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読みやすさ!◎偏見だらけのぶっ飛び哲学。 〜『天才の根源』を読んで〜

この本を手に取らなかったのには理由があって。

発売当初、本屋さんの著名人エッセイコーナーに並んでいたこの本。
東海オンエアの動画でも、てつやくんの個人チャンネルでも、発売することは知っていた。
なんなら本の発売に伴ったなんらかの作業生配信もずっと観ていた。
東海オンエアは4〜5年ほど前からYouTubeで動画を観ていて、2020年は自粛期間とひとり暮らし期間もあり、過去動画まで見漁ったほど。
じゃあなぜそのリーダーであるてつやくんの本は読んでいなかったのか。 

『”クラスの男子”がおもろいことやってる』の最強形態

東海オンエアはわたしにとって『クラスの男子がなんか面白いことをやっているのをチラ見してくすくす笑う』って感覚だったから。

同い年ということもあり、”面白いと思うこと”の範囲もドンピシャで、たまに『93年あるある』だとか、『子供の頃にハマったもの』の話が出てくるとたまらない。
同い年ってだけで同級生でもなんでもないし、親近感を沸かせるのも恐れ多いほどビッグな方々なんだけども。
そんな感覚でいつも楽しませてもらっていた。

特別仲が良いってわけではなく、ただ存在を知っているってレベルの同級生が本を出してもわざわざ買って読みませんよね?
でもなんなら1ページだけ本屋さんで読んでみたんだよね。書き出しの文章とかしこまった文体が恥ずかしくて閉じちゃってそれきりだった。
有名人の勝手に親近感湧いててキショいのは置いといて、そんな理由だったのね。

それがなんでいまさらになって読んだのか。
それは読書家でYouTuberに興味のある彼氏がこの本を買って、わたしも読ませてもらったからです。笑
でも彼氏に東海オンエア教えたのわたしだよ?笑

何年かぶりにてつやくんの本を手に取り読んでみたはじめの感想は、

読みやすい!!どんどん読める!

完全に話し言葉で書かれていて、文章も一文一文が短くてスルスルと読めた。
昔感じた恥ずかしさとかはなかった。いや、ちょっとだけあったかも。笑

その恥ずかしさの正体をわたしはもう知っている。
それは動画上のキャラと文章のギャップなんだと思う。
本人は至って真面目にこの本を書いたと思うし、綴られていることは、本人の中の本音とか、根っこの部分なんだろうと思う。
そして普段の”真面目におふざけ”をしている部分と、文章の”真面目に本質を語る”というギャップに、本人も多少照れがあるんじゃないかな。いや、全然悪いことじゃなく、それほど本気でやっているってことなんだけど。
それが文章を通して伝わったんだと思う。
現に彼の口調そのままに書かれた部分は、そんな感情一切沸かない。動画内のセリフを聞くようにスルスルと読めるので、活字が苦手という人にもおすすめ。

ごめん…女子には共感できない。けど、見つけた共通点。

そして読了した感想は、

意外と頑固!いや、動画のこだわりの強さを見ると超意外ってことでもないけど…

”融通の効かない頑固者”、ではなく、
”柔軟に対応することに対して強い意志がある”、って感じでしょうか。

人との関わり方とか、外界からの刺激の受け取り方とか、
わたしとは全く違う種類の対応の仕方ではあったけど、
彼もいろいろと感じやすく、考えて行動しているタイプなんだろうと思った。

それと、途中で女子には理解し難い男子心というか彼の男子としてのこだわりがわんさか語られている。ファンの女の子たちどんな顔して読んだんだろう?←
まぁいいや。

等身大の彼の本を読んで、自分と共通点を感じた人も多くいると思う。
わたしが感じた共通点はふたつで、

宿題はやらないタイプだった』ことと、『”放任主義”の優しさ』ということ。

これがなにを意味しているのか正解はわからないけど、「ある意味で人の行動や言動に依存せず、己を貫くところ」と、「穏やな印象を人に与えるけど、ただ周りを達観しているだけと自分で思っているところ」は似ていると思った。

素直にすごいなぁ素晴らしいなぁと思った持論集。

・痛まないんじゃないの、痛みを気にしない心なの。

学校や社会のコミュニティに属すると、ほとんどの確率で傷つくことがある。それはもう悪意がある行動から、無意識な言葉や振る舞いまで種類はさまざま。

それらをいちいち真に受けて傷つくよりも、受け流してしまったほうが良い、と判断して実際の行動や生き方に落とし込んでいるてつやくんはすごい。スルースキル半端ねぇ。真似してみたい。

素直こそが人間のあるべき姿だ、みたいな価値観のわたしは、『自分さえ我慢すればこの場が収まる』という考えは捨てている(昔はこの考えばかりだったよ)。傷ついた感情も、負の感情も、とても大事にしている。
人を傷つけたり、迷惑はなるべくかけないよう振る舞ってはいるけど、無意識に表にも出ているだろうと思う。それが悪いこととは思わない。
でも、場の空気を読んで『まぁいいや』と一線を置くことも時には大事なんだろうと思った。それが自分のためになるんだろうなとも。

ー・ー・ー・ー・ー

・常に一目置かれたい。

『ただの過激なヤツ』ではなく、人がやろうとしないこと/思いつかないことに目をつけて追及する精神は素晴らしいな。
「面白いと思われたい」のベクトルが万人ウケじゃなくって自分の半径5メートルくらいなのも”おもろい”の本質なんだろう。

がむしゃらに無鉄砲に適当に見えて、客観性が備わっている

彼のような器の大きい人って、「適当」とか「こだわりない」とか思われがち。それにおもろいことを追求して生きる人生はまさに無鉄砲、と思われがちだろう。

がむしゃらに好きなことだけを追っているのは事実だろうけど、それで転けないのは客観性も伴っているからだと思う。
幼いころから彼の中にある客観性はなんなのだろう。

友達同士のおふざけ中に自分のポジションを判断してうまく立ち回るのもそうだし、自分がいまどの位置にいて何をするべきなのか、わかっているようで、わかっていないようで、わかっているんだと思う。

自分の道を無意識にも意識的にも心から信じられる人ってすごいなぁ〜。

「神は二物を与えなかった」と彼が言うように、やっぱり何かに突出する人は何かが欠落するんだと思う。笑
これからもバカおもろい動画を期待するとともに、わたしも突出して欠落していきたいと思う…!


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