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ベートーヴェンを毎日聴く203(2020年7月21日)
『ベートーヴェン/「ひとりごと」WoO114』を聴いた。
ベートーヴェンを毎日聴く203
— Harayan (Herbert von) (@HarayanV) July 21, 2020
「ひとりごと」WoO114。1792〜93年
これは面白い曲。「ひとりごと」だから静かにささやくような曲かと思えば、セカセカして落ち着きなく「どうやらあの娘に恋をしてしまった」と執拗に繰り返す。作曲者はこんな経験がなければ、このような表現は出来なかったはず。 pic.twitter.com/IvJqrZKpk5
ベートーヴェンのとても面白い作品。まずはお聴きいただきたい。
最初のピアノのリズム。とても落ち着かない感じがする。それがずっと続く。そしてちょっとユーモアを感じる歌い方。詩の大まかな内容はこんな感じ。
私は今まで恋を敵と思い、それはずっと変わりないものと思っていた。でもどうやら私は恋をしてしまったようだ。恋をからかい気まぐれでいいと思っていた。でもどうやらドリスに恋をしてしまったようだ。彼女を見てから他の女性が良いとは思わないのだ。私はどうやらあの娘に恋してしまった。
落ち着かないリズム。これはまさに「恋をしてしまったんだ」という気持ち。ときめく心臓の鼓動とも言えるだろう。そして「恋なんてしないよ、僕は。」なんて強がっていた男が、突如ある女性の虜になってしまう。「まさか僕が恋をした?」というギャップに対する自分への驚き。
詩とぴったりの曲が付けられたのだが、このような表現は実際に詩における感情が理解できなければ作れないだろう。
ベートーヴェンはボンでエレオノーレという女性に恋心を抱いていたので、きっとそのときの感情がストレートに表現されたのであろう。この作品はボンからウィーンへやってきた直後に作られたものらしい。恋しいエレオノーレとは離れてしまったのだが、悲しむのではなく、こんなワクワクするような音楽を作るとは。憧れのウィーンで始めた作曲の勉強に対してのワクワクする恋心を表したものなのかもしれない。
No-longer-hereによるPixabayからの画像
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