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もっと寛容な社会であってほしいと願う。和歌山カレー事件の続報に思うこと

普段、あまり暗いことは話題にしないでおこう、みたいな、特にこの一年、悲しいニュースや暗いニュースが多く、そちらばかり見ているとそのまま足を引っ張られていくんじゃないかってような心持ちでした。


ちょっと昨日の話題に引き続き、社会問題的なことを切り口にしてみます。

僕が和歌山カレー事件のことを深く知ろうと思ったきっかけは上記のドキュメンタリー映画を見たことでした。


滅多に映画は見ませんがドキュメンタリーだけは好きでたまに見ることがあります。タイトルの通り、多くの弁護士が嫌がる死刑囚の弁護をし続ける安田好弘という方を追ったドキュメンタリー映画です。

オウム真理教の麻原や和歌山カレー事件の林真須美、過去に世間を騒がせた事件の容疑者などを多く弁護士続けている彼に密着したこの映画はとても興味深いものでした。


この映画で初めて、1998年に起きた"和歌山毒物カレー事件"の容疑者、林眞須美に対して冤罪の可能性があるということを初めて知りました。

当時、林眞須美がマスコミに対してホースで水をかける映像が頻繁に流されていたことをよく覚えていました。

僕はまだこうした事件に対して好奇心も薄くメディアが報道していることを鵜呑みにし、彼女が犯人だという認識をそれまで疑うこともなかったし、もう、この事件は林真須美に対して死刑判決が出た時点で終わったものだと思っていました。


しかしもし彼女の罪が誤りだとしたら・・・


死刑判決が下された後で判決が覆った例としては上記の袴田事件が有名ですが、約50年無実の罪にも関わらず死刑囚としてその自由を奪われたというあまりに非人道的な時間を過ごしました。

無実の罪にも関わらず当時の警察が長時間の取調べにより罪を認めないとこの拷問が永遠に続くとするような脅迫を行い犯人に仕立て上げたという今では考えられないことが起こっていたのです。

ここで死刑賛廃を論じることは控えますがこうした事実がある以上同じく冤罪の可能性はあり、袴田さんは死刑を覆すことができたが、今までの死刑執行された死刑囚が皆冤罪の可能性がなかったかと問われると、実は袴田さんと同じく無実の罪だったのではないか?という死刑囚は沢山います。



10年前からその事実を知り、その後、死刑囚の展覧会などでそこでも林真須美が無実の罪を訴える作品を見ることもありました。

twitterで林 眞須美の長男が母親の無実の罪を信じて活動などを行なっているのも数年前から見たりしていました。何にもできないけど、せめて彼の発信のRTするだけでも、一人でも多くの人にこの事件がまだ終わっていないことが伝わればと思ってみていました。



今月に入り2021年5月31日、新たに和歌山地裁に再審請求を申し立て、受理されたことがわかり、林真須美も長男にも再び希望が見え始めた矢先にとても悲しい事件が起きた。


林真須美の長女の一番上の娘は外傷性ショックによる日常的な虐待により死亡。そのあとで、4歳の娘と共に関西国際空港を結ぶ関空連絡橋から飛び降り溺死。


最近は長男がSNSやYouTubeでの発信の多くなっており、僕もいくつかのインタビューを聞いていた。事件の真意は別として、犯罪が起きた際の被害者家族と同じく、加害者家族に対してもしっかりと手を差し伸べてあげることのできる社会であるべきだと普段から思っています。

親が犯罪を犯そうと、その家族や親族が社会的制裁を受けるべきではないし、思い詰めることはあるにせよ、そうした人たちにもっと寛容であるべきだと、

なのにこの仕打ちは何か??????

亡くなった長女の気持ちは到底わかりません。分かろうとしても想像を絶する、地獄のような人生だったのかもしれません。簡単にわかるなどと言えるはずもない。辛かったんだろうな、今まで頑張ってきたんだろうな、母の無実の罪を信じながらも、世間のことを考えると声を大にすることもできず、せめて自分の娘には自分のような思いをして欲しくない・・とここは僕の妄想ですが、



本当にこんなことは2度と起きてはいけないと強く思います。

こじつける訳ではありませんが、僕はこうした社会の負の部分にもしっかり目を向けながら、少しでもこの世の中で良くなるように自分ができることをやっていこうと思っています。

大阪で絵画制作や美術活動をしつつ、ARTspace&BARアトリエ三月を運営しています。サポート頂いた分は活動費やスペース運営費として使用させて頂きます。全ての人がより良く生きていける為に 美術や表現活動を発信し続けます。