曼珠沙華は、「まんじゅしゃげ」なのか「まんじゅしゃか」なのか
先週末は、友人たちと府中の大國魂(おおくにたま)神社に参拝し、そのあと、市の「郷土の森」で行われている「曼珠沙華まつり」に行ってきました。今年初公開で、園内に咲き誇る彼岸花(ひがんばな)は約35万株だそうです。(開催期間は2023年10月1日(日)まで)
この花は彼岸花という呼び名のほかに、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)、地獄花、狐のかんざし……など、たくさんの別名があることでも知られていますよね。みなさんは、何と呼んでいますか?
さて、この花は『法華経(ほけきょう)』というお経にも登場します。
(2021年のnoteでも、私は彼岸花と法華経の話を書いていますが、今回はもう少しだけ詳しく説明したいと思います)
法華経は、お釈迦様が亡くなられて約500年くらいたった頃、インド北西部で編纂(へんさん)されたと言われるお経です。
このお経の序品第一に、
「蔓陀羅華(まんだらけ)、摩訶曼陀羅華(まかまんだらけ)、蔓殊沙華(まんじゅしゃげ)、摩訶蔓殊沙華(まかまんじゅしゃげ)、而散仏上(にさんぶつじょう)」という一節が出てきます。
「お釈迦さまが弟子たちのために説法をしていると、赤白の大小4つの花が頭上から降り注いだ」というような訳になります。
蔓殊沙華=サンスクリット語の「mañjūaka(マンジュシャカ)」を音写したもので、「天界に咲く赤い花」です。
※仏教経典は部派ごとに編纂され、インド北部の部派はサンスクリット語で記載し、それを漢訳したものが日本に入ってきました。
曼珠沙華は、一般的に「まんじゅしゃげ」と呼ぶ人が多いと思いますが、サンスクリット語では、「まんじゅしゃか」と発音するのですね。
実は、毎年このお花を見かけると、1978年にCBSソニーからリリースされた、山口百恵さんの「曼珠沙華」を思い出すのです。
計算するとまだ5歳の自分でしたが、なんだか強烈に覚えていたようで、未だにこの時期になるとこの曲のサビが脳裏をぐるぐるするのです。
「曼珠沙華(まんじゅしゃか) 恋する女は 曼珠沙華(まんじゅしゃか) 罪作り……」
曼珠沙華は、「まんじゅしゃげ」なのか「まんじゅしゃか」なのか長年疑問だったのですが、山口百恵さんの歌では、お経の原典であるサンスクリット語を発音されていたということですね……!(感動)
山口百恵さんの歌う曼珠沙華、かっこいいですよ。笑 知らない世代も多いと思うので、ぜひ聞いてみてください♪
経典に出てくる花を歌うとは……。現代の歌詞ではなかなか見ないのではないでしょうか。作詞は阿木燿子さんです。
ではまた!
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