌスの凱旋門

ゼウス神殿は、大規模な修復中だった。
ハドリアヌスの門は、かつてはローマとアテネの境となったそうだ。

門から、ちょうどアクロポリスが見える

パナティナイコ・スタジアム

この地では、紀元前6世紀頃から競技が行われていたそうだ。
紀元前4世紀に座席が作られ、それは今もなお総大理石という豪華さ。
1895年、第1回近代オリンピックの会場として大規模に修復された。
2004年オリンピックの際も、会場の一つとして使用された。

訪れた日には、コンサートの準備がされており、競技だけでなくエンターテインメントの場として広く使用されているようだ。

スタジアム中央に設置されている玉座。

スタジアムの奥には、オリンピックに関わる資料が展示されている。
東京オリンピックのトーチも展示されていた。

国会議事堂と無名戦士の墓

街の中心シンタグマ広場前にある国会議事堂。
建物の前の場所にはお墓が設けられており、30分に一度、守衛交代の儀式がある。
この儀式が有名なようで、時間になると多くの観光客が集まっていた。

リカヴィトスの丘

この丘はアテネ市内で1番高く、頂上には白い教会が建っている。
その高さは277m。

ここから見る夕陽と、ライトアップされたアクロポリスは絶景だ。

モナスティラキ広場

この地域のお土産屋さんは、なんと23時頃まで営業していた。
レストランやカフェが軒を連ねており、夜もとても賑やかだ。

ここからは、アテネ市内から少し離れた場所

2004年オリンピックスタジアム

サンティアゴ・カテトラバ氏設計の美しい曲線のスタジアム。
以前記事にしたベルギー リエージュの駅も彼の設計だ。

水泳会場では、子供達の水泳教室が開催されていた。
今もこうして使用されているのは有益であるし、子供達にとっても整った設備の中で学ぶことができるのは素晴らしいと思う。

奥にはオリンピック博物館もあり、その様子は別記事に掲載したい。

ピレウス港

サントリーニを出発し、フェリーで到着したピレウス港。
ピレウス市は、ギリシャ第4の都市であり、また港はギリシャ最大。
大型旅客船がたくさん停泊していた。

ピレウスの中でも、パサリマーニという小さな港はとても可愛らしい。
小型船舶がいっぱいに並んでいる。

アテネ近郊では、2番目の大都市であるにも関わらず、水の透明度に驚く。
ビーチは海水浴客が日光浴や、泳ぎを楽しんでいる。

ローマを歩くと、どこも歴史的建造物ばかりだが、このアテネの街も同様だ。

アテネは、女神の名前『アテネ』を授かった街。
女神アテネは、平和と豊穣のシンボルであるオリーブの木を、市民に贈ったという。

今年の南欧の猛暑は酷く、このアテネでも猛暑のために従業員がストライキをし、世界的観光地の入場が一時停止になった。
また、ロードス島では大規模な山火事が発生し、観光客含む3万人が避難せざるを得なくなった。

女神に愛される街、アテネ。
この街を、そしてこの国をどうか守って欲しい。
私は平和と豊穣の女神に、そう祈っている。

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サンティアゴ・カテトラバ氏の設計によるリエージュ駅

ギリシャ サントリーニ

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