1/35 KV-1E(トランペッター)#4(完)~考証的な話
今回完成したキットはこちら。
トランペッター 1/35 KV-1 エクラナミ ソビエトロシア戦車
(Trumpeter 1/35 KV-1 Ehkranami Russian heavy tank)
前回無事完成しましたが、今回は考証的な話などをしたいと思います。
資料等にあたって裏付けを取ったりはしていません。
webから拾ったまた聞き・聞きかじり程度の話と思ってください。
KVに限らずロシア戦車って生産時期とか生産工場だとかでの差異がやたらとあるのでマニア泣かせらしいです。
(※マゾいマニアは嬉しくてしょうがないかもしれない)
ここではこのトランペッターのキットの塗装例と、その元になった実車写真との違いを中心に見ていきたいと思います。
モデル車両
スローガンの回でも紹介しましたが、このキットの塗装例の元になったと思われる写真があります。
排気のスス汚れの感じなんかは結構参考になりますね。
ただ、キットを指定通りに組んでもこの個体のようにはならんのです。
パッと見たところだけでもこの写真では
・車体側面の増加装甲を一切つけていない
・キットにはモールドがある砲塔上面ハッチの周りはなにもなくつんつるてん
・車体の円形ハッチ周りもリングがなく平滑
・左フェンダーのノコギリが未搭載
・ワイヤーロープはフェンダーステイの三角の穴の中を通してではなく、上に乗っかるように掛けてある(なので、ステイがひん曲がっている)
・フェンダーの幅が狭い
オプションになってる車体後部上面のパーツ(A18)はつけないほうを選択ですね。
反対側(右側面)や前後はまったくわかりません。
塗装とマーキング
またこの塗装図が写真と違うんですよ。
既に指摘したようにデカールもおかしいですし。
図を作るときに写真と見比べたらすぐにわかりそうなもんですがそうでもないんですかね…?
なにも考えずにこの図に従ってデカールを貼っちゃったのですが、あとから実車写真を見てむむむ…となってしまいました。
БEЙ の位置が違う。
実車では一番前真ん中のボルトの右から始まって、切り欠きギリギリで終わる
ФАШИСТСКУЮ が少し大きい
実車ではボルトにかからないように書けるサイズになっている
гадшщ! じゃない
筆記体でわかりにくいですが гадчну! がおそらく正解。
もしかするとキット塗装図と同じ仕様の個体があるのかもしれませんが、webで検索した限りでは見つけられませんでした。
右側面は写真が無いのですが、これがまた箱絵と塗装図で全然違う。
こちら面も何も考えず塗装図に従っちゃいましたが、書きやすさ的に箱絵のレイアウトの方が収まりがいいような気がします。
※根拠はありません。
キットの粗探し
キットそのものの問題点としては
・フェンダー幅が実車より広い
→ 実際は履帯がはみ出すくらい(上の実車写真参照)これはちょっと気になるけど直すとなるとそれなりに手間がかかる。
・上部小転輪の位置がややおかしい(らしい)
→ 一番前の上部転輪の取り付けは3mmほど前にずらすのが正解なんだそうです。ずらすとキットの部分連結履帯が使えなくなるので、ベルトか他社の連結履帯が必要ですね。
・砲塔が左右対称(らしい)
→ 実際は非対称なんだそう。わりと最近判明したらしいです。
いずれもタミヤの新版KVは正しくなってるみたいです。
この辺りの考証はわりとしょうがないかな…ってレベルの話だとは思います。ぱっと見では目立たないし。
・起動輪のボルトと歯の位置
起動輪の歯と外周のボルトが同じ位置に来るのが正しいそうです。
トランペッターの生産ロットによるらしく、きちんとなっているものもあるそうです。
これはズレているので外れロットを引いたということですね…。
こだわるなら削ぎ取ってつけ直してもいいですが、泥を塗ったくってごまかすという手もアリ。
これはめんどうなのでそのまんま。やはりぱっと見では特に気にならない。
その他
ヘッドライトは戦場ではほぼ外しているようです。
つけた方が模型映えはするのですけどね。
まとめ
キット全体的には大きな破綻は無いようなので「細けぇことはいいんだよ」精神で作れば、いかつい装甲のカッコイイ重戦車になりますですよ!
デカールが1種類しかないのに出来が悪いというのが悲しい点です。
2~3種類は選択肢が欲しいところ。そもそも正確なものを入れて欲しいけども。
気にせず作るか、他のデカールを使用するか、マーキングを付けないというのもアリかもです。
方向としては当時の写真などで個体を特定してそれを徹底的に再現するか、もしくは気にしないでフィーリングで作るかのどちらかって感じになるかと思います。
細部はもうこだわるときりがない沼ですのでお好みでとしか…。
※記事中考証の明確な誤りなどありましたらコメント等でお知らせください。
この記事で作っているキットはこちら
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