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元手が無くても開業できる!元公務員が教える誰にでもできるジムの作り方

僕が公務員を辞めて、自分のジムを作った話を書きます。
(以前書いていたものが、削除されたので書き直しました)

※この記事の内容を軽く話した動画もアップしているのでそちらも興味があればどうぞ。動画はコチラから

起業に関して何か参考になる本はないかと書店を見ていました。
すると「大企業の社長みたいにならなくても起業していいんだよ」みたいなことが見出しに書いてある本がありました。
そんな親近感の持てるものが欲しかったんだと思い読んでみると、「なんだ結局今の自分のレベルじゃ無理じゃん!」と思わされる内容でした。(僕が読んだ本は、色んな会社を転々としながら20年かけていい役職まで行って、そのときにできたつながりの社長、お金と権力を持った人に頭を下げて出資してもらって20年の経験を活かした仕事の会社を運営するというものでした。)
このnoteでは、特に優れた仕事ができたわけじゃない(むしろしょぼい省庁の国家公務員の一番下っ端で、上司からは怒鳴られてばっかりの)僕が、公務員を辞めて趣味のトレーニングを仕事にして起業から半年で公務員時代の給料を超えた収入を手にするまでの話をしていきます。

みんなが教えてくれないようなお金の準備の仕方、どれくらいお金と時間がかかるかなど、ジム作りに必要なことを自分の経験をもとにできるだけ細かく書いていきます。

起業と言うよりは、ジム作りに特化しています。
これを読めば、自分のジムを持つということは特別な人にしかできないというわけではない。ということが分かってもらえると思います。
できるだけリアルにお伝えするために人間関係や、僕の当時の心境とかも交えながらになるので長文になりますが、最後まで読んでもらえると嬉しいです。

軽く自己紹介をさせてもらいます。
原田大智 1993年生まれ
2017年11月に「トレーニングジムレモン」をオープンさせました。
150平米ほどのテナントでやっているこじんまりとしたジムです。
パーソナルジムではなく、好きな時に来て好きなだけトレーニングするという形式の普通の会員制のジムです。
オーナーをしていますが、オーナーといっても従業員をたくさん雇うお金の余裕がないし、トレーナーという仕事が好きなので、お客様の指導もしています。
トレーニング歴は今年で10年目、ボディビルとフィジークの大会に出ており、過去の成績で良かったものだけをピックアップすると、こんな感じです。



日本ジュニアボディビル選手権 優勝

オールジャパンメンズフィジーク176cm以下級 4位入賞

そこそこいい成績はとってきてます。
そんな成績だからこそ当時よく言われたのが、
「有名選手だからジム出すんだね。簡単にお客さんが来ていい商売だね。」
「スポンサーがお金出してくれるからいいな~。俺も金があればやりたいよ~。」

この2つです。
正直こんなことを言ってくる人は何にもわかってません。
(まずそんなに選手として有名じゃないんですけど、そこは置いといたとしても、)有名だからという理由だけでお金を払ってくれるほどお客さんは甘くないです。
ジムのメインのお客さんは僕みたいな競技者のことなんて全く知らない、興味がないような人たちです。
圧倒的な競技成績があれば、トレーニング業界を知っている人だけを相手にしても商売は成り立つかもしれませんがそういった人は限られたごく一部の人だけです。
そして僕は、そんなごく一部に入れるほどの成績をとってません。
次の「スポンサーが~」とか言ってくる人についてですが、僕みたいなさっき書いたような圧倒的な成績も知名度もない人間についてくれるスポンサーなんていません。
普通に考えてみてほしいのですが、ジムを作るには100万円や200万円じゃ全然足りません。何千万円と必要です。
人がお金を出すときというのは、基本的に自分にリターンがある(と思う)からです。
スポンサー的なお金の出し方であれば、更なるお金を生むと期待して出す場合や、愛情が欲しくてお金を出す場合があります。
残念ながら僕にはそんな大金を無条件でくれるようなスポンサーはいませんでした。
ついでに言うと、自分のお金も全然持ってませんでした。
まあそんなわけで何が言いたいかというと、競技ではちょっといい成績を残してるけど商売をするスタートラインは他の人とたいして変わらない状況ということです。
最初に結論を言うと、こじんまりとしたジムを作るくらいなら特別な才能が無くてもやる気があればできるということです。
僕はやり方は分かりませんでしたがやる気はあったので、たくさん失敗しながらもなんとか自分のジムを作れました。
その失敗から学んだことをこのnoteに書いているので、これを読めばやるべきことが見えてくるんじゃないかなと思います。


実際に僕がジムを作るのにかかった金額は2300万円です。
途中で書きますが、無知ゆえに無駄にしたお金も何百万円とあります。
その経験をこの金額で読めると思っていただけると嬉しいです。


早速ですがジムを作るために必要なものは、
・お金
・テナント
・マシン
・内装工事

この4つです。
ざっくりとそれぞれについて説明していきます。

・まずはお金からです。
何をするにもまずお金が必要です。
これが一番難しいです。
貯金が無ければ銀行から借りるのが一般的です。
どんな規模であろうと、最初からある程度必要なお金の具体的な数字を把握しておく必要があります。
そのためにテナントの見積もりやマシンの見積もりが最初から全部必要です。
ある程度全体像を決めてからスタートしないといけません。
自分の理想と現実と闘いながら決めます。

・お金が準備できたらテナントを決めます。
ジムをやってもいいという条件で探していきます。
予算と相談しながら立地やテナントの大きさ、内装の工事をしやすいとかそういったことも考えて選びます。

・テナントが決まればマシンを発注します。(マシンを想定せずにテナントを決めることもできないので、テナントを決めるのとマシンを決めるのはほぼ同時進行です)
マシンのサイズは業者の資料(パンフレット)に細かく書いてあるのでテナントの図面を見ながら何がどれだけ置けて、マシンを置いたときにちゃんと導線が確保できるか等々を、(できればCADを使って)シュミレーションして決めるといいです。
マシンはだいたい受注発注で海外からの発送になるので納期は2ヶ月くらい見ておくといいです。

・そして、テナントが決まれば内装工事をします。
内装工事は自分でできるならしてもいいですが、ジムを作るとなると、更衣室があってその中にシャワールームを作って、トレーニングエリアには鏡も設置する必要があります。
素人にはできないことがたくさんあるので業者に任せるのが普通です。
思ったよりお金がかかります。
本当にびっくりしました。


だいたいこんな流れになります。


それでは、それぞれもう少し詳しく書いていきます。

まずお金からです。
再度言いますが、お金がないと何も始まりません。
どれだけ業者と仲良くなろうと、「じゃあタダでやってあげるよ」とはならないです。
そして今から初めて事業を始めるというような人間に信用なんてないんで、先払いしないと業者は動いてくれません。
後払いだと回収できない可能性があるからです。
ちなみに独立すると最初の2年くらいは基本的にクレジットカードがなかなか新規で作れません。
社会的信用がないんで。
クレジットカードは独立する前に作っておくといいです。


でも安心してください。
お金がなくても社会的信用がなくても、業者は見積もりなら出してくれます。
実際やることに必要なお金を把握するところから資金調達は始まります。


先ほど、“貯金が無ければ銀行から借りるのが一般的”と言いましたが、他にも開業資金を準備する方法はいくつかあって、僕が思いつくのは
・クラウドファンディングで資金を募る
・出資(投資)してもらう
です。
でも正直この2つは現実的ではないです。

まず、クラウドファンディングはどれだけ素晴らしい実現したい目標で共感を呼べるものであっても、知名度が無ければなかなか難しいです。
知名度があっても内容があまりにも独りよがりだとダメですし。
知名度があって共感してもらえる、みんなに応援してもらえるようなものじゃないと難しいです。
知名度を得ることがどれだけ難しいかということはこれを読んでくださっている皆さんはわかっているのではないでしょうか。
ここで名前を出すのもなんですが、sho_fitnessさんのnoteはクラウドファンディングについてめちゃくちゃ参考になります。
成功させるために必要な準備とかどういった人が向いているかなんかが書いてあります。
実際に僕がやったわけではないし、このnoteの趣旨とズレるため、ここでは省略させていただきます。
興味ある方は別途sho_fitnessさんのnoteをお買い求めください。※僕が勝手に紹介しているだけです。



次の出資してもらうことについてですが、そもそも出資というのは融資してもらうのとは違います。
簡単に説明すると、出資してもらったお金は返す必要がありません。
その代わり、出資した人は経営に関することに口出しする権利があるし、利益の一部(配当)を受け取ることもできます。
融資の説明も一応しておくと、融資とはお金を借りて、借りたお金に金利を上乗せして返済していくというものです。
その代わり、それ以外の関係性がほぼ無くて経営に口出しされることもなければ、利益がどれだけ出ようが元本と金利さえ返せば文句は言われません。

お金を出す側の視点からすると、融資はローリスク(返済される可能性が高い)ローリターン(金利)、出資はハイリスク(出資したお金が回収できない可能性がある)ハイリターン(うまくいけば高い配当を得られる)って感じですね。

起業する側からすると逆で、融資はハイリスクハイリターン。出資はローリスクローリターンです。
もうちょっとちゃんと言うと、融資は事業が失敗したときのリスクが高くて成功したときの利益は全て自分のもの。出資は失敗したときのリスクがほぼ無くて成功したときの利益がまあまあ持って行かれるということですね。
もっと複雑ですけど、簡単に説明するとこんな感じでしょう。

これを見ればわかると思うんですけど、経営経験がない人がいきなり「ジムやるんで出資してください」って言っても出資する人なんてなかなかいません。

何千万円も出資してもらえるだけの力がある人はこのnoteを読んでも意味ないと思います。



ここからは僕が実際にやったことをできるだけ細かく伝えていきます。
余計だと思われる話もあると思いますが、はしょるとリアルな部分を伝えられないので書かせてもらいます。

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