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豆を食べないと損をする。

仕事で食事指導をしていることもあって、日々の食事内容をお聞きすることが多いです。

多くの方に共通するのが、大豆を食べる頻度が低いというところ。

理由をお聞きすると、料理に時間がかかる、煮豆しかレパートリーがない、家族が食べない、イソフラボンの過剰摂取になる、などなど様々な理由を聞いてきましたが、大豆を食べないともったいないぞ!ということをこのブログでお伝えしたいと思います。


イソフラボンってなに?

抗酸化作用を持つポリフェノールはご存じだと思いますが、その中にフラボノイドというものがあり、その中にイソフラボンが存在します。

東京都港区赤坂の赤坂の部分がイソフラボンという感じです。

大豆をそのまま食べることはないと思いますが、半生くらいでかじると少し苦みを感じると思います。その苦みこそがイソフラボンです。(サポニンもある)

このイソフラボンで有名なのが、女性ホルモンの働きを持つということ。これが、本当に体にいいのか?と疑問をもたれるところだと思いますが、結論から言うと、健康メリット大ありです!

というのも、僕の個人的な感想ではなくて数々のエビデンスがあるからです。

少し調べただけでも、イソフラボンには骨折予防、抗がん作用、動脈硬化予防、脳卒中予防があります。

女性が食べるといい理由

閉経後、女性は男性に比べると骨折のリスクが4倍あります。

理由は、女性ホルモン(エストロゲン)の減少の影響で骨がもろくなりやすいからです。このエストロゲンと似た形をしているのがイソフラボンなので、女性が大豆を食べることに大きなメリットがあるのです。

形が似ているだけで、なぜそんな効果が出るの?と思うかもしれませんが、ホルモンが作用するときに受容体がという受け皿が必要になります。

イソフラボンはエストロゲンと形が似ているので、受容体にぴったりはまってしまう結果、エストロゲンがハマったのだ!という勘違いを起こし、エストロゲンの様な働きを体は引き起こします。

ホルモンも僕たちと一緒で、人違いを起こすのです。


引用:東京バイオテクノロジー専門学校 https://www.bio.ac.jp/archives/15712

欧米では75%の方が更年期にホットフラッシュを経験するといわれていますが、日本人女性のホットフラッシュ経験は25%以下であるのは、大豆を日常的にイソフラボン50mg相当の大豆製品を食べているからであるといった報告があるほど。

と、いうことからも女性は大豆を食べておいて損はないと思います。

男性だって大豆を食べよう!

ここまで読むと、男性は食べなくていいのでは?むしろ、食べると女性化が進むんじゃない?と心配になりそうですが、これも余計な心配です。

なぜなら、本物のエストロゲンの作用レベルを1000とすると、イソフラボンが女性ホルモンとして働くレベルは1だからです。ここから、性ホルモンのバランスを狂わせるほど食べることは難しいと考えれます。

どちらかというと、男性も積極的に大豆を食べるほうが良いと言えます。

なぜなら、前立腺がんの予防に働くからです。

実はイソフラボンは2種類に分かれます。吸収されやすいアグリコン型と、吸収されにくいグリコシド型の2種類です。

そして、アグリコン型はさらにダイゼイン、ゲニステイン、グリシテインの3種類に分かれています。

抗がん作用で注目したいのが、ゲニステインです。進行性ではない限局の前立腺がん(前立腺内でとどまっているガンのこと)は、イソフラボンを摂取することでリスク低下が報告されています。

Kurahashi N, Iwasaki M, Sasazuki S, Otani T, Inoue M, Tsugane S; Japan Public Health Center-Based Prospective Study Group. Soy product and isoflavone consumption in relation to prostate cancer in Japanese men. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2007 Mar;16(3):538-45. doi: 10.1158/1055-9965.EPI-06-0517. Epub 2007 Mar 2. PMID: 17337648.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/

ここでとりあげた論文は、イソフラボンと前立腺がんの関係性について研究されたものですが、他のがんに対してもイソフラボンが有効に働きかけるという報告は調べれば出てくるので、やはり、抗がん作用が認められるといってもいいと思います。

食べ過ぎはないのか?

ここまで読むとメリットしか感じないですが、副作用も気になるところ。

結論から言うと、一日の摂取量 で100 mgを超えない程度で摂取した場合、成人に有害な影響を及ぼすこと証拠はほとんどないということでした。

これは、229 件の観察研究、157 件の臨床研究、32 件の メタ分析を総合的に見ての判断なので、世間一般でなんとなく話されている噂話よりは確実に信頼できるものだと思います。

ここでいう、影響はイソフラボンが成人の男性および女性の生殖ホルモンレベルに有意な影響を与えないことという意味です。子供に関してのイソフラボンの研究は少なくまだよくわかりません。

なので、子供が食べるとしたら一日50mgが安全ではないかと思います。

Messina, M., Mejia, SB, Cassidy, A., Duncan, A., Kurzer, M., Nagato, C., … Barnes, S. (2021). 大豆食品もイソフラボンも内分泌かく乱物質として分類されるべきではない: 観察データと臨床データの技術的レビュー。食品科学と栄養に関する批評的レビュー、62 (21), 5824–5885。https://doi.org/10.1080/10408398.2021.1895054

https://www.tandfonline.com/


まとめ

安全かつイソフラボンの恩恵を受けるのであれば、メリットとデメリットの両面を見て一日50mg~75mgの摂取を心がけるのがイイのではないかと思います。

大人であれば75mgを目指したいところ!

75mgは食品でいうと、納豆2パック、豆乳350㎖、豆腐なら丸ごと一丁、煮豆200g、厚揚げ200g、きなこなら大匙8杯です。
(それぞれで75mgですので、合わせるときは工夫してくださいね)

一番簡単なのは、朝と晩に納豆をたべるとか、200㎖の豆乳パックを一日に2つ飲むとかは続けやすいかもしれませんね!(ちょっとオーバーするけど心配するレベルではない)

このように考えると、毎日100mgをオーバーし続けて食べることって案外難しいと思うのでは?なので、過剰を恐れることよりもコンスタントに大豆製品を食べれているのかに気を向けるほうがいいのではないかと感じます。

イソフラボンの恩恵を最大限に受ける秘密は、腸内細菌がカギでもあるので腸に負担をかけない生活習慣にも意識が向けば一石二鳥です。

これから夏にかけて、冷ややっこや枝豆がおいしい時期になってくるので、是非とも食卓に大豆を並べる意識をしてくださいね!

今日も楽しむために、ご自愛くださいませ。

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