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記憶と記録に残る選手になる

平良海馬投手(21歳)
沖縄県出身で初めて侍ジャパンに選ばれた埼玉西武で今、大活躍中の投手。なんとプロ4年目で39試合連続無失点のプロ野球記録も樹立!おしくもそれでストップにはなりましたが...。まだ21歳の若き投手の探究心と徹底的な数値へこだわりと努力には心躍らされるものです。「記憶と記録に残る選手になる」という平良海馬投手について綴ってまいります。

甲子園には遠かった高校時代

平良海馬投手は、石垣島出身。小学校で野球をはじめ、沖縄の離島では初めて甲子園出場した地元・八重山商工に入学。2年までは外野がメインで、最上級生になってから投手専任となったようです。

「投手としてプロ野球選手になりたい!」

進路を尋ねた監督にそう答えて驚かせたとのこと。高校2年の当時で思いっきり投げて球速145kmのスピードは決して速い球ではない。が、その後にウェイトトレーニングを重ね、5ヶ月で球速152kmを出すまでに急成長。

とはいえチームとしては公式戦ではすべて初戦敗退、甲子園には遠かった高校時代ですが、ドラフト4位指名を受けて晴れて埼玉西武へ入団。剛速球だけでなく、体の強さとゴロをさばく軽快はフィールディングなどのセンスの高さを買われたとのこと。

その入団会見では

「記憶と記録に残る選手になる」

と宣言。ゴールの数値もきっと平良投手の脳裏にはしっかりと刻まれていたことでしょう。

きっかけとなった菊池雄星投手との出あい


高校時代に5kmも球速を上げたのが、たまたまTVで菊池雄星投手(現メジャー・マリナーズ)の密着番組。オフの日のウェイトトレーニングに取り組む姿をみたことがきっかけだったとのこと。

菊池投手からの影響はそれで終わらない。1年目は2軍でわずか10試合の登板のみだった平良投手、そこから劇的な進化がスタートする。1年のオフの時に当時西武所属の菊池雄星投手に誘われた石垣島での自主トレ。

理論に基づいた筋トレの重要性と投球解析に触れ、球の回転数や回転軸をデータ化するトラッキングマシンを自費購入し、地道にコツコツと投球の質へこだわり磨き続けて開花しています。去年もオフには米アリゾナでの菊池投手の自主トレに同行、さらなる成長を予感させてくれます。

明確なゴールに向かったPDCAサイクル


プロ2年目では158kmをマークした平良投手、その後日本人で6人目となる160kmをマークしています。その進化の背景にあるPDCAサイクルの徹底ぶりが本当に素晴らしい。

投げては、トラッキングマシンのAIで解析された球の回転数や回転軸をチェックし、微妙なフォームなどの改善を重ね、また投げる。それを地道にコツコツと積み上げているのです。

その改善ってきっと数値的にはコンマなんミリ単位の、一方で身体や指使いとしては超感覚的なものなのではと想像を超えています。

「自分のことをもっと知りたくて。いつでも数値で分かるので買いました。自分のボールがどんな特長か知ることができる」

明確なゴールがある、これだけでも人の行動は大きく変わりますが、そのゴールにただひたすらPDCAサイクルを回し、行動し続けることの可能性がわたし達に大きな力を与えてくれます。

プロ野球選手として、「記憶と記録に残る選手」という明確なゴールに向かってまだまだ進化を期待させる平良海馬投手の今後の活躍も楽しみの一つです。



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