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いつか会いたいあの人。

吉野駅に到着して、急いでコインロッカーを探す。今回の旅はリュックではなく、スーツケース。さすがにこれを押したままでは楽しめない。少し大きなロッカーに荷物を突っ込むとロープウェイ乗り場までダッシュ
時間がない。そしてすでに手持ちの現金が心許なくなっていた。色々焦る。

往復券をお兄さんから購入してロープウェイに乗り込む。密対策なのか窓が開いてる。それにしても、もうすでにたくさん乗り込んでいて、最後にギリギリ二人乗り込んで結構な密。窓全開の意味もわかる。

少しずつ上がってくロープウェイ。まだ少し早い秋の彩りの中を進む。窓が開いてるのがとても開放的で気持ちよかった。高いところが苦手な人は怖いかもしれない。横に立ってたお姉さんたちが、これが落ちたらどうなるのかをやたら話していて、狭い車内で、その話はないだろう。と面白気分で聞いていた。

3分くらいで到着。

初めての吉野は思ったよりもたくさんお土産屋さんも、食べ物屋さんもある。どこのお店もキャッシュレスに対応していて、ひとまずホッとする。ご飯が食べれる!

黒門を通り過ぎ、学生の隙間を歩く。外国の方は見ない代わりに、今回の旅は修学旅行生がとても多かった。昨日の夜に、急遽決めた行き先だったので、まったく知識がない。青いお不動さんと唱え続けて信じていたのだけど、行ってみれば「蔵王権現」という仏様でありました。違うやないかい。と突っ込みをいれたのは帰ってきてからですけど。

だから、この時点でまったく気づいておらずめっちゃお不動さんの真言唱えてきてしまった。すみません。

金峯山寺のおもてなしも、またしても丁寧で素晴らしいものだった。また改めて来ないといけないな。今度は吉野の町に泊まろう。次はもっと深く深くこの土地に入り込もう。
やはり、奈良は好きだな。

秘仏である本尊の青い権現さまは、とても大きくて私レベルが受け止めるにはまだまだ力不足だわ。見上げるだけで精一杯
お寺はよくわからないのですが、とりあえずお坊さんが読経されてるのを後ろで聞く。
目を閉じてその場所に沈む

終わった後に、役小角さんの像にご挨拶

お目当ての鏡を頂いてウキウキ。この頃、現金不安のためケチケチしてる私、鏡用の袋をケチったけれど、まあよかろう。そのうち作るか、どこかで手に入れるか、またくる理由になる。どれも楽しそう。この鏡は毎日持ち歩いている。

今回、吉野に来たかったのは、というかここに来たかったのはこの場所が役小角さん縁の土地だと知ったから。よく存じ上げないけれど、わたし、この方とても好き。単なるおじいちゃん好きと言われればそれまでだけど
修験道というものに、神社巡りをする中で何故だかとても惹かれることに気づいていた。修験道の山と言われるとどうしても行きたくなる。だから、修験道の祖と言われるこの方に是非会ってみたい。なにかを感じるかもしれない。またしても何か起こるかもしれない。

まあ、こちらの準備不足もありまして
結果的に特に変わったことは起こらなかったのだけど
帰り道に立ち寄った黒門の横にある
小角さんの祠の前で、その顔を見ていると、とても懐かしい気持ちになった。
とても優しいお顔を見ながら
この人と話してみたいなぁと強く思った。

飛鳥時代の方ですから、会えるわけも、話せるわけもないのだけど
信じていればいつかどこかで会える気がする
そんな気がしてならない。

まだ幼い男の子だった自分は、その人の背中に憧れた。いつか、この人みたいに凄い人になるんだ。なにが凄いのかもわからないほどの幼い憧れ
そんな妄想をした。

わたしはいつか、あなたに会いたい。

そんなことを告げて帰ってきた。

新しいご縁。旅に出る理由がまたできた。小角さん縁の地を巡ってみようかしら。どんな人か知りたくて帰ってネットで調べたり、面白い本がないかと探している。
好きな人のことを知るのは大好きだ。
好きな場所には行きたくなる。

少しずつ次に繋がっていく。

柿の葉寿司とわらび餅を食べてご満悦の旅。吉野から新大阪に向かう。また光の中を通り過ぎ現実世界に引き戻される。
新大阪の本屋で物色
ウロウロウロウロ怪しい人
ここで、選ぶ本はきっと意味がある。
今必要なものを手に取る自信

自分でも意外なものに落ち着いて、ここからまた新しい日々が始まる。
新大阪に来るといつも食べてしまうたこ焼き。
急いで食べて席を立ち、悠々と改札への道を歩けば、ふと目に入る前の旅行者。大きなスーツケース

そう、大きなスーツケース…ん?
自分の手を確認すると、手提げカバンとカメラのみ
スーツケースはたこ焼き屋さんに置き土産
改札入る前でよかった。
ここは、安全な国日本。
そのままの状態でスーツケースは待ちぼうけ
こんなんじゃ、まだ海外旅行は出来ないな、と結論づける
ひとまずはさて、帰りましょう。熊本へ

世間は色々諸々大変そうだけど
とりあえず来年にはまた来るわよ。そう決めて

この旅から始まるだろう日常を思えばワクワクが止まらない

~私の伊勢物語2020⑯~

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