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RAIN

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#小説

【RAIN⑦〜嘘つきは誰?〜】

【RAIN⑦〜嘘つきは誰?〜】

映像には、白壁を背景に五人の男が横並びに映っていた。
みんな同じ服装をしている。皆が皆おしなべてつば付きの帽子、青い作業着、白いスニーカーを履いていて、個性はてんで感じられなかった。これから出す問題を解かせるに当たって、個性という要素を無くしたいのかもしれない。だとしたらこちらとしては命がかかっている。ありがたい限りだ。しかし、問題形式が出題者が変わっているのかもしれない。
一方で作業着にはゼッケ

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【RAIN⑥〜生と死と・そしてその狭間と〜】

【RAIN⑥〜生と死と・そしてその狭間と〜】

「え、さっきの部屋に映っていた、仮面の男はどうしたんだ」
呆気にとられる青年。少女も少し驚いた様に、目を見張っている。生とか死とか、そう言った類の言葉が脳裏をよぎる。冷静に考えれば、こんな屋敷だ。何が起きてもおかしくは無い。
「死んだ。役目を果たしたからな。そして私はパンダの仮面男の様に無駄話をするつもりはない」
淡々と述べ。二人の反応を確認する仮面女。そんな彼女の言葉を受けても、青年も少女も表情

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【RAIN⑤〜立ち込める闇・溢れる疑問府〜】

【RAIN⑤〜立ち込める闇・溢れる疑問府〜】

中に入ると、ひたすら暗闇が立ち込めている
備え付けられているモニターにパッと白い静止画が映し出された。部屋のものを認識できる程度の明るさになり、辺りを見回す青年と少女。
部屋全体は先ほどのコンクリート打ちっ放しの部屋とは打って変わり、木造だ。歩くたびに木が軋む音がかすかに聞こえてくる。この屋敷もまた木造で、さっきの部屋はたまたま表面コンクリートで塗り固めただけなのであろう。そこにどんな意味があるの

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RAIN④〜薄暗い場所、暗い場所〜

RAIN④〜薄暗い場所、暗い場所〜

 ドアを開けると、正面にはひたすら廊下が続いていた。青白い照明の下で、敷かれているペルシャ絨毯は不気味で、それだけで恐怖を煽るには十分であるように思えた。窓に駆け寄ると、針葉樹の林が窓を覆うように生い茂っており、そのため月も星も見えない。木々の隙間から遠方に海が見える。ここは階上だ。少なくとも、一階ではない。青年は、部屋に閉じ込められていた時以上の悪寒に身震いした。窓を開けようにも、立て付けが悪く

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RAIN③〜謎解き、次なるステージへ〜

RAIN③〜謎解き、次なるステージへ〜

タイマー終了のアラームが鳴った。映像は切り替わり、パンダのお面の男が現れる。 「終了だ!!!」その甲高い声は、コンクリートの、狭い室内にはよく響いた。青年は耳障りだと、モニターに映る、その男を細目で睨みながらも、ぐいと口角を上げ、口だけで笑った。不敵な笑みだった。「威勢がいいね。では早速本題だ。犯人と本当の事を言っている人間をそれぞれ答えてくれ。もちろん三分も与えたんだ、単なる運試しでは無い。その

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【RAIN②〜嘘つきは誰?〜】

【RAIN②〜嘘つきは誰?〜】

「早速だが、問題について話を始めよう。今私が映っている、モニターの映像が切り替わり、これから五人の人間によって劇が行われる。その劇の中での登場人物は五人。そしてそのうちの一人が、監禁事件の犯人という設定だ。それぞれ容疑者として、証言を行うが、その5つの発言本当のことを言っている人間は一人で、四人は嘘をついている。つまり、4人が偽証罪を問われる案件となっている。そしてその発言の真偽を考え、犯人と本当

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【RAIN①〜始まりの時〜】

【RAIN①〜始まりの時〜】

時は1994年7月、時刻は22時を少し過ぎた頃。人里離れた場所に、ゴシック建築を思わせる、荘厳な御屋敷がどっしり鎮座していた。屋敷は周辺の村や町から完全に孤立しており、周囲は干満の激しい、海に囲まれている。その為、外部との接触手段になる、唯一の救いとして屋敷に通じている道も、満潮時には海に沈み、よりその孤独性を増す。屋敷の人が外出する、あるいは(そんな人はいないだろうが)外部の人が屋敷を訪問できる

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