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無農薬の糠ありますか?

弊社は色々なお米を扱っています。その数、80種類を優に超えます。

そのお米をあえてカテゴライズすると…。

「業務用米」と「一般家庭用米」に分かれます。

そのうち「一般家庭用米」の種類は30種類ほどです。

恐らく都内…いや全国を見てもここまで種類を揃えている米屋は、そう多くはないと思います。

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「一般家庭用米」を更にカテゴライズすると「無農薬栽培」のお米が出てきます。弊社が扱っている無農薬栽培は6種類ほど。30種類のうちの6種類ですから、それほど多いわけではありません。

それでもありがたいことに「あの米屋に行けばこだわりのお米があるらしい」という噂のもと、「無農薬のお米ってありますか」からの延長で、

「無農薬の糠ってありますか?」

という問い合わせが時々あります。

結論から申し上げますと、

「ありません」

です。

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ここにはお米業界の特殊性があります。

すなわち、今でもそうですが、糠は基本的に米屋にとって産業廃棄物(実際には捨てることは無く色々なところに販売していますが)に他なりません。

その産業廃棄物について、ケアする仕組みが無いのです。

弊社には精米機が2台あります。大きい精米機と小さい精米機です。

まず大きい精米機。
弊社では毎日700㎏以上の玄米をこの機械で精米しています。その700㎏の内訳は、当然同じ種類のお米では無く、例えば

最初に「茨城県産コシヒカリ」、次に「青森県産まっしぐら」、次に「お寿司屋さん用のブレンド」…と色々なお米を順番に精米しています。
もちろん切り替わるたびに機械を停め、前のお米が残らないようにしてまた精米を始めます。

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精米機の、お米の部分についてはそのような措置を取ることが出来ます。正確に言いますと「それほど時間をかけずに措置が取れる」のです。

ところが…糠はそうはなっていません。

糠の溜まる箇所は精米機とは別にあります。
精米するお米を変更するたびに、その「糠の溜まる箇所」まで掃除することは、ありません。なぜなら「糠が混ざらないようにする」ことはまでは想定されていないからです。

また…「糠の溜まる場所」までの糠の通り道ですが、精米機内の奥深くまで手を突っ込まないと完全な掃除は出来ません。
そう…たまに無農薬のお米を精米するからと言って、その度に精米機の、それも奥深くまで掃除することは無いのです。

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先述した「小さい精米機」は弊社では減農薬や無農薬のお米しか精米していません。そのため、多少色々な品種の糠が混ざっていてもお客様にお出しすることは出来ます。

しかしそれとて無農薬の糠では無いのです。

もし無農薬の糠をお求めの場合は、米屋では無く
「無農薬栽培のお米のみを栽培している農家でかつ精米機を持っているところ」
であれば大丈夫です。

弊社にお問い合わせがあった場合は、上記の事情をご説明申し上げたうえでそういった生産者さんを紹介しております。

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このように、無農薬の糠は

「完全にお米の流通網から漏れているニーズ」

なのです。しかし例えばぬか漬けをする人たちであれば、出来れば糠は無農薬で…という気持ちは分かります。

なぜなら残留農薬こそ糠部分に見られるからです。

…ここで誤解の無いように申し上げておきますが、普通はお米に極端に農薬が残るほど、生産者さんが日常的に農薬を使っているわけではありません。しかし農薬が残るとしたら糠部分が多いのです。

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例えぬか漬けであっても、そういったところからお米自体に興味を持ってもらうことがあるやもしれず、だからこそ

「無農薬の糠をいつでも出せる体制」

はこれからの米屋にとって必要なのかもしれません。

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「楽しくなければお米ではない!」
有限会社 小池精米店
三代目 小池理雄(ただお)

五ツ星お米マイスター
東京米スター
6次産業化プランナー(中央サポートセンター登録)
社会保険労務士

東京都米穀小売商業組合所属
東京都ごはん区メンバー

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