見出し画像

#125 Andhra Kitchen (アーンドラ・キッチン)

大多数の日本人にとっては、残念ながらまだまだインド料理と聞いて思い浮かべるのは「バターチキンカレー」「ナン」「タンドリーチキン」といったものがほとんどでしょうし、また、そう答える人のほとんどが、おそらくインド人の主食はナンだと信じているのではないかと思います。

でも、実はそれらの料理はインドの中でも北インドのパンジャーブ州という一地方の料理に過ぎず、しかも、一般家庭にはナンやタンドリーチキンを焼くためのタンドールが備わってないため、所謂タンドール料理はレストランで注文するかテイクアウトして食べる料理であって、日常的にインドの家庭で食されているわけではありません。日本人の国民食お寿司も、家庭で作るのはちらし寿司やせいぜい海苔巻きくらいで、握り寿司はやっぱりお店で食べるかテイクアウトしますよね。

日本の8.8倍の国土を有し、13億の人々が暮らし、30種類の異なる言語や2000にも達すると言われる方言を有するインド。
当然、料理だって数え切れないほどの種類があり、地方によってもその特色は様々です。

例えば、大きく分けても、北インド地方では主にバターや生クリームなど乳製品を多用したマイルドでこってりと濃厚なグレイビーをチャパティなどのパンと共に食すのが一般的ですが、南インドでは主に植物性オイルを使用し、野菜や豆類中心の具材に、マスタードシードやチリペッパーで辛味を、タマリンドで酸味を加えたさっぱりとしたサラサラのグレイビーをライスで食すのが一般的。で、ここ数年、わたしがハマっているのがこちらの南インド料理です。

というわけで本日訪れたのは、南インド、アーンドラ・プラデシュ州の料理を中心とした本格的な南インド料理が味わえることで有名な「アーンドラ・キッチン」です。

画像1

南インド料理の人気店と言えば、京橋の「ダバ・インディア」も有名ですが、「アーンドラ・キッチン」は、この「ダバ・インディア」で初代料理長を務めた名シェフ、ヤーマラ・ラマナイヤ氏を料理長として招き2009年にオープンしたお店。
ラマナイヤ氏は現在、姉妹店の「アーンドラ・ダイニング」に移られていますが、その味は「アーンドラ・キッチン」のシェフ達に受け継がれています。

さて、本日オーダーしたのは日替わりカレー2品とポリヤル、サンバル、ラッサム、チャパティ、バスマティライス、アチャール、デザートの超豪華なセット「アーンドラ スペシャルミールス」。

銀のトレーに敷かれたバナナの葉の上には、カトゥリに入れられた色とりどりの料理が並び良い香りを漂わせています。
美味しそう♪

画像2

写真は左から時計回りに、「サンバル」「ラッサム」「ポリヤル」「エビカレー」「マトンキーマカレー」「チキンカレー」「デザート」「チャパティ」とその下に隠れちゃったけど「ピックル」、そして真ん中に「バスマティライス」と「パパド」。

いただきまーす!ぱくり。
うんまーいっ!!(☆∀☆)

サンバル・・・和食で言うところの味噌汁のような、南インドの食事には定番の野菜と豆のスープ。とろっとろに溶けたお豆と野菜の味わいを堪能できます。こちらのサンバルは塩味や酸味がしっかりしていてかなりわたし好み。

ラッサム・・・タマリンド、ニンニク、ブラックペッパーで作る酸っぱ辛い南インドの薬膳スープ。お店によって味わいは様々ですが、こちらのものは辛味も酸味もガツンと効いたパンチのあるラッサム。

ポリヤル・・・北インドでは「サブジ」と呼ばれる野菜のスパイス炒め煮。この日の具材は挽肉といんげん豆。優しい味わいのカレーですが、挽肉の旨味が良く出ています。

エビカレー・・・汁気のないドライタイプのカレー。プリプリのエビとシャキシャキの玉ねぎの食感が楽しめ、旨味十分で、なおかつスパイシー!

マトンキーマカレー・・・マトンの旨味とコクが十分に引き出されており、しっかりした味わいながら、全くしつこくさがなく、適度にスパイシーで食が進みます。

チキンカレー・・・チキンはホロホロに解れる柔らかさ。コクも旨味も十分な上にブラックペッパーが効いていてとっても美味。

チャパティ・・・前述のとおり、インドではナンはレストランで食べるかテイクアウトするものであり、家庭で日常的に食べられているのはチャパティやロティなどです。チャパティはナンと違い、生地を発酵させずにそのままフライパンで焼いて作ります。見た目はクレープのようですが、モチモチしていて、韓国のチヂミに近い食感。ナンと同じくカレーをディップして食べますが、ナンに比べ脂質が少なくあっさりしているので、個人的には、バターたっぷりのこってりしたナンよりも好みです。

バスマティライス・・・インディカ米は日本米に比べて粘り気が少なくパラっとしています。炊き方も日本の炊き干し法とは違い、湯取り法と言ってパスタを茹でるように大量のお湯で茹でて作ります。汁気の多い南インドのカレーにはやっぱりバスマティライスが良く合います。

パパド・・・インドのスナック。薄焼きの豆煎餅です。適当な大きさに砕いてからバスマティライスに振りかけ、カレーと混ぜて食べると美味。

ピックル・・・所謂ピクルスのこと。アチャールとも言います。欧米のピクルスと違い、酢の他にスパイスを使って漬け込むのが特徴。「アーンドラキッチン」のレモンピックルは自家製だそうです。酸味とほろ苦さが箸休めにピッタリの美味しさ。

デザート・・・マンゴーのデザート。名前は聞き忘れましたが、おそらく、インドのアイス「クルフィ」を冷やし固める前の状態のものだと思います。甘くてクリーミー。辛くなった口の中をリセットしてくれます。

ひととおり味見が済んだらデザート以外の全てを混ぜて食べます。
まぜまぜ。ぱくり。
ん〜っまぁ〜!!(☆∀☆)

酸味、辛味、塩味、甘味、旨味、苦味のバランスはもちろんのこと、香りや食感に至るまで文句なしの美味しさ。
やっぱりミールスって最高!!

ごちそうさまでしたー♪♪♪

晴れ、時々Curry。2017-05-06

ハレカリにカレーを奢る? ▶YES NO