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オリジナルパッケージは、コストダウンではなくブランディング

商品のオリジナルパッケージ/化粧箱を作るとき、よくあるのはコストダウンの考え方です。包装/梱包資材だから、できるだけコストは低く抑えたい。それはよくわかります。

しかし、安易にコストダウンだけを考えるのは短期的にはコスト削減になりますが、長期的な視点でみるとマイナスになることがあります。

何故ならコストダウンは表層的な一面で、その分費用は抑えられますが費用を削ったことで、ブランドそのものの価値が上がることがあるからです。

商品を購入したお客様が、最初に手に取るのは商品より先にパッケージです。ネット通販やD2Cなどは顕著ですが、実物を見ずに購入した場合、最初に手にした商品パッケージがブランドイメージとして印象に残ります。

それが安っぽいイメージのパッケージなら、お客様にとってあまりいい印象になりません。逆にちゃんと作られたパッケージに入っていると、「いいものを買った」と感じます。

中身(商品)は同じでも「人は見た目が9割」という言葉があるくらい、「パッケージは一番外側にある中身」なのです。

事例としてよく取り上げられるのが、アップルのiPhone箱です。
年間2億台以上売れる商品ですが、アップルはその箱代に数百億円の投資をしていると言われます。箱代に数百億円? 常識的には考えられないですが、実際にそれだけのお金をかけています。

何故なら、アップルにとって商品パッケージはただの包装/梱包資材ではないからです。
アップルのパッケージデザインは、見た目の表層的なデザインではなく、「人がパッケージを開けるときにどう感じるか?」から考えます。そんなところから考えるパッケージは、普通ありません。

顧客の深層心理を追求するパッケージデザインであり、もはや心理学の領域です。これはUX(User experience)、つまりユーザーが商品やサービスを通して得られる体験を意味します。
そしてあの箱には、アップルのブランドメッセージが込められているのです。

アップルのブランド価値を伝え、ユーザーとコミュニケーションするためのパッケージ/化粧箱。決して、ただの包装資材ではありません。
だから単純なコストではなく、ブランディングのための投資という意味合いなのです。

そうやって考えると、商品のオリジナルパッケージはコストダウンではなく、ブランディング・ツールとして考える必要があります。そして、これはマーケティングにも通じます。

あなたも、パッケージの見方をちょっと変えてみてください。
パッケージに、新しいブランド価値が生まれてきます。

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