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キラキラと輝くものと苦しいこと。共存する『世界は今日から君のもの』

訳あって休職中のわたしの平日は、もはや世間の平日とは切り離されたようなもので、
朝からPCに向かう彼の生活音を耳に入れながらもお昼すぎまで布団の中で過ごすことも多い。
のそのそと起きて身支度と軽い家事をして、やっとわたしの1日が始まる。

海まで散歩へ行く日もあれば、料理をする日もあるし、なにもせずにソファで時間が流している日もある。
とある日の夕方、エモめの映画が観たいと思い、テレビをつけてAmazon primeビデオを漁っていた。

primeビデオは各作品、予告が観れるので数本観てみたところこの作品に決定。

世界は今日から君のもの

あらすじ
 門脇麦ちゃん演じる小沼真実は、高校生のころから5年間、ひきこもり生活を送っていた。現在は父親が見つけてくるアルバイトをこなしながら父親と二人暮らし。人とのコミュニケーションが苦手で、恋人も友人もなし。
 新しく働くことになったゲーム制作会社のゲームキャラクターのイラストを手直ししたことから、同じ会社の矢部遼太郎(三浦貴大)にイラストの才能を認められ、イラストレーターとしての業務を期待されるも思ったように絵がかけず、、、

幼い頃からひとりの世界で綺麗なものや、好きなものを集めてきた真実は、人と馴染むことが出来なかった。でも果たして幼い頃に人と馴染むことは絶対に必要なことなのだろうか。結果論にはなってしまうけど、5年間のひきこもり生活中に没頭していたイラストがスキルとなって、将来に繋がっていくんだから、『周りに馴染めない=出来ない子』って決めつけるのは違うと思う。それで本人が苦しい思いをしてしまうのはまた別の問題だけれど…周りが決めることではないんじゃないかな。

これまでやったことないことをいきなり求められ、『自由に、自分が思うようにやっていい』と指示され、絵を書く技術はあるけどデザインやアイディア出しが行き詰まってなにも書けなくなってしまうのも変なことではない。そういう1から自分で考えて、それをアウトプットして感想ももらうという一連の機会が与えられてこなかったのだと思う。
突然のことに戸惑い、「仕事だから」「お願い、いいからやって」と矢部に言われても逃げ出す。世間ではこういう逃げ出す行動は良くないとか無責任と言われるけど、わたしは嫌なことからはどんどん逃げていいと思う。出来ないものは出来ないし、やりたくないことはやらなくていいと思う。そこで逃げっぱなしの人もいれば、代替案を見出せる人もいるけど、それも人それぞれだし。こんな考え人として甘いですかね?おかしいですかねぇ?

真実はなにかの縁で家に泊めてくれる友達も見つけ、「描きたいときに描けばいいよ」と言ってもらい、自分のタイミングでまた絵を描き始める。
最終的にいきなり自分の絵だけで生きていく道を選んでいなかったけれど、最後の「いいの、一歩一歩で」という言葉が、自分とも向き合い、少しずつ歩みをはじめた真実の成長が見えた気がした。私も好きなことを一歩一歩形にしていければいいなと思った。

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