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タダシさんとの思い出 最終章

タイトル画像 退院して帰ってくる日がタダシさんの48歳誕生日。
長女がお父さんのベッドがある座敷のディスプレイ用意してくれました。

9月1日 
午前中医療用の酸素や介護用ベッドが届き業者さんから使い方の説明もみんなで聞き準備OK。
14時 病院へ着き手続きなどをして、お世話になった看護師さん達に見送られ病院をあとにしました。先生方、看護師の皆さん、病院スタッフの皆さん本当にありがとうございました。
ストレッチャーからベッドへの移動は訪問看護師さんとうちの高校生ツインズとでなんとかなり男子がいて良かったぁ(´-`*)としみじみ。
「家に帰ってきたよ。わかる?」おばあちゃんの声にゆっくりうなずくタダシさん。この時はなんとなくまだこちらの会話もわかっていたと思います。
夕方岡本君が来てくれた時、意識障害が出ていたタダシさんは受け答えもできなくなっていました。でも話せなくても来てくれたことはわかってるんじゃないかな。来てくれて本当にありがとう。

晩。タダシさんの寝返りが激しくなり、手足がベッドの柵にあたってケガしないようにガードクッションを置いたり、寝返りの度に外れる鼻からの酸素チューブをさし直したりしていると子供たちが「俺らここで勉強しようか」と座敷に勉強道具を持ってきてくれたので、ありがとう!と私は明日の配達準備をすることに。しばらくして「お母さん来て!」と言われ座敷へ駆けつけると、タダシさんは手足が冷たくなっていくところでした。
21時45分 タダシさんは家族に見守られ旅立ちました。
訪問看護師さん、明日往診予定だったかかりつけの病院の先生に来ていただき葬儀屋さんへも連絡。エンゼルケアを訪問看護師さんにしていただいた後、教えてもらいながら家族で身体を拭いたりよく着ていた服に着せ替えたり。こうして家で看取ることができて、タダシさんの希望を叶えることができたのは良かったと思います。病院スタッフの皆さん、ケアマネジャーさん他ご縁あり関わってくださったすべての皆さん本当にありがとうございました。

9月3日(土)お通夜、9月4日お葬式
家族だけで見送るのは寂しがり屋のタダシさんにはかわいそうな氣がして、家族葬だけど参りたい方に来てもらえるようにしたいと葬儀屋さんに相談し、式の前1時間をお悔みに来てくださる方がお別れできる時間として設けることにしました。多分うちの村で前例ないことだったと思います。

連日多くの方が足を運んでくださいました。ありがとうございました。早くにこの世を去るのが無念で、私や家族への思いやりがあたたかくて、ただただありがたくて言葉にならない氣持ちでいっぱいでした。参列できなくても心を寄せてくださった方々、後日お参りに来てくださった方々、お供えを送ってくださった方々、本当にありがとうございました。きっとタダシさんも喜んでいると思います。いつも遺影のタダシさん笑ってます。

完璧主義のタダシさんらしいよね。誕生日に逝くなんて絶対誰も忘れられへんしこんな偶然ある?そんな会話を家族でしたり、10月やったら稲刈りで農繁期ピークやし、もしかしたら彼は選んでこの日に旅立っていったのかもねと友達と話すことで徐々に私自身氣持ちの整理というか納得いく答えを見つけようとしていました。

SNSのタダシさんアカウントで訃報をお知らせした後もたくさんお悔みをいただきました。返信できずにすみません。リアルでは人付き合い苦手(というか嫌い)だったかもしれないけど、こうしてたくさんの方とご縁があったことに正直驚き、私自身しんどかったりキャパオーバーしそうな日々の中、タダシさんのしんどさや氣持ちに寄り沿ったり励ましたり、ゲームや音楽で楽しい時間を共有したり、私にはできないタダシさんの心の支え、サポーターになっていただき本当にありがとうございました。

エピローグでこれからのことを。

平成11年(1999年)結婚し就農し、ふたりで農園を築いてきました。私はこれからもずっと農業を続けていきます。どこかでただまき農園の名前を見かけたらタダシさんのこと思い出してもらえると嬉しいです。そして私だけでは人手不足で困ったなという時、農作業ボランティアさん募集しますので、身体を動かしに、田舎の空気をすいに、ちょっとした人助けをしにぜひお越しください!よろしくお願いします。

そして闘病中何度も輸血のありがたさ、ドナーさんのありがたさを痛感しました。タダシさんのような血液疾患の方のために献血、骨髄バンクのドナー登録にご協力ください。この活動も私のこれからのミッションにしていきたいと思っています。

思い出シリーズ最終章。最後まで読んでいただきありがとうございました。
お返事できるかちょっとわかりませんが、ご感想やコメントなどなどお待ちしております。私のエナジーにさせていただきます。


限られた人生楽しんでいこうね!!

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