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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~㉖


摂食障害という病気は、ある意味では自分自身と向き合うこと、自分自身を見つめ直すことが必要な方がなってしまう病気だと思っています。ですから、それを避けて通ろうとしているうちは、本当の意味での克服は出来ないかもしれません。痩せたいのに食べてしまうとか、そういった一見矛盾している自分自身を受け止めて、認めて、そしてその上でこれからどうすべきか、何が出来るのか、ということを考えていく作業が必要になってくるのです。それが、あなた自身が、あなたのことをありのままに受け止めて、認める、ということなのです。

「はぁ・・・何か、抽象的というか、具体的には良くわからない気もしますが、とにかく自分を認めて、否定しない、ということですか?」

そうですね、否定しない・・・そう、自分で自分を否定しない、ということも大切ですね。

先生の言う(自分自身と向き合うこと)とか、(自分自身を見つめ直すこと)とかは、私にはわかるようでやっぱりよくわからなかった。そして、先生によれば、私にとってはそれが必要で、だから摂食障害になってしまった、ということだった。

「いろんなことを突き詰めて考えていると、だんだん訳がわからなくなってきて、イライラしてきちゃうから、今はとにかく自分を認めて、否定しない、ということだけを心掛けよう・・・」

相変わらず過食嘔吐は続いていたが、先生の言うように、今の自分に出来ることは(過食嘔吐で一日を終える)ことしかない、と思うようにしてみた。

すると、過食嘔吐をやめたいのにやめられない辛さや、猛烈に食べたい気持ちや、まだまだ痩せたい思いに追い立てられて逃れられない閉塞感みたいなものも、もしかしたら今の自分には必要なことなのかもしれない、と思うこともあった。

「過食嘔吐が続くのは確かに辛いけど、でも猛烈に食べたい気持ちを抑えられないくせに、まだまだ痩せたいと思っている自分を保つためには、結局過食嘔吐を続けることしかないのだから、とりあえず仕方がないのかもしれない・・・」

私が今考えるべきなのは、自分を保つこと、何とかして一日を終えること、食べても食べなくても痩せること。とにかく、最低限仕事に行けるギリギリの体調と体重は維持しなければ、買い物をするお金がなくなってしまう。食べることも、お酒を飲むことも、どちらも手放せないのだから、お金がなくては生きていけない。

先生の言うように、今の状態を打開するのには時間がかかるのかもしれない。でも、私には頼れるのは先生しかいない。先生を信じて、今出来ることをやるしかないし、出来ないことをいつまでも引きずっていても、結局出来ないのだから、それはそのままにしておくしかないのかもしれない・・・


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