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ベートーヴェンを毎日聴く251(2020年9月7日)
『ベートーヴェン/「親愛なる伯爵様」WoO101』を聴いた。
ベートーヴェンを毎日聴く251
— Harayan (Herbert von) (@HarayanV) September 7, 2020
親愛なる伯爵様WoO.101。1802年
30 秒ほどの短いカノン。伯爵様、親愛なる伯爵様。と繰り返されるだけ。ここの伯爵は楽器の援助など行った親友ズメスカルと思われる。彼に何かお願いごとでもしているのか。作曲した少し前にあの有名な遺書を書いたとは思えない作品。 pic.twitter.com/wBIWDiqvl4
伯爵様、伯爵様、親愛なる伯爵様。
愛すべき羊。最高の伯爵様。最高の羊。
なんだかよくわからない意味。
「Graf」が繰り返されるが、時々「Schaf」という言葉が聞こえる。「Graf」は「伯爵様」、そして「Schaf」が「羊」。この発音が似ている二つの言葉をひっかけている。
親愛なる「伯爵様!」と言っておきながら、その裏では「羊!」と言う。この2面性は心の表と裏だろう。
この作品はこの「伯爵様」に贈られている。伯爵様はちょっとからかわれて怒った、という記録は無いので実際はどうだったかはわからないが、「伯爵様」はニコラウス・フォン・ズメスカルという人。彼はベートーヴェンの知人で金銭面や楽器など多くの援助を行った。
ベートーヴェンのカノンのほとんどは大変お世話になっていた人物に贈られた。なのでズメスカルに対しても、そんな意味で送られたのだろう。お礼と言うか、「また助けてくださいね」とお願いしているよう。「羊」の様にやさしい「伯爵様」ならお願い聞いてくれますよね?という感じか。
このカノンが作られた1802年は、有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」が書かれた年。なのにこんな作品も作っていたとは、ちょっと驚きである。
Uschi DugulinによるPixabayからの画像
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