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美味しいねって、生きていたいの 眠たいねって、笑っていたいの せーの、で生まれた僕達は せ…
僕は一体、何を守ろうとしているのだろうか。 容れ物である人の中で、 魂が魂たる瞬間は限りな…
転ぶことが怖くて 杖ついて歩いていたら いつの間にか腰が曲がっていた。 ついでに歯も抜けて…
開閉を繰り返す自動扉の少し後ろで、 困った顔の君がいる。 君は扉が閉じた時ばかり前に進もう…
今泣いている君へ、明日笑っている君へ そこでいいよ。それでいいよ。 違っていいよ。同じだっ…
大したことないさ、もう僕に明日は来ない、 それだけさ。 強がる彼の横顔は綺麗だった。 …
うるさい路上ライブの歌に紛れて、 僕の心がひとりでに坂をかけ上っていく。 日向にいる間、伸び続ける影と、 ひび割れたスマートフォンの通知は似ている。 望んでいないのに、視界に焼き付いて。 都会は夜よりも、朝が暗いこと。 24時間空いているコンビニの 店員の顔がいつも同じこと。 聞き飽きたヒットソングは、 今日をかき消す為にあること。 僕がこの街で学んだ生き方、この身の隠し方。 見つかる前に、冷えかけた掌。 隠れたのは、見つかるためさ。 だからもういいよ。
学校の机の、狭い引き出しの中に、 丸めて押し込んだのは、自意識でした。 同じ髪色を見る度に…
それなりでいいじゃない。 愛も平和も、幸せも えくぼで誤魔化していいじゃない ほどほどでい…
インクの跡が乾くまでが、 僕に与えられた猶予だ。 また届かない手紙を書いている。 まだ冬…
なんで、と尋ねる最後の言葉は。 ぬるいコーラに溶かして、呑み込んだままで、 込み上げても、…
そして君はしかめっ面で 買ってきたタバコの箱を乱暴に開けている 一緒に買った缶コーヒが横に…
まだ僕の背が、 あなたの半分くらいしかない頃から、 あなたの手は乾いていたと思う 流れに逆…
きみにまで届かないのなら せめて、朝日に向かう鳥でありたい 流線型の軌道を描いて 脊髄に突き刺さる美しさでありたい あるいは、枯れた心を濡らす朝露でありたい 世界の隅から、優しさをすこしずつ集めて やがて雪に変わる健気さでありたい 手を伸ばしたきみの、指先の少し先で光る 微かな後悔のようなものが、 いつか致命傷になった頃に、 僕の声が届いて、君の全部が夜に変わってしまう 灯りを吹き消すように、この夜風は流れ続ける 朽ち果てた心さえ、愛せるようになるまで それを、愛おしい