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商品パッケージは顧客とのコミュニケーションデザイン

商品パッケージは、機能的には商品を包むものです。
商品そのままでは当然流通させられませんし、パッケージで保護することが必要です。こう言った機能が、基本的な価値です。
しかしパッケージは、単に「包む」という機能だけではありません。

もう一つ大きな役割は、商品(企業)とのコミュニケーションをデザインすることです。
パッケージの中には、商品のロゴも入っていない無地の箱もあります。あくまでも、商品を保護するためのもの、保護箱です。これはパッケージとしては、最小限の機能があるだけです。
それだけが目的なら、全然構いません。元々「保護」することしか設計されていないからです。費用も、最小限で済みます。これはパッケージを、コストとしてのみ考えているからです。でも、それではちょっと勿体ないですね。

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せっかくのパッケージ/化粧箱ですから、商品(企業)とのコミュニケーションをデザインすることで、顧客との大切な接点(タッチポイント/コンタクトポイント)になります。
一般的にパッケージデザインは、これをビジュアルで表現します。商品名や写真、特徴など、パッケージに情報をまとわせるのです。

私たちが作る貼り箱はこれらの情報をデザインすることもありますが、どちらかというと印刷表現よりも箱に貼る素材感(主には紙)で表現します。

これはCMFデザインと呼ばれます。モノのサーフェイス(表面)を構成する3つの要素、COLOR(色)、MATERIAL(素材)、FINISH(仕上げ)を差し、CMFデザインを的確に使えば機能性やスタイル、美しさやグレード感など、商品コンセプトをそのモノ自身に語らせることができます。

これは様々なパッケージの中でも、貼り箱の大きな特徴です。

iPhoneパッケージなどは、これの典型的な例でしょうか。あれも貼り箱の一種ですが、iPhoneの箱は今や高級ブランドのパッケージの代名詞といえます。弊社にも、「iPhoneのような箱を作りたいんですが.…。」というご相談が数多くよせられます。

一般の人にとっては、iPhoneの箱が技術的にどうこうではなく(実際あの箱は技術的に世界最高峰の一つです)、「iPhoneの箱=ブランド、高級感がある、素敵な商品」をイメージさせるのです。

まさに、パッケージによるコミュニケーションデザインの代表格です。

アップルはこの箱に膨大な費用をかけていますが、それはコストではなくブランドへの投資です。アップルは当初、この箱があまりにも費用がかかるので社内では反対意見が大多数を占めていましたが、「この箱でいこう」と推したのがスティーブ・ジョブズだったと言われています。

今やある意味、伝説的なパッケージとなったiPhone箱。これを単なるコストと考えていたら、こうはなっていませんでした。パッケージがアップルのブランドイメージに直結し、顧客との見事なコミュニケーションをデザインしたのです。ブランドにおけるパッケージが果たす役割は、「包む」という機能を超えるのです。

商品パッケージは、顧客とのコミュニケーションデザイン。
あなたも、商品パッケージについてもう一度考えてみてください。

意思を運ぶ箱。人の心を動かすパッケージ
貼り箱の企画・製造:村上紙器工業所

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