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仕事でつかえる会計学、その④

参照:財務会計講義18 桜井久勝 2017 PP289‐294

会社法の計算書類

会社法がすべての株式会社に作成・報告を義務付けている書類は、1)貸借対照表、2)損益計算書、3)株主資本等変動計算書、4)注記表、5)事業報告、および6)付属明細書である。会社法では、1)~4)を計算書類とよんでおり、これらの書類は会社計算規則と名づけられた法務省令に準拠して作成及び監査される。

計算書類等は、3つの方式で関係者に報告される。
1:会社法が定める第1の方式は、定時株主の2週間前までに株主宛に郵便またE-mailで送付する総会招集通知に添付して行うもので、既存の株主に対する直接的な財務報告としての特徴を持つ
2:定時株主総会の2週間前から会社の本店と支店に備えおいて、株主と債権者の有給に応じて閲覧に供する方式
3:株主総会の後に遅滞なく、貸借対照表と損益計算書の要旨を、官報・日刊新聞・自社ウェブサイトのいずれかで公告することを求めている。ただし、金融商品取引法による有価証券報告書の提出企業は同公告を免除される。

尚、会社法のもとでは計算書類のほかに事業報告書の作成と報告が求められている。事業報告書に記載すべき事項は、主要な事業内容、当期の営業の経過と成果、株主や従業員の状況、取締役・執行役・監査役の氏名と担当事項など、会社法施行規則(118~128条)で定められている。

金融商品取引法の財務諸表

金融商品取引法は、その適用を受ける上場会社等に対して、年次の決算日から3か月以内に有価証券報告書を作成・提出することを義務付けている。提出された報告書は、金融庁が運営するEDINETという電子開示システムを通じて閲覧できる。有価証券報告書は、①企業の概況、②事業の概況、➂設備の状況、④株主・配当・役員等の状況、⑤経理の状況、および⑥株式事務の概要などの部分から構成される。

その大半は⑤経理の状況の中の財務諸表によって占められる。その財務諸表とは、1)貸借対照表、2)損益経産省、3)株主資本等変動計算書、4)キャッシュフロー計算書、および5)付属明細書の5つである。金融商品取引法に基づく財務諸表は、a) 会社法の計算書類が個々の会社ごとに作成される年次の書類を中心とするのに対して、3か月ごとの期間を対象とした四半期財務諸表、および子会社等もふくめた連結財務諸表の作成と公開が義務。

参考・参照:財務会計講義18 桜井久勝(著)2017

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