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マタハラ・パタハラ・ケアハラ

マタハラ・パタハラについて前回のnoteにて紹介しました。https://note.com/harassment_rma/n/nd58194a34fe3

ケアハラも同様に、企業には対策措置を取る義務があります。
ケアハラとは、ケア(介護)ハラスメントのことです。

家族のフォローをする意味では、育児も介護も同じと言えます。

具体的にどのような行為がそれにあたるのか、厚生労働省の定めている内容を見て行きます。

妊娠・出産・育児休業等ハラスメントの定義

「(1)職場」において行われる上司・同僚からの言動(妊娠・出産したこと、育児休業、介護休業等の利用に関する言動)により、妊娠・出産した「(2)女性労働者」や育児休業・介護休業等を申出・取得した「(2)男女労働者」の就業環境が害されることをいいます。
これらは、マタニティハラスメント(マタハラ)、パタニティハラスメント(パタハラ)、ケアハラスメント(ケアハラ)と言われることもあります。

(1)「職場」とは

労働者が通常働いているところはもちろんのこと、出張先や実質的に職務の延長と考えられるような宴会なども職場に該当します。

(2)「労働者」とは

正社員だけではなく、契約社員、パートタイム労働者など、契約期間や労働時間にかかわらず、事業主が雇用するすべての労働者です。
また、派遣労働者については、派遣労働者のみならず、派遣先労働者のみならず、派遣先事業主も、自ら雇用する労働者と同様に取り扱う必要があります。

厚生労働省
あかるい職場応援団
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/definition/about

妊娠・出産・育児休業等ハラスメントの類型

1.制度等の利用への嫌がらせ型
出産・育児・介護に関連する社内制度の利用に際し、当事者が利用をあきらめるざるを得ないような言動で制度利用を阻害する行為。

〇例
●子どもが出来たので、産休を取らせて欲しいと上司に相談したところ、「じゃあ退職する?」と言われた。
●育児休業の取得を上司に相談したところ、「育児休業を取るのは女の役目だろ。男のお前は働いて家族を養えよ」と言われ、取得の話を流された。
●妊娠の健診のために休暇を取得したいと上司に相談したら「具合が悪いわけではないんだろう。土曜日に空いている病院に行けよ」と言われた。
●介護休業の取得について上司に相談したところ「嫁と娘に対応させろ。男がやることではない」と言われ、取得をあきらめざるを得なかった。


2.状態への嫌がらせ型
出産・育児などにより就労状況が変化したことなどに対し、嫌がらせをする行為。

〇例
●上司に妊娠を報告したところ、「次の契約更新はできません」と言われた。
● 上司から「女は妊娠していつ休むか分からないから、仕事は任せられない」と雑用ばかりさせられている。

厚生労働省
あかるい職場応援団
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/definition/about

ハラスメント非該当について

・妊娠・出産・育児休業等を理由とする解雇、減給、降格、不利益な配置転換、契約社員の場合は契約を更新しない等の行為は「ハラスメント」ではなく「不利益取扱い」となります。男女雇用機会均等法、育児・介護休業法違反です。

・「業務上必要な言動」はハラスメントに該当しません。ただし、労働者の意を汲まない一方的な通告はハラスメントとなる可能性があります。

・制度等の利用を希望する労働者に対して、業務上の必要性により変更の依頼や相談をすることは、強要しない場合に限りハラスメントに該当しません。

・妊婦本人はこれまで通り勤務を続けたいという意欲がある場合であっても、客観的に見て妊婦の体調が悪い場合に、業務量の削減や業務内容の変更等を打診することは、業務上の必要性に基づく言動となり、ハラスメントには該当しません。

厚生労働省
あかるい職場応援団
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/definition/about

以上より「妊娠・出産・育児・介護」を理由として嫌がらせをしないということ、つまり訪れるライフイベントを理由に会社に居づらくなるような対応をしないということです。
いつ、自分が親を介護することになるか分かりません。(男女とも)育児をする環境になるかもしれません。
介護や育児をしない人であっても、病欠することはあるでしょうし、繁忙期に他の人が助けてくれることもあるでしょう。
一切誰の世話にもなったことがない人がいるなら別ですが、お互い様のことです。

また、一方で出産や育児、介護で休む人も、なるべく周りが手伝いやすいように仕事を組み立てておくなど配慮が必要です。仕事を抱え込んだまま休暇に入り、復帰するまで連絡がつかず大事なお客様に迷惑をかける…のようなことがないよう、お互い様と言う気持ちで、引継ぎの準備を進めるのが良いでしょう。

昨今、働き方も変わり、女性は○○男性は○○のような固定観念も薄れてきました(むしろ頑なに女性は○○男性は○○と言っている方が、珍しいくらいでしょう)。

時代遅れの職場にならないようにすること。
それぞれの事情を受け止められる業務の組み立て方を検討が必要になります。

誰かが抜けるのであれば、内定者にアルバイトに入ってもらう。
人員の補充が出来ないのであれば、外部に委託する。
膨れた業務の整理をする(業務のダイエット)。

出来ることはたくさんあります。

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【HP】
https://harassment-rma.jp/
【パワーハラスメントリスク管理講座】
https://course.harassment-rma.jp/
【facebook】
https://www.facebook.com/harassment.rma


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