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ついに本当の醸造所へ〜どぶろく免許取得へ〜

ハッピー太郎醸造所について・各種お問い合わせはこちら

久々のnote。実は皆様には秘密でビッグプロジェクトが動いておりました。

ハッピー太郎醸造所、ついに「どぶろく」を造ります!!!

どぶろくって、これ。日本酒の、搾ってないやつ。

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(注意:正確には、「その他の醸造酒」が造れるように税務署へ申請書を出した、ということです。)

どこで醸すの?

醸造所を構える場所はこちら、滋賀県長浜市に2021年12月オープン予定の「湖のスコーレ」。

JR長浜駅から徒歩10分の好立地にできるこの施設は、奈良「くるみの木」で知られるあの石村由起子さんプロデュースで、「D」の相馬夕輝さんも絡み、そして何よりこの旧長浜市街に並々ならぬ想いを抱く地元経営者、そして「チーム・スコーレ」の数年にわたる懸命な努力で、今、形になろうとしています。ロゴ(「ミナ・ペルホネン」の皆川明さん作)がかっこいい、上のティザーサイトを御覧ください。ほんと、何これ!素敵♪ってみんななるって。絶対。

これらのとっても風通しの良い皆様の誠実かつ切実な想いが結集したこの施設「湖のスコーレ」醸造室にハッピー太郎醸造所が入居し、今までの糀事業を発展させつつ、どぶろく醸造の免許取得を目指すことになりました。

初めから屋号に書いておいた。

そもそも、ハッピー太郎醸造所工房創設は2017年10月。酒蔵の蔵人経験12年の後創業。あれからほぼ4年経ちました。


「ハッピー太郎」とは、私の本名「幸太郎」から取ってて、このハッピー太郎という名前に引っ張ってもらいました。ハッピーな発酵コミュニティをお客さんと一緒に作ってきたと思います。
そして「醸造所」には創業当初からずっとお問い合わせがありました。「醸造所って名前がついてますが、お酒を造ってるんですか?」

その度にお話ししました。
「僕の夢なんです。いつか、酒を造りたいと思って。」

人生は面白い。


語り続けることの大事さよ、、、。引き寄せ?っていうんですか?
本当にお酒(どぶろく)を造ることを目指せるようになりました。こんなことってあるのか?自分自身びっくりしてます。

今まで僕の人生に関わってくださった全ての人たち、本当にありがとう!ほんと、泣けてくる。今もこれ書きながら泣いてます。どんな人生だってかけがえのない人生だ。でも、こんなチャンスをさせてもらえる人ばかりではないことも、よくよくわかっている。そして、このお話をいただいたとき、二つ返事でOKしたけど、途中すっごく不安になってきた。事業規模が違う。世の中の状況もある。でも、チャレンジできる人生が巡ってくることを選んでいるのもまた自分なのです。商売に失敗はあるのかもしれないけれども、人生に失敗はない。こんな窮屈な身動きが取れない世の中だからこそ、チャレンジすることが価値があることじゃないのか。そんなチャレンジに、みんなが、夢を一緒に見てくれるんじゃないか。夢を現実にしたい人たちと一緒に、歩んでいけるんじゃないか。

腹は決まった。そしてやるからには、絶対に成功させるぞ。

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*画像はイメージです♪

醸造免許を取るということ

どぶろく醸造業界というものがあるとしたら、ちょっと最近の流れを思い浮かべてみると、

*「どぶろく特区」でどぶろくを始める→醸造免許取得する
*酒造りの修行を積んだけど現状日本酒醸造新規免許が許可されないので、どぶろく醸造免許を取得」
という流れはあったのだけれども、

米麹屋が発展的事業として、どぶろく醸造を目指す」というのは、発酵業界において、ちょっとエンタメ的話題を提供することになると思う。

でも、糀屋というだけでは醸造免許の申請書は書けない。要件があって
・醸造する人間が確かな技術を持つこと
・税務署への申告するための分析・記帳の経験があること
というのは最低限必要なこととなる。
つまり「杜氏の仕事と同じことができるかどうか」という履歴書が必要となる。
私は名だたる名杜氏には肩を並べられるわけがないけれども、かつて自分のレシピの酒を造り、PBとして出荷していた経験がある、まさか、それが説得力を持つとは、、、。人生、全てが繋がっているね。

どんなどぶろくを醸すのか。

さあ、じゃあ、ハッピー太郎醸造所はどんなどぶろくを醸すのだろう。
今、イメージしているのは、

愛の味がするどぶろく
楽しい味わいの地元副原料を使用したどぶろく

この2つです。

まとめて言うと

愛の味がする楽しいどぶろくを、醸します。

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発酵と愛

私が発酵食品屋として何が求められてきたか。それは「信頼」です。
私が作ったものを買って帰って、自分の子供に味噌汁を飲ませる、病気がちな両親に甘酒を作って送る。発酵食品屋としての発見は、「人は大切な人への愛を表現するものとして、日々の食べ物を心を込めて用意する」と言うことでした。

だから、食事の肝となる食材は、信頼できる人から買う。人によってさまざまだが、醤油だったり味噌だったり、、、日本の伝統的な調味料に信頼を寄せたい人は多い。
しかし、米麹というのは、それだけでは食べ物ではありません。甘酒にし、塩麹にし、味噌に加工してこそ、食べ物になり料理に使えます。米麹は品質表示シールを見てもその素性がわからない。だから私は、「信頼できる米麹」をご用意することが糀屋としての務めだと考え、ハッピー太郎の糀は、こういうお米でこういう考えで作られているというふうに発信してきました。

完熟の糀でどぶろくを醸したい

私がよく話すことに「酒蔵の米麹は工芸品、糀屋の米麹は農産物」という言い方をします。
酒蔵の麹はデザインされます。こういう酵素が欲しいから、こういう温度経過で、製造時間はこうで、そもそも菌の種類はこうで、と酵素デザインが大切とされます。そしてもろみで溶け残った麹は酒粕になります

糀屋の米麹は全く考え方が違います。麹菌という種を蒸米に落とし、根っこが生えるのをサポートし、太い幹を育て、実が完熟になるのを待ちます。その環境を用意するのが糀屋の仕事です。甘酒や味噌に見られるように、糀屋の米麹はそれを丸ごと食べるもので、それそのものの味わいも非常に大切です。

このようにそれぞれ米麹作りの性格が違ってきたのは、実は、ごくごく最近のことなのです。

そもそも昔、例えば江戸時代には、糀屋が特権的に麹を作り、味噌蔵や酒蔵に販売していた記録があります。現代は味噌蔵や酒蔵の内部で米麹を作っていますが、昔はそうではなかった。
つまり、分業的に、糀屋が味噌にも酒にも使える米麹を作って販売していた可能性が高い。もちろん、「あそこの糀屋の米麹で仕込んでるから、ここの酒は美味しいんだ」という評判も、ありそうです。

これ、めちゃくちゃ面白くないですか?

味噌に使うような米麹で、どぶろくを醸すんです。
ハッピー太郎醸造所的完熟の米麹で、味噌と、どぶろくを醸すんです。

お酒の飲めない人はお味噌汁を、飲める人はどぶろくを。

ちなみに飲んだ後の味噌汁は美味いですぜ。

でも、完熟の米麹で醸したどぶろくがなぜ「愛の味がする」のか。


糀漆器


完熟米麹は土と湖への愛がベース

米麹が完熟に至るというのは、私の感性です。完熟の基準は私のベロメーターであり、数値化はなかなかできません。
なんとか説明すると、「そのお米を丸ごと溶かすだけの酵素を蓄えていること」となります。
つまり、「お米のいいところだけを溶かしたいんだよね」というような考え方ではなく、「お米丸ごと溶かし尽くします」という考え方。それには「このお米は全てを溶かしても、大丈夫」という、無条件の信頼が必要となります。

ああ、これって「愛」です。

お米への信頼というのは、つまりは、そのお米を作る農家さんへの信頼と繋がります。もっというと、農家さんの「田んぼの土」への向かい方への信頼。お米を溶かしきるということは、それが産まれたその土の在りようを明らかにする、ということに近いことです。ということは、土が美しくなくてはならない。

ここで、大事なことに、気付かされます。
滋賀県の田んぼの土は、その水を通して、琵琶湖へと繋がっている。

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琵琶湖朝日

滋賀県は湖国とも言われます。滋賀県に住む人なら、誰もが湖を無視することはできません。本当に偉大な姿を我々に見せてくれている。琵琶湖が琵琶湖であり続けることを祈り、そのために人はどう振る舞えばいいのだろうか。

そう、どぶろくを醸す場所の名前は、「湖のスコーレ」。
「湖」に導かれた生き方を学ぼう、、、、「湖のスコーレ」の根本的な思想というのは、そこにある、私はそう解釈しています。

つまり、耕す土とそしてその先にある琵琶湖を愛してやまない農家さんのお米を信頼し、完熟の糀に仕立てて醸すどぶろくは「愛の味がする」

私はそう信じています。
だから、農家さん、大事です。すでに気持ちが通じ合う農家さんと出会うことができました。今日、そのうちの一軒の農家さんが、出来立ての新米を「ぜひ食べて欲しい」と持ってきてくれました。
感動的な透明感。美しい後味。

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いずれ、農家さんのこともご紹介していきたいと思います。



楽しい副原料には何を


ここまで熱く語りすぎましたが「楽しい味わいの地元副原料を使用したどぶろく」に関して簡単に申し上げましょう。

今回、取得を目指す「その他の醸造酒」製造免許というのは、日本酒の米・米麹と違い、副原料が認められます
これはかなりエンタメ的要素があるので、ちょっと秘密にしたいな〜ってのも、あります。どんなのか??そこはハッピー太郎醸造所。地元に根ざした副原料をいくつかピックアップしています。クラフトビール的な、「え?何それ、飲んでみた〜い」というポップな感じも私、好きなんです。
ちょっとヒントは、、、、、近くには偉大な湖もありますが、偉大な山もあって、、、、。
これからの出会いにも期待です!

これからのこと

醸造免許は申請してから時間がかかります。何かが足りなかったり、修正したりして、税務署と国税局がOKを出せるようにします。

「湖のスコーレ」は12月オープン予定。12月には免許は間に合いません。どぶろく醸造開始は来年にはなりますが、着々と準備をしていきます。楽しみです。

12月オープン時には、まずは米麹事業から始めます。毎冬恒例の「手前味噌の会」も開催予定です。その時には完熟の糀でお待ちしております。味噌ができたら、それを肴に飲みますか。
「湖のスコーレ」にはチーズ製造室があるんです。チーズ用に仕立てた味噌も、いい感じに試作進めてます。そうそう、カフェだってあります。お味噌で醸したチーズを肴に、どぶろくを飲みましょう。楽しいね。

状況が良くなったら、田植えからやりましょう。稲刈りをして、そのお米でどぶろくと味噌を作るのです。そして湖のそばで、琵琶湖の東側・長浜ならではの美しい夕日を観ながら、乾杯を。

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(コンデジで撮影。加工無しですが、ちょっとキザなのは撮影者の好み)

そしてそして、スケジュールは未定ですが、

クラウドファンディング開催時には是非応援をよろしくお願いします!

このどぶろく醸造プロジェクトの成功には仲間が必要です。
ハッピー太郎醸造所のコンセプトは「発酵がつなぐ、しあわせ」。
これからさらに楽しい幸せの輪を、一緒に醸していきましょう。

どうぞよろしくお願い申しあげます!!!

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画像はイメージです♪

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