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寿司屋が「理想のシャリ」に近づくには?その2

前回からの続きです。

前回記載しましたが、米屋がお寿司屋さんのためにできることは、寿司屋の大将が描いている「理想の鮨」に近づけるためにお手伝いにすぎません。そのため、米屋でできることは自然と限られてくるのです。

もちろん多くのお寿司屋さんはそのことを十分にご理解いただいたうえで、そにうえでたびたびお寿司屋さんからご要望いただくのは

「いかにシャリがダマにならないか、いかにほぐれるか」

です。

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つまりは「作業性の良さと口に含んだ時のホロリ感」を重視されているのです。

それこそが、米屋がお手伝いできる部分です。その実現のために出来ることは以下の3つです。

①品種の選定

②炊飯オペレーションのアドバイス

③精米方法の変更

です。

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①につきましては前回お知らせしたとおりです。

②につきましてはいくつかあります。

まず、お寿司屋さんでよく見られるのが「洗米後の長時間のざる上げ」です。
弊社だけではなく他のお米屋さんも口を揃えて言っていますが「昔ながらのお寿司屋さんほど長時間のざる上げを行って」います。

「ざる上げ」の目的は以下の二つです。

ア.洗米後のお米から不純物を取り除くこと。

イ.炊飯時の加水量をぶれなく決めたいため。

この両点ですが、いずれも理屈に合っています。

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ただ…「ざる上げ」にはそれ以上のデメリットがあります。それは

「米粒が乾燥してしまい、割れてしまう」

ということです。

米粒が割れてしまうと当然のことながら冒頭の目的には到底適いません。シャリがダマになり、ベチャついてしまうからです。

ではどうすれば良いのでしょうか?

アについては…不純物と言っても主に糠です。糠自体は今の時代、そこまで白米に残っていません。精米機の性能が上がっているからです。また多少の糠も今は「うま味」と言われています。だからそれほど気にする必要は無いのです。

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イについては、ざる上げ時間を短くした場合の加水量を計算すればよいだけですので、これはどうとでもなります。

以上より、私は「長時間のざる上げは行う必要はありません」とお伝えしております。

また、炊飯オペレーションで「シャリがダマにならないか、いかにほぐれるか」を実現するために、「シャリを硬めに仕上げる」という方法があります。その場合には

1)蒸らし時間を減らす。

2)炊飯時の加水量を減らす。

があります。

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よく言われるのが「水に漬ける時間を短くするか、もしくはゼロ」というものです。しかしこれはお勧めできません。
確かにこの方法だと米粒は硬めに仕上がります。しかしその硬めの食感が米粒の表面にとどまらず、中まで硬めになってしまうのです。中まで硬め、ということは舌に乗る食感が「ザラッ」としてしまうのです。

米粒の中にしっかりと水を浸漬させなければ、そのお米が持つ本来の旨味…ポテンシャルを引き出すことは出来ません。

出来ればしっかり浸漬させたうえで、上記の1)・2)の方法を行ってください。そうすれば「表面はぱりっと、でも中はねっとり」が実現できます。

※もちろん、大将の描く理想の寿司が、「ねっとり感は不要」であれば話は別です。

そして③について。

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…実はここで記載しようと思ったのですが、もしかしたらお客様(お寿司屋さん)にご迷惑がかかると思い、今回は掲示を控えさせて頂きます。

ただここで申し上げたいのは、
「精米の方法を変えるだけで理想のシャリに近づくことが出来る」
ということです。

いかがでしたでしょうか?

私が持っている答え…とは言っても、万人のお寿司屋さんに当てはまるような解ではなく、あくまでも「ヒント」だと思ってください。

私もこれからもっともっと勉強していきますので…。

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最近の傾向として、のれん分けで店を立ち上げた若い職人の方が、シャリを本店と同じものではなく、シャリからして「自分色」を出していこう…という方が増えてきている気がします。

逆を言えば、今まではそれほど「シャリ」にこだわっているお寿司屋さんが多くなかったのかもしれません。

そう考えると、日本の寿司文化は、今、まさに「新たなステージ」へと向かっているのでは?と思えるのです。

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「楽しくなければお米ではない!」
有限会社 小池精米店
三代目 小池理雄(ただお)

五ツ星お米マイスター
東京米スター
6次産業化プランナー(中央サポートセンター登録)
社会保険労務士

東京都米穀小売商業組合所属
東京都ごはん区メンバー

〒150-0001
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1971年、原宿生まれ。明治大学卒業後、出版社入社。社会保険労務士の資格取得後、コンサルタントとして活動。2006年小池精米店を継ぐ。イベントや講演会、テレビやラジオ、新聞等のメディアに多数出演。 https://www.facebook.com/tadao.koike