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奄美・沖縄 世界遺産に!

2018年に登録延期勧告から3年越しの実現、世界自然遺産として「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」が決定しました。まだ続く緊急事態宣言期間や先の台風被害で少し気が滅入りがちだっただけに、このニュースは嬉しいものですね。オリンピックの初代王者や金メダル以上に地方紙が紙面いっぱい飾った奄美・沖縄の世界自然遺産について綴ってまいります。

登録延期になったワケ

2017年の2月に日本政府がユネスコへ推薦、その後に行われたユネスコの諮問機関「国際自然保護連合会(IUCN)」による現地調査で登録延期が勧告されたようです。しかも国内では初の登録延期。

奄美大島から沖縄までの離島が連なる、いわゆる「琉球弧」という島嶼群全体ではなく、奄美大島、徳之島、沖縄本島北部、そして西表島の「飛び地」で指定。また、登録区域内に隣接する米軍北部訓練場跡地が編入されず、動植物の生態系が一体的には保全できないというワケだったようです。

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*沖縄県のリンクより

それから推薦区域の見直し、北部の米軍基地訓練跡地を国立公園に編入して再推薦後、今回の指定に至ったようです。

絶滅危惧種や固有種が多数存在する生物多様性


登録区域の4島の総面積4万2698ヘクタール。日本の国土0.5%に満たない面積に、国の特別天然記念物のアマミノクロウサギ、ヤンバルクイナ、イリオモテヤマネコなどの独自の進化を遂げた希少種をはじめ、絶滅危惧種が95種、固有種は75種を数える東洋のガラパゴス地帯です。

沖縄の生物多様性は、琉球列島が古い時代から大陸と分離や統合を繰り返してきた歴史の中で、温暖湿潤な気候によりそこに棲む多種多様な生き物が長い年月をかけて独自の進化を遂げてきた背景があります。

他ではみられない希少な動植物が存在すること自体が、有り難い環境だと実感するものです。


未来へ世界自然遺産を届けるために


そんな貴重な動植物が数多く存在するからこそ、人間にとってだけではなく彼らと共存するための自然環境を未来にどう引き継いでいくか。実はこれがわたし達に課せられた課題でもあります。

観光との両立、希少動物等が車にひかれて命を落とす「ロードキル」、北部訓練場跡地に残る環境問題など、守り育むためのさらなる取組は必須ですね。

世界遺産登録後、そしてコロナ明けの観光客の増加によるオーバツーリズムにならないような、やはり人と自然が共存共栄する仕組みをみんなで守っていってほしいと切に願います。

いずれにせよ、奄美・沖縄の世界自然遺産登録。本当に嬉しいものですね。

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