アルコール依存症者へ贈る愛の言葉-9どう断酒を決意するのか
私は底つきを促す、待つことには絶対反対だ。
けれどアルコール依存症者に断酒を決意させるのはものすごく難しいのが残念ながら事実。
難しすぎて半ばサジを投げたところから生まれるのが底つき待ちの理論だと思う。
イネイブリングをやめても飲み続ける人は飲み続ける。
脳がアルコールの摂取を最優先にする状態になっているのだから。
周囲にできるのは、あなたはアルコール依存症であると言い続けることぐらいだろう。
断酒するタイミングやきっかけがやってくるのはケースバイケースとしか言えない。
どれだけ理性が反応してくれるかは神のみぞ知る、だ。
いっそのこと、体からアルコールが抜けて思考がある程度まともになるまで強制的に昏睡状態にしてしまえばいいとさえ思う。
飲みたいという欲求そのものを消してくれる薬ができたら、どれだけ多くの人の命を救えるだろう。
アルコールの怖さを知ってからこの世界が異常に見えるようになった。
あの手この手の宣伝で美しいイメージを付加されて、こんな恐ろしいドラッグがそこらじゅうに溢れかえっている。
アルコール依存症に関してはビッグマーケティングの被害者という側面が大きい。
合法で、どこででも安く手に入れられてしまう薬物がアルコールなのだ。やめようと思っても誘惑が大きすぎる。
もっと薬物としてのアルコールについての知識が共有されるべきだ。
アルコール依存症は病気で、彼らには助けが必要なのに、ただ責めて傷めつける社会が腹立たしい。
少し調べればわかることなのに、多くの人は知ろうという努力をせずに思い込みで断罪する。
誰でもアルコール依存症になりうること、アルコール依存症であることは恥ずかしいことではなく、むしろそこから回復した人は賞賛に値するという共通認識を社会全体が持つべきだ。
そうすれば、依存症であることを受け入れるのも、断酒の決意もしやすくなるに違いない。
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