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コストが掛かり過ぎているiPhoneパッケージの意味とは?

初代iPhoneの発売のときあのパッケージデザインは、あまりにもコストが掛かり過ぎるとアップル社内の全員が反対したといわれます。ただ、1人を除いて..…。

そう。唯一スティーブ・ジョブズだけが、このパッケージを使おうと考えたそうです。

単なる製品パッケージというだけでなく、新製品を初めて開封するときのユーザーの気持ち、心理を考えると、その箱にはアップルというブランドにとって「意味」があると考えたのでした。

ジョブズにとっては製品自体だけでなく、パッケージの開封体験すらもブランドの一部だと考えました。そして、そこに膨大な予算を投資する。実際にパッケージ予算では足りないため、広告費からも投入したといわれます。

これが他の携帯電話メーカーでは、パッケージの多くは段ボール箱でした。商品保護のこともありますが、何よりもコストが安いからです。大量生産だと、1個あたりの単価は恐らく数十円程度です。

段ボール箱に比べてiPhoneのパッケージは非常に精密に作られた貼り箱で、大量生産しても恐らく段ボールの10倍?くらいはかかります。
それもグローバル商品ですごい数量ですから、箱代が1個@10円違ってもトータルではかなりの金額になります。

それも、10円違うどころではありません。数百円?単位でパッケージ費用が変わるとなると、とんでもない金額になります。
現在、iPhoneは世界で年間2億台以上の販売ですから、箱代に数百億円?規模の投資をしている計算になります。

しかし、ジョブズはそれだけの予算をかけてでも、このパッケージにする価値があると考えました。

実際、自分のiPhoneを購入したときに箱から取り出す様子を撮影して、YouTubeなどにアップされた映像が世界で数十万件あるといわれます。
ファンの間ではこれを「開封の儀(英語のスラングで、Unboxing)」、つまりiPhoneを箱から取り出すことが一つの儀式だと認識されています。パッケージを通して、顧客への価値提供をしているのです。

アップル社内には、これら「新製品の開封時、ユーザーの気持ちがどう喚起するか」を研究しているそうです。

まさに箱が包装資材としての機能だけではなく、開封という「顧客体験(UX:ユーザーエクスペリエンス)」の価値をもたらし、パッケージがアップルのブランドを象徴する一つのアイコンになっているのです。

パッケージは「包む、保護する」だけではなく、UXデザインを含めてブランディングであり、マーケティングなのです。

今までとは違った「意味」で、あなたもパッケージ&パッケージデザインを考えてみてください。

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