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ベートーヴェンを毎日聴く200(2020年7月18日)

『ベートーヴェン/歌劇「水車小屋の娘」による9つの変奏曲WoO69』と『ベートーヴェン/歌劇「水車小屋の娘」による6つの変奏曲WoO70』を聴いた。

歌劇「水車小屋の娘」はイタリアの作曲家パイジエッロが作曲した作品。その中で歌われるアリアからベートーヴェンは2つの変奏曲を作った。

パイジエッロは94もの歌劇を作っているが今では上演される作品は極めて少ない。歌劇「セヴィリアの理髪師」といえばロッシーニの作品として有名だが、この台本に先に作曲したのはこのパイジエッロだった。

「水車小屋の娘」は1795年にウィーンで上演されたが、ベートーヴェンのこの変奏曲は同じ年に作曲されたもの。おそらくベートーヴェンもこれを鑑賞して気に入ったのであろう。2つのアリアを主題として変奏曲にしたのだから。

パイジエッロはナポレオンのお気に入りになりパリへ赴くが、聴衆の人気を得ることができず、ナポレオン失脚もあって失意のままイタリアに帰り不遇のまま生涯を終えた。すでにパイジエッロの音楽は古い時代の音楽になってしまっていたからだという。ベートーヴェンが行ったように、世界は革新を続けなければ生き残れない時代になっていたのである。

Jerzy GóreckiによるPixabayからの画像

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