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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~56


「ありがとうございます・・・先生、先生、私、もう過食嘔吐をやめたいんです。もう、疲れました。やっぱり諦めたくない・・・先生、こんな私でも、いつかは良くなりますか?」

あなたの、その諦めない気持ちを持ち続けている姿勢があれば、必ず良くなります。やはり、(いつ)という話しは出来ませんが、克服に向けて確実に進んでいらっしゃると思いますよ。ですから、今一番大切なことは、慌てたり、焦ったりすることなく、出来ることを一つ一つ積み重ねていくこと。そして、たとえ状態が良くない時があったとしても、諦めることなく、また開き直るでもなく克服に向けて今出来ることを続けていく、ということを忘れないことです。出来る時も、出来ない時も、(出来ることを一つ一つ積み重ねていく)(諦めることなく、また開き直るでもなく克服に向けて今出来ることを続けていく)ということを忘れないで、思い出すことが大切なことです。それを心掛けて次回まで過ごしてみてください。

「わかりました、出来るだけ今の先生の言葉を忘れないように、思い出して過ごしてみます」

いつ)良くなるのかとか、そもそもこのまま先生の言うことを聞いたり、自分であれこれ考えていろいろと試してみることを続けるだけで良くなるのかとか、そんな先の見通しが立たない、約束めいた未来が思い描けないことに変わりはないけど、でも先生のところからの帰り道は、やっぱりいつもよりは少しだけ気分が上がっていた。

「先生が言うように、諦めなければいつか必ず良くなるのかな。あれだけやめたいのにやめられない過食嘔吐をやめることが出来るのかな・・・なんか、良くなる実感とか、過食嘔吐をやめる自分が想像出来ないんだけど」

それでも、今の私に出来ることは限られていた。今の私に出来ること、それは・・・

今出来ること一つ一つ積み重ねること

うまくいかない時も、諦めないで前向きに切り替えていくこと

克服に向かう姿勢を持ち続けること

そして、それが摂食障害を克服する唯一の方法だと信じること

それでも、今すぐに過食嘔吐をやめることは出来そうになかった。最寄り駅に着くと、めずらしく結構迷ったけど、結局コンビニに寄ることにした。

「やっぱり、そんな急に何もかもが一変することなんて、あり得ないよね・・・」

最近は、買い物も義務、というか苦行に近いものを感じていた。本当はやめたいのにやめられない苦行のような、でもどこかで買って帰って食べることが楽しみのような、複雑な気持ちもあった。

「今すぐにやめることは、まだ出来ないな・・・でも、諦めない、諦めない。今出来ることを、一つ一つ・・・」


今日もありがとうございます。


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