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オンラインワークショップのやり方・コツ一覧

 オンラインワークショップ(オンラインのコミュニケーションの場づくり)のやり方やコツについてまとめてみました。

オンラインWS中身

オンラインが苦手だった理由

 実はこれまではオンラインが苦手で、講座や説明会などでリアルとオンラインと両方選択できる場合は必ずリアルを選んでいました。なぜ苦手だったんだろう?と考えると、大まかに以下の理由からでした。

・ノンバーバルコミュニケーションが取りづらそう(目線や雰囲気など)
・話し始めるタイミングがつかみづらそう(「あっ!」「あっどうぞ」)
・物理的制約が多そう(一緒に何かをすることが難しそう)
・やっぱり人と人は会わないと!という気持ちが強かった(思い込み)

本質は変わらない

 コロナ禍のおかげで、何もかもオンラインがスタンダードになって初めてオンラインを使い始めたら……オンラインの苦手意識はなくなり、とても良いことがわかりました。ただ根本にあるのは、「リアルもオンラインも本質は変わらない」ということ。

・オンラインはリアルの劣化版ではなく、別個のものとして捉える(リアルでやってたことが「できない」という発想ではない
・技術面での対応の仕方は変わっても、気をつけるべきこと、WSのデザインとしてやるべきことは同じ
・オンラインでうまくできないことは、おそらくリアルでもうまくできないこと

オンラインの良さ

 この数ヶ月いくつかのオンラインワークショップに参加したり、実施(事例→子どもがいる在宅ワークについての情報交換会グラレコ 練習会シナリオプランニングなど)をしたりして良かった点は思いの外たくさんありました。

▶︎自立分散型のシステム
・前後、上下関係がなくなり、フラットの関係で、肩書き外しがしやすい
・あえて沈黙の「間」ができてOK。急かさなくても自分から話してくれるようになる
・チャットなどで、声に出さなくても意見を言いやすい

▶︎リアルタイムで共有できる
・資料を各自のPCで見るため、スクリーンで見るより見やすい
・出てきた意見を、すぐ文字で打ったりiPadグラレコで可視化できる
・1つのファイルを同時に全員でさわることでワークも可能

▶︎逆に仲良くなりやすい
・リアルの時より顔(画面)を見ざるをえないので、よく顔を覚える
・名前も表示されているので名前も覚えやすい
・WSの前後もつながりやすいので、そこからコンタクトを取ったり会話が発展しやすい

▶︎じっくり話しやすい
・グループワークの最中に、他のグループの声が聞こえないので集中しやすい
・1対1で話す時も、周りを気にせず安心して話せる
・イアフォンやヘッドフォンをすると没入感がある(Bluetoothのワイヤレスイヤフォンがオススメ!)

▶︎場所・時間の制約がない
・どこからでも参加ができるし、子育てや介護をしている方、障害をお持ちの方でも参加しやすい(もちろんリアルでも参加しやすくなってほしいところですが)
・場所の予約が不要、場所代もかからない
・早朝に行う朝活など、時間帯も幅が広がる

オンラインのデメリット

 とはいえデメリットももちろんあります。また、メリット・デメリットが裏表のことも多いと思います。

▶︎個人の環境に左右される
・Wi-FiやPC環境によって、遅かったり落ちたりする
・家族がいて集中できない場合もある
・PCじゃないと、参加しづらいワークもある

▶︎全体を俯瞰できない
・会場全体の空気感や雰囲気は把握しにくい
・グループに分かれると様子を見づらい(うまく参加できていない人など見つけづらい)

▶︎没入感が薄れる
・聞く時間が長いと集中力が途切れやすくなる(内職してても気づけない)
・つまらなければ気軽に途中で退出できてしまう(ウェビナーでは特に)

オンラインでの進め方のコツ

 オンラインのメリットデメリットを踏まえて、やり方・方法のコツについて書いていきます。(zoomを想定しているため、使用するツールによっては異なる部分もあります)

▶︎メッセンジャーやLINEなどでつながる
・機器トラブルなどのセーフティネットとして、別途つながっておく方が安心
・事前連絡の他、開催前に簡単な自己紹介をし合うことで心理的安全性にもつながる
・終わった後に感想や気づきをシェアするなど一体感醸成にもつながる

▶︎オンライン初心者への配慮
・必要に応じて、事前に接続テストや早めの入室をうながす
・入室可能時間も書いておく方が親切
・はじめに「オンライン慣れてない方〜」と聞くのも一つ
・オンラインでの作法をはじめに提示する
 (ミュートや画面のオンオフ/
  表情やジェスチャーを大きめに/
  出だしと終わりをはっきり話す など)

▶︎アイスブレイク要素
・1人一言、「今の気持ち」など話すことでチェックイン(話すハードル下げる)
・人数が多い時は「○○な人〜?」で手を挙げるスタイルでも
・チャット書き込みを促したい時は、簡単なアンケートをチャットに書き込んでもらう
・拍手などのハンドサインを練習することも

▶︎ワークの仕方
・手元に紙とペンを各自用意してもらいカメラに近づけて見せる方法
 →簡単。アイスブレイクやまとめ向き
・Googleスプレッドシートに意見を書き込む方法
 →参加者の登録不要。1人が書き込んで画面共有も可能
・Googleスライドで付箋風に書き込む方法
 →参加者の登録不要。全員で同時編集できリアルに近い感覚
・MiroやMural.ly、Jamboard等を使う方法
 →参加者の登録必須のものもある。ビジュアライズに優れてる(運営側のみ操作で、画面共有という手もあり)

▶︎終わり方
・人数が少なければ1人一言ずつ話してチェックアウト
(次に話す人を指摘していくとゲーム要素も)
・人数が多い時はチャットに書き込んでもらう
・終了後30分ほど開放し、雑談の場にするとよい

留意点・工夫点

▶︎場が荒れないために大事なこと
・チャットの使い方などのグランドルールを提示する
・ミュートは適宜行うことをはじめに伝える
・ワークの説明や問いはチャットに残しておくと参加者が迷子にならない
・リアルより気軽にアンケートも取れるので、事前アンケートで今回の期待を聞いておくことも(Googleフォームなどの活用)

▶︎場を盛り上げる工夫
・表示名は呼ばれたい名前に変更
・グループワークの時間を多くとる。3〜4名がよく話せる
・ミュートをあえて解除する。「時間がもったいないので、「いいですか」とか「すみません」は無しでどんどん話しちゃってください!」

▶︎ファシリテーターの心構え
・ノンバーバルコミュニケーションが減る分、対話の本質が露わになる
・説明や問いの言葉を一つ一つ丁寧に
・一方笑顔で話すなど通常より顔を見られることも意識する
・沈黙の価値は伝わりづらいが、時には待つ勇気も(参加者を信じて伴走する)

▶︎役割分担
・1人で全てやることも可能
・人数が割ける場合、下記が理想
 −進行役(ファシリテーター)
 −操作係(画面共有、ブレイクアウトルーム、ミュート)
 −記録係(チャット)

最後に

 今後新しい生活様式の中でのワークショップは、オンライン・リアルが選べるようになっていくのでしょうか。個人的には、オンラインのメリットは大いに感じながらも、気持ち的にはやっぱりリアルも好きだなあと思うところもあります。

 今後リアルで実施する時には、衛生観念の違い、3密を避けてのワークなど、これまでとは異なるアイデア・対応が必要になってきそうです。

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