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バス遠足での忘れ物にはお気をつけください

#はたらいて笑顔になれた瞬間

毬はバスガイドになって半年初めて小学生の乗務をすることになった。
話を聞いてくれるのか、どんな話に興味を持ってくれるのだろうか
不安は多くその当日を迎える事になった。

「本日は○○交通をご利用いただきありがとうございます。
  本日みなさまの旅のお供をさせていただきますドライバーは◎◎
ガイドは私 藤井毬と申します。よろしくお願いいたします」
すると
「よろしくお願いします!」
と元気な生徒たちの声が返ってきた。
社員旅行や中学、高校の旅行ではないお返事に毬は驚きつつもホッとし笑顔でまた返事をした。

「さて、お車はまもなく学校へ戻ります。今日は楽しかったですか?」
『はー-い!』
「良かったです!では私から最後にお願いです。
お忘れ物に注意してください。
座っている所の前のポケットやお尻の下に忘れ物しちゃう人が多いです
バスが止まったらよく確認してくださいね。せっかくご家族に買ったお土産とか、忘れないようにね」
「これだけ言ったら大丈夫だと思うけど、もし残ってたら私へのプレゼントって事にしちゃうからね~」

今日1日、たった数時間のバスの移動でも生徒たちとは仲良くなれた。
明るい担任の先生のおかげか生徒さん達は名前を呼んでくれる程
人懐こく、楽しい遠足となった。

バスは学校に到着し素早く生徒たちが降りていく
「ありがとうございました!」
1人1人がドライバーやガイドにしっかりと挨拶をしてくれる
〔あぁ、いいクラスにあたったなぁ〕
と毬が初めての小学生に安堵していた時

『ガイドさんこれ!』
男子生徒が小さい白い封筒を渡してきた
「?」
忘れ物だろうか、、、それならクラスに持って帰った方がいい
「まさか、、忘れ物?」
『うん。そう。だから、はい。』
「え、」

白い封筒には今日立ち寄りした博物館で買ったであろう
ガラス製の恐竜のキーホルダーが入っていた。
今も私のガイド鞄で光を集めて揺れている。



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