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11)オーストラリアでパパ活しかけたときの話(25歳)

一度オーストラリア人のおじさんとドラマチックな?展開を迎えたことがある。

名前はジョン(仮)。
彼と出会ったのは渡豪する2年前。当時私はまだ東京で営業をしており、はじめて長い休暇をとって友人とベトナムはホーチミンに旅行に出掛けたときだった。

市内散策に飽きた友人と私は市街の日帰りツアーに何度か申し込んだのだが、行く先々でまるで何かの力に引き寄せられたかのうように毎回同じおじさん3人組とバッタリ出会った。
彼らはオーストラリアから旅行に来ており、私たちと同じ旅行社を通して日帰りツアーに申し込んでいたらしい。

3人ともとても紳士的だった。

彼らは自分の父親ぐらい歳は離れていおり、きっと気の知れた仲間と束の間の余暇を楽しみに来たのだろう...そんな感じだった。

滞在ホテルは別だったし目的地が重複したのは偶然でしかなかった。しかしこれも何かの縁ということで最終日はみんなで食事することになった。終始和やかな雰囲気で、当たり障りのない会話をして食事を楽しんだ。

旅の出会いは一期一会、もう二度と会うことはないだろう。
親切なおじさん達がご馳走してくれてよかったね、なんて友人と2人で話しながらホテルに戻ったのを今でも覚えている。


あれから約2年。
私はオーストラリアにやってきて、ふと彼らのことを思い出した。

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元気にしているだろうか。
あのベトナム旅行時に連絡先を交換し、昔のペンパル(※)感覚でしばらくメールのやりとりはしていたのでそこまで疎遠にはなっていない。私は近況報告を兼ねて彼らに連絡をとってみることにした。

一番に返事があったはジョンだ。
「久しぶりだね!元気だよ!メルボルンに来たって?」
思いがけないニュースにとても喜んでくれているのが文面から伝わった。
私たちは近況を伝え合った。別になんてことはない、他愛もないやりとりだ。ジョンは仕事にプライベートに充実している様子だった。

しばらくして再び彼から連絡があった。
「今度私用でメルボルンに行くんだけど、せっかくだし会わないか?」
とのこと。
彼はアデレードという街に住んでいて、私が滞在しているメルボルンからは飛行機で1時間弱かかる。
東京と大阪くらい離れているし、私がメルボルンにいるのもあと数ヶ月だ。こんな機会も最後だろうと私は快く承諾した。

そして9月のある金曜日。
ジョンはメルボルンにやってきた。


※ペンパル(もしくはペンフレンド)…まだインターネットが主流ではなかった頃に流行ったいわゆる「文通」です。海外の人と友達になりたい人が手紙を送り合って交流している時代がありました。

続き


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