『他人も自分と同じ感覚だろう』という考えを捨てたら人生楽になった。

「なんかこれ好き」「なんかこれはいやだ」

多くの人がこの感覚を持って、そしてこの感覚に従って、
選択したり、発言したりしていると思います。

その好き、きらい、苦手、気になる、の感覚が
だいたいみんな自分と同じと思い込んで過ごしていました。

この思考はかなり疲れるし、ときに危険なもので、
この考えを捨てることによって人生が劇的に変わったので
書いてみたいと思います。

・『他人も自分と同じ感覚だろう』とは

学生のころ嫌いな先生がいたり、校則に納得していなかったり、社会人になってからも理不尽なコミュニケーションや規則に縛られたり、と、心がザワザワすることが多々ありました。

もちろん共感して、気持ちを共有できる人もいました。
ですが今日書くのは、そんなザワザワした感覚を、
基本的にみんなわたしと同じ感覚を持っている、
言わない人は我慢しているんだろうと思い込んでいたわたしの話です。


そして普段なにげなく感じていることも、
自分だけじゃなく、周りの人たちも同じように考えていると
思っていました。

例えば、季節の変わり目になるとその季節独特の匂いや空気を感じて、思い出と一緒に脳内にインプットされる、とか、自分が生まれた意味や生きる意味を考えたり、とか。

深く考えることが癖なので、わたしは日々いろんなことを深掘りしてそれを楽しんでいるけれど、人間みな同じ感覚なんだろうと、無意識に思い込んでいました。

・『他人も自分と同じ感覚だろう』と思い込んでいると起こる良くないこと

冒頭で『この思考はかなり疲れるし、ときに危険なもの』と綴りましたが、わたしはそう感じています。

実際に感覚が似ているとか、価値観が近い相手とお互いに認識していればいいのですが、そうなるにも時間と信頼関係が必要です。

そして感覚や価値観はどんなに似ていても、人それぞれですし、ましてや全然違った考えを持った人同士が関わり合うのが社会です。

近しい関係でも、浅い関係でも、『他人と自分が同じ(近い)感覚を持っている』と思い込んでいるといろんな苦しいことが起こりました。

理解されずに苦しむ

ひとつ前の項目で書いたように、学生時代のわたしが教師の言葉でいやな発言があって心がざわついていたとします。
当時のわたしは『隣にいるこの子も、むしろこの教室の全員がいま嫌な気分になっている、でもみんな言わずに我慢しているんだ』と思っていました。

でも実際は、どうも思っていない子や、逆に教師の言うことが正しいと思って同調している子もいたと思います。
それくらいわたしの感覚は繊細で過敏で、教師たちのちょっとした言い回しにもいちいち気にしていました。

そうなると不満を募らせたわたしが爆発して、友達やほかの教師に訴えたとしても、理解がされません。

信頼していた人に理解してもらえないのはつらいものです。
ですがさらに『この人もわたしと同じ』と期待していた分のショックものしかかってきました。

はじめから『人と自分の感覚はちがう、人それぞれ』という考えがベースにあったら、理解されずに苦しんだり、必要以上に絶望したりしなくなります。

これは一例ですが、ほかにも会社内の同僚や上司とも、当時の恋人とも、家族とも、価値観のギャップを感じ、その度に理解ができず、理解がされずに苦しみました。

頭で考えて、口で説明すれば、どんな人間とも分かり合える。
という考えがありましたが、それを捨てました。


・『他人も自分と同じ感覚だろう』という考えを捨てて、理解することを諦めた

長年無意識で使っていた思考を捨てるのは簡単なことではありません。

わたしの場合は、
もしかして他人と自分はそもそも考え方も違うことがほとんどなのかも。どんなに仲がいい人や長い時間一緒にいる人でも、同じなんてことはないのかも
とあるとき突然気づきました。

同時に、理解ができない分、相手の意見は傾聴し、把握することに努めようと思いました。

そこからわたしの他人に対するコミュニケーションの取り方も、意見がすれ違ったときの対応も、かなり変わりました。

いちばんの違いは、自分の価値観と全く異なることでも、
一旦すべて受け止めようと思うようになりました。

その上で主張すべきことは主張して、
自分の中で留めるべきことは留めたり、やんわり伝える術を身につけました。

そうやってわかってもらおうとか、理解できなくて苦しい気持ちを手放すことによって、
自分とは別の感覚や価値観を許容できるようになりました。

はじめから違いを受け入れる土台ができていることで、
心がざわつくことも減り、結果生きやすくなりました。

価値観をガラッと変えることは難しいし、
性格を変えることは不可能に近いと思いますので、

自分の心を楽にするためにも、
ひとつ新しい考え方・視点を取り入れるのかいかがでしょうか。


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